今回は韓国の教育熱がテーマのエピソードだよ! ドラマ『D.P.』で名演技を見せてくれた俳優ク·ギョファンが登場して子どもたちの解放を叫んだ!テーマのせいで韓国で議論も多い回だったんだけど、早速紹介していくよ~
高クオリティーのシャチが登場した場面は圧巻だったよ~! ネタバレ注意!
子ども解放軍
子ども解放軍総司令官
1人の男が塾のシャトルバスに乗り込み、このバスは塾に行かないバスだとし、残っている子どもたちは、子ども解放軍に入隊する資格が与えられると説明し、話は始まる。
子ども解放軍の目的は、遊んで、さらに遊ぶことだとスローガンを叫ぶ。
하나. 어린이는 지금 당장 놀아야 한다.
ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』9話 バングポン
둘, 어린이는 지금 당장 건강해야 한다.
셋, 어린이는 지금 당장 행복해야 한다.
ひとつ、子どもたちは今すぐに遊ばなければならない。
ふたつ、子どもたちは今すぐに健康でなければならない。
みっつ、子どもたちは今すぐに幸せにならなければならない。
当然ながら警察に逮捕されたよ(笑)
この狂った?男の名前は、バングポン~(俳優ク·ギョファン)。
(バング+おならが出る音を面白く表現した擬声語「ポン」。日本語で表現すると「おならプー」さん(笑))
バングポンは依頼人のムジン学院院長の3男で、母親が運営する塾の車を乗っ取り子どもたちを山に連れて行ったのだ。子どもたちを山に連れて行ったバングポンは4時間の間、子どもたちと色んな遊びをしながら遊んだ。
“未成年者略取誘引容疑”で逮捕されたバングポンの逮捕状の実質審査のために裁判所を訪れたウ·ヨンウとイ·ジュノ。
そんな中、ウ·ヨンウの顔についたまつ毛を取ってあげるイ·ジュノの場面が出てきて、ウ·ヨンウは恥ずかしがりながらも緊張する姿を見せる。
イ·ジュノに見せる姿は、他の人に見せる接触拒否とは明らかに違う感じだよ(笑)
バングポンの名前が裁判に不利なのではないかと心配するウ·ヨンウに、自分の名前を聞けば子どもたちは笑うとし、ウ·ヨンウのような名前では子どもたちが笑わないと話すバングポン。
職業も子ども解放軍総司令官だとは話してはいけないというウ·ヨンウの助言にもかかわらず、意志を曲げなかったバングポンは結局拘束され拘置所に収監された。
裁判官に住所は “子どもの心の中~”って言ったら当然拘束だよ(笑)
バングポンの母親は息子3人をソウル大学に合格させた経験を活かして塾を運営したが、他人の子どもの世話をするために自分の息子が歪んでいくのに気づかなかったとし、息子が刑務所に行くことだけは勘弁してほしいとお願いする。
しかし、ウ·ヨンウに再び面会したパングポンは、自分の遊びの哲学を説明し、自分は減刑を望まず、子どもの解放だけを望んでいるというもどかしい状況。
無条件によくしてあげる
好きなクジラの話もしないでバングポンの話ばかり並べるウ・ヨンウに嫉妬するイ・ジュノの心を知らないウ・ヨンウは、トン・グラミの助言どおりイ・ジュノによくしてあげようとする。
椅子を引いたり、自分のたくあんも分けようとしたり、無条件によくしてあげようと努力している。
今それが重要じゃないってウ・ヨンウ~!イ・ジュノは完全にすねたよ~(笑)
裁判日になっても、自分に不利な意見をすべて認め、裁判を自ら難しくしているバングポンのため、ハンバダチームは戸惑いを隠せない。
バングポンの母親も、被害児童の保護者たちから “処罰不願書” を1枚も受け取れず、団体訴訟まで準備しているという便りまで聞くことになった。
直接子どもたちに会って話を聞いてみるために、イ·ジュノと一緒に出たウ·ヨンウは車道側に移動し、タクシーのドアも開けてあげるなど “イ・ジュノに無条件によくしてあげる” を熱心に実行中。
被害を受けた子どもたちに会ったウ·ヨンウは、子どもたちがパングポンと一緒に山で遊んだ記憶をとても楽しく幸せに思っていることを知った。
ハンバダチームは処罰不願書を受け取るために、被害児童の保護者との席を用意し、バングポンの母親はバングポンが精神がおかしくて取るに足らない子だとし、雅量を施してほしいと涙で訴えた。
ウ·ヨンウはバングポンのお母さんに、息子の真実の心を聞いてみてと言い、
어린이들은 방구뽕씨가 주장하는 어린이 해방의 의미를 이해하고 있어요. 방구뽕씨를 이해하지 못하는건 어른들뿐입니다.
ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』9話 ウ・ヨンウ
子どもたちはバングポンさんが主張する子ども解放の意味を理解しています。バングポンさんを理解できないのは大人だけです。
と言った。
イ·ジュノにとっても “無条件によくしてあげる” のが負担なように、母親たちの子どもに対する無条件的な願いもまた、子どもたちには負担ではなかっただろうか。
みんなが逃したバングポンの誕生日
序盤、ウ·ヨンウがバングポンの名前を見て驚く場面の書類をよく見ると、バングポンの住民登録番号が分かる。
970505-10248067
このブログの韓国の住民登録番号の記事を見た人は分かると思うが、バングポンは1997年生まれ、誕生日は5月5日、男性、ソウル生まれということが分かる。
この中で私たちが注目すべきことは、バングポンの誕生日だ。5月5日。
どこかでよく聞いた日付…?
5月5日は韓国の “こどもの日“。 特に2022年の今年は子どもの日制定100周年を迎えた。
そしてバングポンの名前を見て笑ったのにはもう1つ訳がある。
子どもの日と言えば思い出す名前、韓国の子どもの日を作った人、“バン・ジョンファン(방정환)”
バングポン=バン·ジョンファン
韓国で “子ども(어린이)” という用語を初めて使って、幼い少年たちを解放しなければならないと主張した人だ。
バン·ジョンファンは1923年4月17日、朝鮮少年団、朝鮮少年軍、仏教少年会などの児童人権関連40余りの団体とともに朝鮮少年運動協会を組織した後、実際に “児童解放軍総司令官” を名乗った。
バングポンが叫ぶ掛け声の内容もまた、バン·ジョンファンが叫んだ少年運動の基礎条件と非常に似ている。
このように名前と誕生日まで繊細に気を使った作家の意図は、おそらく100年前の子ども解放のためのバン·ジョンファンの努力が、現代韓国の私教育によって子どもの幸せと自由が蹂躙されていることを警告したのではないかと思う。
すでに最初から意図と目的を明確にした場面であるし、この点は韓国人の多くも気づかなかった場面だ。
もちろん子どもの立場では最悪の誕生日だよ(笑) 子どもの日と誕生日のプレゼントが1回しかもらえないよ(笑)
シャチの登場
シャチと戦略変更
クォン·ミヌは、バングポンを妄想障害症状と診断する医師の陳述で、裁判を有利に導いていこうとするが、ウ·ヨンウのクジラが法廷に入ってくる。
きらびやかな柄のシャチ登場。
ウ·ヨンウはシャチの登場とともに裁判戦略を変える。
ムジン学園の “鍵クラス” の話をしながら、バングポンは妄想障害患者ではなく、思想犯に過ぎないと主張した。
これに歩調を合わせてバングポンもまた、自分の行為を反省もしないと言いながら裁判はめちゃくちゃになった。
意味のない減刑よりはバングポンの思想を尊重するウ・ヨンウの選択だったが、ウ・ヨンウだけの裁判ではないよT_T
ウ・ヨンウの突発行動に対するペナルティを与えなければならないと主張するクォン·ミヌをチョン·ミョンソクは叱り、最終陳述日、子どもたちを傍聴させてほしいというバングポンの頼みにハンバダチームは再び忙しくなった。
自分の荷物まで持ってくれるウ・ヨンウが気になるイ・ジュノに、ただ好きだからよくしてあげたのだと言い逃げるウ・ヨンウ(笑)
シャチ登場の理由
シャチと人間の友情を描いた映画『フリー・ウィリー』(1993)のとても有名なテーマ曲を聞きながら読んでみよう!
