ペンハ~!(ペンスの挨拶方法) 3話では韓国の人気スター “ペンス” が登場するよ(笑) 真面目な法廷ドラマに、なぜいきなりペンスが登場したのか?ペンスはどんな意味なのかを知ってこそ3話をちゃんと理解できるよ! さあ出発~。
ぺコムが好きなペンス(笑) 今回も少しのネタバレがあるから注意!
ペンスが登場する理由
ペンスが好きな依頼人
自分の事務室に貼ってあるネームプレートを見て、ウ·ヨンウは変わった感情を感じる。たぶん満足だろう?
この場面を見逃さなかったチェ·スヨンが写真を撮ってくれると言うと、ウ·ヨンウは断らない(笑)
雰囲気を壊すチョン·ミョンソク弁護士の呼び出しで引き受けることになった新しい事件は容易ではなさそうだ。
事件の被告人が “自閉スペクトラム症” 。
自閉スペクトラム症を持った弟のキム·ジョンフンは、医大生だった兄キム·サンフンを殴って死亡させた理由で検察に起訴された。 事件の目撃者はこの2人の親。
これに対し、チョン·ミョンソク弁護士は、自閉スペクトラム症があるウ·ヨンウなら、もしかしたら会話がうまく通じるのではないかと思い、事件を任せようと考える。
普通の一般人なら誰でもできる単純な考えだが、ウ·ヨンウも自閉スペクトラム症をもつ他の人に接することが初めてというのが問題だった。
2話でフェミニズムに関する議論を少し紹介したが、実際に、1、2話と回を重ねる毎に、より多かった根本的な議論は、「自閉スペクトラム症なのに弁護士が可能なのか」、「いくらドラマでも現実性がない」、「障がいを利用した新しいファンタジーだ」という反応だった。
実際、アメリカにいる自閉の弁護士の事例も知られたが、2話のウ·ヨンウの “結婚式発言” まで登場し、結局、自閉は関心を引くための設定に過ぎず、実際の姿はただの一般人ではないかという疑問まで抱かせた。
実際の弁護士でも、どもるんじゃないかと相変わらずの偏見があったけど、上手すぎて驚いたよ!(下記の映像参考)
そんな議論をあざ笑うように、3話の設定では、もう一度多くのことを考えさせた。
自閉スペクトラム症だからといって、みんな同じではなく、症状の種類が多いが、私たちは自閉スペクトラム症に対して無知な状態で第3話に登場するキム·ジョンフンのようなケースだけを考えていたのだ。
まるで、一部の視聴者の「ウ·ヨンウのような自閉スペクトラム症がどこにいるのか?」という反応を予想したように登場したキム·ジョンフンの存在は、作家が自閉スペクトラム症に対する取材と悩みをどれほど深めたかが分かる設定だ。
自閉スペクトラム症の人は自閉スペクトラム症の人をよく理解できるという単純な考えまで正してくれている。
しかし、自閉スペクトラム症のあるキム・ジョンフンはまともな証言をするのが難しい状況で、当時の記憶を思い出さなければならない質問をすると、「死ぬ、死ぬ。 やめろ!」と興奮状態になって取り調べも証言もできず、皆が困っている。
なぜペンスなのか?
このように自閉スペクトラム症を持った依頼人によって多くのことが考えられる回だったが、ではキム·ジョンフンはなぜよりによって “ペンス” が好きな設定だったのだろうか?
