6話には見慣れない素材が登場する。“脱北民”。故郷を捨てて脱出した彼らの韓国適応期についての話だ。そしていよいよ登場するウ・ヨンウがクジラが好きな理由と、どこかすれ違うイ・ジュノのロマンスまで今回も忙しいよ~(笑)
今回の事件も実話ベースだというから実際の事件と比べてみると面白いよ!
リラックスが必要
ウォーウォー
今回の話はチェ·スヨン弁護士が引き受けることになった公益事件に対する話だ。
強盗傷害罪で起訴された女性脱北者の事件だが、チェ·スヨン弁護士が過度に情熱的だったので、ウ·ヨンウが事件を一緒に引き受けてチェ·スヨンを落ち着かせてくれという指示を受けた。
チョン·ミョンソク弁護士はこの時、ウ·ヨンウにチェ·スヨンを “ウォーウォー” させてほしいと要請する。
“ウォーウォー”は、韓国で落ち着けという意味でよく使われる擬声語の表現だ。
君の名前は
出勤していないのか退勤していないのか分からないほど、今回の事件に没頭しているチェ·スヨンと共に被告人に会いに行ったウ·ヨンウ。
今回の事件の依頼者であり、被告人は脱北民のケ・ヒャンシム。
韓国人なら名前だけ聞いても脱北民!と見分けられる名前だ。
ケ(桂)氏は、南北の比率の差が最も大きい姓で、韓国にはほとんどない“桂”氏の姓に“香(ヒャン)” と“心(シム)”はともに韓国では主におばあさん世代で使用していた名前なので、脱北民だということにすぐ気づくことができる。
韓国の名前との違いを体感したのか、娘の名前はケ·ハユン。
「名前が本当に洗練されていませんか?」というケ·ヒャンシムの言葉のように、ハユンは2010年代の韓国の人気名前だ。
時間が経てばハユンという名前で世代を区分するだろう。”おばあちゃん世代”の名前だって(笑)
一番惜しい言葉、ドンム
あえて名前でなくても北朝鮮だけの単語とイントネーションがあるので、韓国人は違いを感じることができる。 韓国では江原道の方言が北朝鮮のイントネーションと似ている。
その中でケ·ヒャンシムが使う言葉の中で、北朝鮮人であることを100%分かるようにしてくれる言葉が “ドンム(동무)”だ。
もともとドンムは幼い頃、親しくて近い間柄を指す時に使った単語なので、昔の童謡の歌詞にもよく登場した単語だ。
しかし、北朝鮮が共産主義国家になって “同志” を意味するComradeを“ドンム(동무)”と翻訳して使用し、ドンムは韓国では禁止語レベルの単語になった。
ドンムという単語を使った瞬間 → 北朝鮮の赤=共産主義者 という時代があったので、韓国では友達の代わりに “チング(友達:친구)” という単語を主に使い始めた。
幼い頃、友達を思い浮かべた良い意味の単語を今は使えなくなったんだ。
それさえも現在は “ソックンドンム(소꿉동무)” 幼い頃にままごとをしていた友人、“オッケドンム(어깨동무)”肩組をする、“キルドンム(길동무)” 道連れ(旅程を共にする人)、“マルドンム(말동무)”話し相手・対話ができる友人、のような合成語だけが残っている。
このまま消えるにはもったいない単語だ。
脱北民と資本主義
5年前、ケ・ヒャムシンはチェ·ヨンヒ(脱北者ブローカー)から受け取るお金千万ウォンがあり、チェ・ヨンヒは自分がイ・スンヨンからもらうお金があるので、そのお金を代わりに受け取ってほしいと言った。
ケ・ヒャムシンは同じ状況の脱北者であるキム·ジョンヒと一緒にイ·スンヨンを訪ねてお金をくれと脅迫して逮捕され、キム·ジョンヒは4年刑を宣告されたが、ケ・ヒャムシンは幼い娘が後で自分を覚えていないことを恐れ逃走して、自首した事件だ。