裁判所に入ってきたシャチをよく見ると、背びれが曲がっている。
水面上に直立で伸びる背びれはシャチの象徴の1つだが、水族館などで飼育されるシャチの背びれはほとんどドラマに登場したシャチのように曲がっているという。
狭い水族館で、自由ではなく、ぐるぐる回りながら一方向に回転圧力を受けて背びれが曲がったという主張と、過度な飼育と餌の変化でストレス、低血圧などから来たものだという主張も有力だが、明らかなことは、自然の中ではシャチの背びれが曲がった姿はほとんど見られないという事実。
1983年に生まれてから2年後に水族館に送られ飼育され、シャチショーに投入されてきた「ティリクム」という名前のシャチが、2010年に調教師を死亡させた事件もあったが、調教師たちは業者の指示に従って餌の制限と薬物投入などを使ってシャチを調教したことが知られ、多くの人々に衝撃を与えた。
2017年に死亡したティリクムは、死んだことで34年ぶりの自由を得たが、この話を盛り込んだドキュメンタリー映画『ブラックフィッシュ』(2013)が話題になり、多くの国でシャチショーを廃止するのに影響を及ぼしたりもした。
ドラマの中のシャチはこのティリクムをモチーフにしたものと見られる。
ウ・ヨンウがずっと言っていた済州島のイルカ、”チュンサムイ,サンパルイ,ボクスンイ”がこの時期に韓国から海に帰った済州島南方イルカたちだよ。
この他にも、2021年にはカナダのある水族館で、40年間生活していたメスのシャチ「キスカ」が水族館の壁に向かって頭を強く打ち自害する姿が公開されたことがあるが、このシャチは2011年からは、がらんとした水槽で10年以上1頭で暮らしてきたことが分かった。
寂しさに耐えられなかったんだろう。
このように水族館に住むシャチは劣悪な環境によって背びれが曲がっていたり、ストレスで自害するなど受難に陥っているという。
ウ·ヨンウの台詞のように、「クジラにとって水族館は監獄だ。狭い水槽に閉じ込められ冷凍の魚だけを食べながら休日もなしに1年中ショーをしなければならない奴隷制度」という言葉を私たちが考え直さなければならない理由だ。
バングポンは学校と塾に閉じ込められている子どもたちを解放させようとし、ウ·ヨンウは “自閉” という単語の意味を乗り越えて、絶えず外に脱出しようとする人だから。
ちなみに丸くて可愛いシャチは上の映像のような可愛いシャチとしてよく知られているが、実は非常に乱暴で他のクジラも食べるほどなので、ニックネームが「キラークジラKillerwhale」だそうだ。
それでも人間にだけ親和的だからミステリーだと言える!だから外見だけ見て判断したらダメだよ(笑)
高クオリティーのCGが可能だった隠された理由
今回のシャチ場面のCGは、特に圧倒的なクオリティだったが、実は『ウ·ヨンウ』に登場するCGのクオリティが高くなった理由の1つが、ドラマ『智異山』(2021)だ。
ドラマ『智異山』は300億の制作費がかかった超大作で、最高興行作家と監督、韓流スター俳優チョン·ジヒョンが主演をすることになって話題になり、2021年の韓国ドラマ最高の期待作だった。
国立公園の智異山のレンジャーたちの話を扱ったドラマだったが、1話からCGのクオリティ論難に包まれたほどCGのクオリティが酷かったのだ。
三流アウトドアのアパレル会社のチラシ広告みたいだと酷評だった。
山がテーマなのに、山で撮った場面のほとんどが低クオリティーのCG(笑)
結果は興行惨敗につながり、ドラマ公開直前に最高点を記録した制作会社のエーストリー(에이스토리)の株価は暴落するほどだった。
そう、エーストリーはドラマ『ウ・ヨンウ』の制作会社だ(笑)
制作会社のエーストリーはこの経験を教訓に、今回はCG担当制作会社の50人の専門職員らが4ヵ月間徹夜作業を行ったという。
この結果が、私たちが見ている『ウ・ヨンウ』のクジラだ。
制作会社からの苦労を重ねた相談のおかげか、第1話とオープニングから『ウ・ヨンウ』のCGは大変好評を博し、重要な場面ごとに登場したクジラたちはドラマの面白さと見どころを加えてくれた。
わずか半年前には、そんなにたくさんの制作費はどこに使ったのかと悪口を言われた制作会社だったのに(笑)
CGがドラマの完成度を高めるのに本当に大きな役割を果たしたと思う!
おまけ★作家の隠れた信号 ~GO GREEN~
ウ・ヨンウとイ・ジュノがお互いの心を知るためにもどかしい回を重ねているが、2人の食堂のシーンをよく見ると、スタッフの隠された信号があるそう。
トレイを持っていたウ·ヨンウの後ろの壁にかかっていた”GO GREEN“のフラッグ。
スタッフたちももどかしかったのか、2人に信号を送っていたよ(笑)
グリーンフラッグはカーレースで使用する緑の信号機のことで、競技開始の信号用に使われる。走行トラックの状態がきれいで、試合を開始または再開できるという信号。
作家はウ·ヨンウとイ·ジュノが互いに好感を持っている状態を表したフラッグを使って、2人の関係が今後肯定的であると知らせているのではないかと思う。
描いたフラッグだけでは気づかないかと、親切に文字まで書いてくれたみたい。GO GREEN~!(笑)
似たような意味で韓国でもよく使われる表現に、“グリーンライト(GREEN LIGHT)”がある。
本来の意味は文字通り信号機の緑色の信号だが、英語圏の国では “あることをすることを許すこと” という意味で広く使われている。
業務用語としてもよく使われるが、役席者の最終承諾や承認を意味する意味で使われることもある。
韓国では『魔女狩り(마녀사냥)』(2013)という恋愛相談番組の放送以降、広く使われるようになった。
主に私的な関係、特に男女関係などで関係進展に対する”許諾“を意味する意味で使われている。
友達同士や掲示板を通じた恋愛相談でよく使われている。
“相手が私にこんな行動をしたけど、これはグリーンライトですか?“という表現が一番多い。
ほとんどは単純な好意だから勘違いしないでね(笑) 自分にはそんなことは起こらない(笑) 9話の残りの話でまた会おうね~!