久しぶりにウ·ヨンウが帰ってきた!15話!済州島から帰ってきたハンバダメンバーが引き受けることになる今回の事件は、オンラインショッピングモールの “個人情報流出事件” だよ。2016年にあった実話事件がモチーフだけど、日本と韓国に “懲罰的損害賠償” がない理由を調べてみよう(笑)
法廷ドラマによく出てくる「異議あります!」についての説明もあるよ!4月28日にある百想芸術大賞授賞式での『ウ·ヨンウ』の受賞を願い、残りの16話の解説も近いうちに終える予定だよ~!
止めないのか、止められないのか?
スピアフィッシング(Spear Phising)
4,000万人以上のユーザーを持つショッピングモールのラオンのDB(データベース)セキュリティ管理者が、就職準備中の弟からメールを受け取り15話は始まる。
自己紹介書を送ったから読んでほしいという内容のメールだったが、文書の添付ファイルをクリックしてダウンロードしたのが問題だった。
後から弟がメールを送ったことがないという事実を知ったが、すでにハッカーの悪性ファイルはインストールされた後だった。
대표님. 저 당한 것 같습니다. 스피어 피싱(Spear Phising)이요
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』15話 セキュリティ管理者
代表、やられたみたいです。 スピアフィッシングです。
いや、セキュリティ担当者がバカみたいになんで~って思うかもしれないけど実話(笑)
裁判でチャン·スンジュン弁護士が説明したように、スピアフィッシングは魚狩り用のもりを意味する英単語「Spear」から由来している。
スピアフィッシング(Spear Phising)は不特定多数の対象に無作為に攻撃する一般的なフィッシング(phishing)とは異なり、特定の個人や機関である目標対象の弱点を巧妙に狙ってもりを投げるようなハッキング攻撃のことだそうだ。
一言で、“狙ってハッキングした”
弟との私的な会話をすでにハッキングして内容や言葉遣いまでも真似したドラマのように、事前に攻撃相手に関する情報を収集して攻撃成功率を高める方法。
いくら専門家でも集中ていないとやられるしかない(笑)
顧客個人情報流出疑惑で課徴金3,000億ウォンを賦課されたラオンの共同代表キム·チャンホンとペ·インチョルはハンバダに弁護を依頼したが、手術待機中のチョン·ミョンソク弁護士に代わってチャン·スンジュン弁護士がこの事件を引き受けた。
放送通信委員会が誤って0をいくつか付けたようだ、大したことではないとチャン·スンジュン弁護士は “ただの個人情報流出” とし、韓国で個人情報流出に対する認識を示してくれる。
アハドットコムが受け取った課徴金7,000万ウォンの例を挙げて依頼人を安心させるが、当時までは実際の法定課徴金上限額が1億ウォンだったためだ。
そんな中でも同じハナ大学出身のペ·インチョル代表と親睦を深めようとするクォン·ミヌ弁護士(笑)
実話事件の損害賠償額
ドラマ訴訟の争点は大きく2つで、1つ目はラオンがデータベースサーバーに “接続時間制限(Idle Timeout)” を設定しなかったためハッカーが何の制裁もなくデータベースサーバーを出入りしたということで、2つ目は3000億ウォンの課徴金が過去の判決と比べて多すぎるという部分だ。
今回の事件は2016年に韓国で発生した “インターパークショッピングモール個人情報流出事件” がモチーフだ。
当時、ハッキング攻撃で顧客1,030万人余りの個人情報が外部に流出する事件が発生し、放送通信委員会は44億8,000万ウォンの課徴金と2,500万ウォンの過料を賦課した。
これに不服したインターパークが行政訴訟を起こし1審と2審、最高裁で全て敗訴判決で45億規模の課徴金および過料を払うことになったが、最高裁の最終判決が2020年だった。
45億ウォンのために4年も訴訟を起こしたという話(一一”)
ドラマのペ·インチョル代表は共同訴訟に遭い、1人当たり10万ウォンずつ賠償しても4兆ウォンがかかると訴え、毒薬を飲む極端な選択を試みた。
しかし、実際の裁判では共同訴訟を進めた人が2400人余りだけで、インターパークが実際に賠償した金額は約2億4000万ウォン。
ドラマでは課徴金3,000億ウォンを賦課され裁判に勝訴したが、実際の事件では約45億ウォンを賦課されて敗訴。これまでの判決と比較した時課徴金規模が大きすぎて企業が経営しにくいという訴えが出てきた。
ドラマは裁判に勝ったが支出0ウォン、現実は裁判に負けたが支出45億ウォン。実際、韓国人の立場ではどちらも笑えない結果(笑)
実話事件じゃなくてモチーフと言った理由は金額がとんでもないからだよ(笑) 現実事件の規模が小さすぎて金額を大きくしたのかも(笑)
いきなり北朝鮮?