単純に幼児期の知能を象徴するためだったとすれば、子どもたちが好きなキャラクターは多いが、制作陣はペンスを選択した。
ペンスは、2019年にEBSで製作したYouTubeチャンネル、ジャイアント·ペンTVのマスコットキャラクターで、南極から来たペンギンキャラクターだ。南極ペンギンの「ペン」+秀でているという意味の漢字「秀(ス)」(韓国人の名前によく使われる漢字)で “ペンス”。
特に、日本人からすると「一体あのペンギンは何?」と思うほどではないだろうか(笑)
身長210㎝、体重90㎏、視力9.6と知られているペンスは、皇帝ペンギンの子と似た外見を持っているが、大きな体格のため、かなり前に絶滅したジャイアントペンギンと疑われている。
現在、EBS放送局の練習生で最高のクリエイターになるのが夢なので、南極から韓国まで泳いできたそうだ。
韓国ではすでに “ポ統領(ポロロ+大統領)” と呼ばれるほど韓国で1番有名な子どもキャラクターの “ポロロ” がいる。ポロロもペンギンだ。
ペンスはポロロと同じペンギンであり、“ポ統領” と呼ばれるポロロをかなり牽制する姿を見せているが、意外と韓国で目標としている存在はポロロではなくBTS(笑)
後にBTSに会ってダンスも踊ったよ(笑)
さあ、本格的にペンスについて調べるためには、まずペンスが誕生した放送局からもう一度調べなければならない。
EBS放送局
ウ·ヨンウの事前解説記事①では、韓国の放送局について説明したが、EBS放送局は韓国で “教育放送” と呼ばれるチャンネルだ。
中高校生たちは、大学入学試験のために必ず視聴しなければならないチャンネルで、実際の講師たちが出てきて講義をする公益チャンネルだ。幼児や小学生のための子ども向け教育放送も担当している。
だから自然に試験勉強をする受験生以外は見ない、とても古臭くて面白くない放送局として認識されている。
そんなEBSで新しい時代の流れに合わせるために製作したYouTubeチャンネル、ジャイアント·ペンTVの主人公キャラクターがペンスだ。
ペンスは一見可愛いけど、よく見ると意外にも怖く見えたりもする(笑)
特にどこを見ているのか分からない焦点のない瞳のせいで、実際にたくさんの子どもたちを泣かせたりもした(笑)
“幼児向け” というには、どこか変なペンスは既存のキャラクターの話し方には合わせなかった。
無条件に優しくて模範的で良いことばかり言うのではなく、怒ったりイライラしたりもする。
1番よく言う言葉の中の1つが「キム·ミョンジュン出てこい!」だったくらいだから。キム·ミョンジュンは当時EBS社長の名前だ(笑)
ペンスのこの話法が韓国人の心をとらえた。
前回のウヨンウ解説記事2話で学んだ “儒教タリバン” の国家・韓国で、社長の名前を遠慮なく呼び、敬語が重要な韓国で社長によくタメ口で話すペンスは、
“社長が友達のようなら会社もうまくいく”という名言を残した。
他にもペンスの語録をいくつか見れば、ペンスがどんなキャラクターなのか感じられると思う。
体面と名分、行過ぎた礼儀の中で生きてきた韓国人に、そして熾烈な競争の中でも全てを我慢しなければならなかった多くの人たちに、ペンスのストレートな話法はまさに話題になった。
20~30代の若者たちを中心にペンスの話し方はまさに大人気だった。
特に、気の利かない人にペンスがすぐ投げた言葉「空気読んで!」と、小言を言う人に言った言葉「小言は断る」が大流行語だったから(笑)
誰も予想できなかったペンスの大人気の中で数多くの若い青年たちの悩み相談が相次ぎ、その中で印象深かったペンスの返事一つを紹介する。
会社がとてもつらくて悩んでいた人に贈った言葉。
회사가 죽을 것처럼 싫으면 가지 마, 죽으면 안 되니까
ペンス
会社が死にそうなくらい嫌なら行くな、死んだらいけないから
誰もが知っていながらも言えなかった言葉、誰もが心の中だけに留めて実行できなかった行動をペンスは見せてくれた。シンプルながらもすっきりした返事。
そうやってペンスは20~30代の新しいアイコンになったのだ。
「できない EBS退社する」
「EBSでクビになったらKBSに行く」
「ペンスの人気はすべて私ペンスのおかげだ」
社会という壁にぶつかり、自尊心が低くなっている青年たちに、ペンスの自尊心と自信は大きな勇気と慰めになったのではないか。
子どもたちの代わりに、ほとんど大人たちだった珍しい光景に、釜山での初ファンサイン会は韓国人たちにとても話題になった。
人々をもっと驚かせたのは、前のほとんどの名言?たちは、即興インタビューで出たということだ。
台本がある番組ではなく、ペンス自体が実際に考えていたことに対する発言だったので、人々はペンス人形の中の “本体” が誰なのかを気にしたりもした。
歯切れのいい話術に狂ったようなユーモア感覚とセンス、そして社会性が込められた哲学に、キレキレのダンスとラップの実力、レベルの高い歌の実力まで。
それにギター演奏、ドラム演奏にブレイクダンスを踊るペンギン(笑)
ペンスは本当に自信満々のオムチンア※だよ(笑)
そのうち、ペンスの本体が気になる人たちにペンスは、「ペンスはペンスだ」というとても簡単な答えを残した。
まるでサンタクロースのように本体を知ろうとしない運動が繰り広げられたりもした。
そのように韓国で始まった流行が”ボンケ(본캐)“と”ブケ(부캐)“
ボンケ:本来のキャラクター=本人の素顔、人格、職業
ブケ:付加的(サブ)なキャラクター=自分の中の違う姿、人格、職業=他人の視線を気にしなくてもいい自由な自分
本来はゲームから始まった用語だったが、ペンスの本キャライシュー以後、韓国の代表コメディアンユ·ジェソクがトロット歌手としてデビューし、サブキャラ用語をより一層拡散させた。
自分の現在に縛られていなければならなかった多くの人々に、他の人生を経験する機会を与えてくれたのではないか。
最初は私も「あのペンギンは何?」、「なんで人気なの?」、「大人たちは暇なんだな」という反応だったけど、いつの間にかペンスのいろんなインタビューを見て拍手していたよ。感嘆!