ケ・ヒャムシンの母性愛に感動したチェ·スヨンとウ·ヨンウは、チョン·ミョンソク弁護士に必ず執行猶予を受けると約束する。
ケ・ヒャムシンが経験したことは実際にもよくあるケースだ。
命をかけて北朝鮮を脱出すれば、それで終わりではなく、中国の公安(警察)と北朝鮮追撃者の監視を避けて韓国に来られる方法を探さなければならない。
幸い、短い期間内に韓国にすぐ来れる場合もあるが、ほとんどは東南アジアを経由して来る場合が多い。 短くて数ヵ月から長くて数年。
その過程を引き渡す専門ブローカーたちに費用を支払って韓国に来るべきだが、脱北者たちはお金がないため、後で韓国で脱北者たちのために支給する “初期定着金” で返したり、足りなければ働きながら分割で返すこともあるという。
この過程で “オンマ(お母さん)” や “アッパ(お父さん)” と呼ばれるブローカーに詐欺に遭い、脱北民の間でお金の取引を頻繁にすることになり、被害を受けたり問題が生じる場合が多い。
韓国政府が支給する初期定着金を狙う詐欺も多く、脱北民は韓国社会システムに適応する前に資本主義社会の辛さを先に味わう場合が多い。
今回の事件の場合、そのような過程の中で交わされたお金の取引ではないかと推測される。
結局、それを解決する方法も韓国のシステムに合わせるべきだったが、そうすることができず、チョン·ミョンソク弁護士の言葉のように、この事件は韓国では “懲役” を基本に前提するという“強盗傷害罪” で起訴された。
すでに共犯のキム·ジョンヒが4年刑を言い渡されており、裁判開始前に答えが出ている事件だと話すほどだ。
果たしてウ·ヨンウは “執行猶予” 判決を受けることができるだろうか。
無理手
消えたウォーウォー
ウ·ヨンウとチェ·スヨンはすでにケ·ヒャンシムの母性愛に感情移入し暴走している。
被害者イ·スンヨンの家を訪ねてひどい目に遭いそうになったり、被害者を証人として申請する無理をしたりもする。
さらに、判事を直接訪ねたり、北朝鮮の法律まで利用したりしするまで。暴走する2人の女性(笑)
誰か2人をウォ―ウォーしてあげて~(笑)
しかし、安東キム氏判事は検事と本貫が同じだとし親睦を図るスタイルなので、チェ·スヨンも切り札である父親人脈を使って証人採択までは成功した。
こんなことを韓国では”パパ(ママ)チャンス”と呼ぶよ(笑)
結局、重要な手がかりである事件当時、イ・スンヨンの傷について所見書を書いてくれた医師が脱北者に対して偏見を持っていることを裁判で明らかにすることに成功したウ·ヨンウとチェ·スヨンは半分の成功を収めた。
しかし、イ・スンヨンの嘘に爆発したケ・ヒャンシムが裁判に不利な供述をしたため、すべての努力は水の泡となった。
ケ·ヒャンシムが韓国のシステムや法を知らないのは分かるが、あまりにももどかしかったㅠㅠ でも判事にも “他人の話を止めるのは禁止” をさせたウ·ヨンウは可愛かった(笑)
チョン·ミョンソク=ビッ·ミョンソク
社内食堂でチーム員たちとご飯を食べていたチョン·ミョンソクは、チャン·スンジュン弁護士にひどい目に遭う。
裁判で脱北者に対する偏見で恥をかいた医師が属している団体は、犬猿の仲のチャン·スンジュンが顧客にするために非常に力を入れていた団体だった。
チャン·スンジュンが暴言を吐いても落ち着きを失わなかったチョン·ミョンソクは、「これは1年目の弁護士が責任を負う問題ではない」 として心強い先輩の姿を見せてくれる。
そこに「数十億ウォンの事件のようではなくても頑張ろう」と公益事件に対する正しい心構えに導き、没頭しすぎている2人のために事件の方向を決める姿まで完璧な模範先輩の姿。