このように個人情報流出に対する制裁が弱いため、企業の情報セキュリティに対する認識自体が非常に低く、その結果当然ながら韓国では数多くのハッキング事件が発生した。
その1つがドラマで登場する “北朝鮮のハッキング”。 初回のシーンでペ·インチョル代表は、警察は北朝鮮の偵察総局(情報部)が行ったと推定していると話している。
いきなりなぜ北朝鮮?と思うかもしれないが、実際に韓国では北朝鮮発ハッキングをされている。サイバー戦争(笑)
そして警察が北朝鮮の仕業と推定する根拠の1つがEメール文書の “ハングル” だった。
“プログラム(프로그람)”というハングル文字。
韓国と北朝鮮は同じハングルを使っているが、正書法と表記法が違うし、そもそもの単語自体が違う場合も多い。
英語の “プログラム(program)” を韓国では “プログレム(프로그램)”と表記し、北朝鮮式の英語表記法では “プログラム(프로그람)”と表記するが、ラオンの管理者が受け取ったメールには “ラム” と表記されていたから北朝鮮を疑っているのだ。
韓国人を騙すために作った画面だが、普段習慣的に使っていた正書法を使うことがよくある。
ドラマに登場した上の画面は、実際2021年に韓国の防衛産業体を対象に送られた北朝鮮のハッキングメールと同じ。
“朝鮮労働党(조선로동당)” という北朝鮮式の表現を使っていたが、急いで “朝鮮労働党(조선노동당)”に変えたこともある。習慣の恐ろしさ(笑)
北朝鮮の場合は特に、外国語(英語)単語を純粋なハングル単語に変えて使っている。
それで韓国の放送でも北朝鮮語当てクイズみたいなのがよく出てくるんだけど面白い表現が多い(笑)
南北の単語をいくつか比較してみると、
●スマートフォン(스마트폰)=知能型手電話(지능형 손전화기)
“携帯”ではなくただの手+電話機(笑)
●染毛剤(염색약)=髪の絵の具(머리 물감)
●うつ病(우울증)=悲しみ症(슬픔증)
●ゴールキーパー(골키퍼)=門番(문지기/문지키는 사람)
●ソプラノ(소프라노)=女性高音(여성 고음)
●キャラメル(카라멜)=油飴(기름 사탕)
などの表現がある(笑)※韓国=北朝鮮の順
どこか純粋な表現が多くて可愛くもある(笑)
懲罰的損害賠償を望む理由
懲罰的損害賠償制度
実際の事件の判決結果を見るように1,000万人を超える個人情報が流出したが、処罰が非常に弱く国民の反応は良くなかった。
世論のために幸い強化された法律が、今回の回のもう1つの争点だった法の改正日だった。
改正された法律を適用すれば該当企業売上額の3%まで課徴金賦課が可能だったが、現実でも不可能だったことはドラマでは起きなかった。
ウ·ヨンウは裁判から除外されたが、チェ·スヨンとクォン·ミヌ弁護士の活躍で勝訴。
すっきりとした厳罰を望む韓国人の立場では、ただ喜ぶわけにはいかない結果だったㅠㅠ
裁判中、ペ·インチョル代表の抗弁のように決心してハッキング攻撃するのを防ぐのは非常に難しいことは確かだ。
しかし何十年も続く流出事件に遭っている国民の立場では、海外の事例のように強力な処罰を望んでいる。
今の罰金構造なら、企業の立場ではセキュリティのために投資する費用よりも課徴金を払う方が利益だという計算をしたりもするからだ(一一”)
それで国民が持続的に要求するのがまさに “懲罰的 損害賠償制度” だ。
アメリカの場合のように企業運営を間違えれば “滅びる” という確実な信号がなければならないということだ。
2010年、アメリカで起こったトヨタ自動車リコール事態当時、アメリカでの罰金12億ドルのように何か確実な懲罰を望むが、それはアメリカだったから可能だった。
さらにハリウッド映画やニュースに登場するように犯罪者が数百年の懲役刑を宣告されたり巨額の罰金が可能な理由はもまた、アメリカは英米法(英国、米国)系統だからだ。
日本は日本法でアメリカだから英米法は当たり前じゃないの?と思うかもしれないが、世界の法は大きく2つに分かれるそうだ。
イギリスとアメリカの法体系を基にした英米法系列とドイツの法体系を基にした大陸法系列。
日本と韓国の法体系は大陸法系列なんだって。ドイツから日本、そして韓国に入ってきた流れだと。
大陸法と英米法の違い(異議ありますか?)
日本や韓国のドラマや映画でよく見るシーンの中で、一番大きな間違いの1つがここから来るそうだ。
裁判進行中に弁護士も検事もよく叫ぶこの言葉「異議あります!」
主に主人公たちが法廷場面でカッコよく見せるためによく活用される演出だが、このような方式の裁判進行は “英米法系法廷文化” という。日本と韓国では違うそうだ(笑)
両法体系の最大の違いは、英米法は “厳罰主義” で犯罪者を処罰したり社会から隔離することが目的で、大陸法は “犯罪再発防止” で犯罪者の人権も尊重して教化させることに目的があるということだ。
したがって英米法の場合は既存の判決に基づいて判断する判例法に従い、大陸法は法典にある法そのものの規定を重視する法典主義ということだ。
ちなみに “量刑取引” とかもあるから、英米法が無条件すっきりするわけではないㅠㅠ
上図の量刑例は、もし誰かが他人の家に入って物を盗んで人まで殺した時の量刑比較だ。
日本や韓国の大陸法は、同時に犯したこの罪の中で最も大きな罪である殺人罪の刑量だけを計算するなら、英米法の場合は住居侵入罪、強盗罪、殺人罪をすべて合わせて刑量を計算する方式だ。
米国のニュースでしばしば数千年の刑量判決が出る理由。累積マイレージ(笑)
英米法と比べると、日本や韓国の刑量が低いと感じても仕方ないのだ。
韓国最高の長期刑量は兵役の記事①(リンク)で紹介した、2014年ユン一等兵事件の加害者主犯の懲役40年だったㅠㅠ
すでに何回も個人情報が流出した韓国人の立場で怒っているから、懲罰的損害賠償と英米法と大陸法の違いまで勉強した(笑) 次の記事では被害補償と共同(集団)訴訟についてもう少し調べて、突然の別れに苦しんでいるウ·ヨンウとカン·テオ、突拍子もないカップルチェ·スヨンとクォン·ミヌの話でカムバックするよ~!(笑)
解説を書くために久しぶりに『ウ・ヨンウ』をまた見たら新しい気分だね!軍隊にいるカン・テオが懐かしい方々のために、軍服を着た写真を一枚投げてアンニョ~ン(笑)