ちょうど発生した世界的感染症のため、人々は皆息苦しくて大変だった時代、サバサバしたペンスの活躍は、多くの人々の力になってくれたのだ。
このように一番模範的な放送局で誕生した反抗児キャラクターペンスについて調べてみたんが、見た目からどこか似てない?
ふらふらした歩き方と頭に大きなヘッドホン、正面を見つめきれない不安な視線、1つの食べ物(シーチキン)だけ好きな食の好み。相手が誰でも自分が言いたいことは思いっきり言う社会性不足まで。
幼児のように可愛くて、時にはこの人は天才ではないかと思う内面の姿も似ている。
“ウ·ヨンウ”
突発的な行動もよくし、時々突然変なペンギン語を叫ぶペンスの姿は自閉スペクトラム症とあまり変わらない。
このようなペンスの代わりに制作スタッフは、「ペンスは10歳なのでまだ金銭概念がなく、会社の職級体系を知りません」、「ペンスは南極から来たので今ペンギン語を話しています」と説明してくれる。
制作陣はペンスの足りなさを理解し、包み込み、ペンスの特性を知らない人たちに堂々とした了解を求めている。
他人との “違い” に対して謝罪を優先するよりは、ペンスに対する理解と了解を要請する方式だ。
また、ペンスは故郷の南極では太りすぎて大きいからと、友達が遊んでくれなくて寂しかったと堂々と言うスタイルだ。
南極では他のペンギンと姿が違い、人間の世の中では人々との疎通の方式が違った。
しかし、自分の違いについて堂々と話し、自分をありのまま見てほしいと願った。
違いによって誰かの助けなしには、人間が暮らす社会に適応するのが難しい存在であることもまたウ·ヨンウと似ているのだ。
そして助けが必要な時はいつも大声で叫ぶのだ “マネージャー!”
「ペンスはただのペンス」というペンスの言葉のように、発達障がい者も発達障がい者としてありのまま受け入れてくれれば、彼らが変わった声を出したり変な行動をしても、冷たい差別の視線よりは理解の心で眺められるだろう。
ペンスに似ていたウ·ヨンウとペンスのファンのキム·ジョンフンを通じて障がいを持った人たちには堂々とした自尊心を取り戻すことを応援し、障がいのない人たちには私たちがペンスに与えた差別のない視線を要求したのではないかと思う。
人気を反映するかのように、韓国の各種授賞式で受賞したペンスはパーマ髪とドレスを着て現れてもう一度話題になった。
誰が見ても当然男の声だったし、行動も男のようだったのでペンスは男だと思われていたが、ペンスは平気で人々の固定観念を破った。
“私は性別がない。 ただ特別なペンギン” と言ったペンス。
このようにペンスが韓国社会慣習の規則を破るように、私たちも障がいに対する固定観念から脱することができるのではないか。
「違うことを認めることも重要です。 違っても大丈夫だという心構え」が必要だというペンスの言葉は必ずしも障がいに対する話だけではないはずだ。
他人のように生きるため、他人より先んじるために今も苦労している多くの人々に投げかけた言葉だったからだ。
ドラマに登場するペンスの挨拶方法を学びながら、今日は終わり~。ペンハ~!
私が好きなペンスが登場したから、詳しく教えてあげたかった(笑) 3話の本格解説は急いで書くね~!