ウ・ヨンウとチェ・スヨンが惚れるくらいだよね(笑) 現実には存在しない先輩の姿(笑) 韓国ではやっぱり “ビッ(光)・ミョンソク” と褒められていたよ(笑)
イ・ジュノがお酒に酔ったら
酒に酔ってもどかしい気持ちを語るイ·ジュノと空気読めないクォン·ミヌ。
後で分かったけどクォン·ミヌは社会の公正と平等にだけ気付くのが早かった。
むしろ遅くても気づいた人はチェ·スヨンだよ。
最初は自分のことが好きだと思ってときめいたが、被害者のイ・スンヨンに会いに行った時、ウ·ヨンウを積極的に保護するイ・ジュノを見て、おかしさに気づいた。
しかし、空気が読めない権謀術数クォン・ミヌのおかげでウ・ヨンウも混乱に陥り、イ・ジュノをめぐる人々のロマンスは大混乱だった。
本当に真実のハンマーの時に告白しなければならなかったよ~ ウ・ヨンウにはストレートが必要だってTT
お願いだからみんな空気読んで~!!!(笑)
私がクジラだったら
クジラの母性愛
ケ·ヒャンシムと娘のハユンの出会いを見て、幼い頃の家族の運動会を思い出したウ·ヨンウはベンチに座ってスヨンにクジラの母性愛について話す。
내가 고래였다면… 엄마도 날 안버렸을까
ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』6話 ウ・ヨンウ
私がクジラだったら… お母さんも私を捨てなかっただろうか。
自分が死ぬかもしれなくても、赤ちゃんを最後まで捨てないというクジラの母性愛が羨ましかったウ·ヨンウの心情は、母親に対する懐かしさか恨みだろうか。
少しずつ明らかになっていくウ・ヨンウがクジラが好きな理由たちㅠㅠ
それでもウ·ヨンウには明らかに母親はクジラのように大きな存在であり、どこかで自分を見守りながら助けているだろうという信頼と期待があるようだ。
テ・スミの名前の意味?
母の空席を埋めるように、春の日差しチェ·スヨンはウ·ヨンウを連れてデパートに行ってショッピングをして、いよいよ本格的に登場するテ·スミも同じデパートにいた。
陳列された靴が乱れているのを見て整理するテ·スミの姿と、近くで乱れた服を整理しているヨンウの姿が交差し、妙な余韻を与えて6話は終了。
5話に続き6話でもテ·スミとウ·ヨンウの母娘関係を暗示するような場面が出ているが、果たしてどんな伏線なのか気になる場面だ。
整理が上手なのは自閉スペクトラム症じゃなくてお母さんからもらった遺伝だったら面白い(笑) 整理が上手な遺伝子だなんて(笑)
テ・スミが初めて登場した時、登場人物の名前を解釈した文を見たことがある。
クジラの意味の記事で少し紹介したが、陸地に上がってきたクジラのウ·ヨンウが “ハンバダ” という大きな海に入ってきて “テサン” という現実の壁を越えるために努力する話だと話した。
それに加えてウ·ヨンウの父ウ·グァンホの名前は、“ハン·ソンヨンよりはテ·スミがウ·ヨンウの母” という主張だった。
父のウ・グァンホの名前に”ホ(号)”は船の名前につけるホ(号)だと考えたら、”ウ・グァンホ”という船が広くて美しい水(海の水)でクジラウ・ヨンウに会ったという意見だった。
広く(大きい太) 美しい(美)海の水(水)
順序を変えると太(テ)·水(ス)·美(ミ)。
他の意見ではウ・ヨンウを1人で母親の分まで広く保護する名前、グウァン(広さ(광))、ホ(保護する保(ホ))という意見もあった。
それで私はハン・ソンヨンよりはテ・スミがお母さんという意見に1票を投じた(笑) 次回を期待しようと!
弁護士の話
人脈判事の老練な判決
陪審員判決の結果、満場一致で有罪、懲役4年。しかし、判事は懲役1年9ヵ月、3年間の執行猶予を宣告した。
判事は逃走年5年が過ぎたにもかかわらず、処罰を受けるために自首した点を減刑理由として挙げたが、ウ·ヨンウ、チェ·スヨン弁護士が被告と感情的なっていたため逃した、非常に基礎的な部分をキャッチした判事の老練さのおかげだ。
“ 自首 ”
弁護士たちの意見と評価
たとえ自首というポイントは逃しても、ウ·ヨンウとチェ·スヨンの粘り強い同期愛を見せてくれた情熱いっぱいの回だった。
実際、弁護士たちのレビューを探してみたが、まず序盤に登場したチェ·スヨンの事務室の構造と姿がリアルだという意見が多かった。
特に事務室の片隅にある長いクローゼットにスーツを準備しているのが実際と同じだと(笑)
判事が姓氏の本貫を聞いたり、チェ·スヨンが父親をアピールする場面などは、実際にも似たような場合があるが、個人的な親交のために裁判の結果を変える場合はないそうだ。
代わりにドラマのように証人申請のような、手続き的な面では便宜を図ってくれることがよくあるそうだ。
そして今回の回のように、被害者や医師のような非友好的証人を申請することは、実際の状況では最大限避けなければならない行動だという。
非友好的証人が自分が望む返事をしてくれることを期待するのはまさに同じ行動なので、ウ·ヨンウとチェ·スヨンが弁護士3年目になっても証人申請自体をしなかったはずだよ。
公益事件とは?
ウ·ヨンウは今までハンバダで主に公益事件を担当しているが、法務法人の場合、弁護士法によって1年に一定比率以上の公益事件を担当しなければならない規定があるんそうだ。
それで最近は大型法務法人の場合、最初から公益事件専門法人を別に作る傾向だという。
ウ·ヨンウが属しているハンバダのモデルである“太平洋”も、実際に公益事件を沢山扱っている。
法を知るということは現代社会で大きな力なので、経済的理由や様々な理由によって法の力を自由に使えない時に力を配る役割が公益活動だが、最近は弁護士たちに次第にそっぽを向かれているそうだ。
法がすでに商業化されて当然でなければならないことが公益という名前で別途呼ばなければならない現実が残念だ。
実際の事件の主人公
実際の事件は脱北者夫婦と夫の男子後輩3人が被害者に金を返してほしいと脅迫した。
被害者も脱北者だったので、北朝鮮に返すと車に乗せて仁川に向かう途中、拉致?場面を見た町民の通報で警察が夫婦に電話をし、警察の電話を受けて車を引き返し警察署に1次自首。夫が先に4年刑を受けた。
その後、裁判に参加せず逃走した妻が夫が監獄から出てきた後、自首した事件だった。
裁判結果はドラマ同様“執行猶予”。減軽事由は “自首”。
そしてウ·ヨンウとチェ·スヨンが試みた北朝鮮法の話は当時弁護士が色々な方案の1つとして考えていたが、実際に法廷で主張しなかったという。
赤ちゃんを置いて夫婦が同時に刑務所に行く状況を考えると母性愛が理解できるが、車に強制的に乗せていたら拉致なのに(笑) また北朝鮮に送るなんて怖いじゃない(笑)
ウォーウォーという可愛いウ・ヨンウをまた見ながら次の回を待とう!
おまけ*おすすめ映画
『8番目の男(배심원들)』(2019)
“国民参加裁判” と呼ばれる韓国の陪審員制度について知りたいならおすすめの映画だ。時間があれば軽く観るのにちょうど良い。敢えて多くの情報を探さなくてもいい。