
今日紹介する韓国の食べ物はユッケジャン(육개장)だよ。
食べたことある人もいると思うけどユッケジャンの元ネタは「犬」だったって知ってる?ユッケジャン料理の由来と韓国の時代劇によく出る葬儀文化についても紹介するよ!
葬式のメイン料理 “ユッケジャン(육개장)”
ユッケジャンの由来と材料
認知症の姑が嫁をいじめます。
めずらしい「牛肉のサムギョプサルが食べたい」と言い
雨が降った日に突然、ワラビのナムルを探したり、
ラー油、里芋、卵の解き方、長ねぎの使い方…
食べ物の文句、調理法に対する文句まで
時にはシラフで、時には認知症の姿で
本当に認知症なのか、いじめるための演技なのか…
嫁はとても大変です。
嫁に「お客さんは真心で迎え入れるべきた」
と突拍子もない言葉を残した姑は
しばらくしてこの世を去ります。
葬式の料理の材料を準備していた嫁は
市場のど真ん中で涙をポロポロ流します。
今までの全てのことは
葬式の料理である「ユッケジャン」の材料と調理法。
「ユッケジャン」という単語と「親切なコミュニケーション」を忘れた姑は
そうやって自分の葬儀を嫁にお願いしていたのです。
韓国の有名な料理漫画<食客>のあるエピソード中

韓半島の肉食文化は13世紀、モンゴルの高麗侵攻以降と推定されるが、朝鮮時代までの “牛” は農業の必須の動物だったので、健康な牛の屠殺が厳しく禁じられていた。
それで牛肉を食べるのは難しい状況だが、具合が悪い人がいたり、ばてる真夏の暑い「伏日」には高タンパク質の栄養補給が必要だから、犬を捕まえてスープを作って食べていた保養食から出発したのが「ケジャン」の始まりで、「ポシンタン(補身湯)」の由来だ。ユッケジャンの「ケ(개)」は元々犬(개)の意味で犬を食べていたのだ。

現代の韓国では伏日にはサムゲタン(삼계탕)を主に食べるよ。ポシンタン(보신탕)は、韓国人もほとんど食べない料理。
この時、犬肉のきつい臭いをなくすため、辛くて味が濃いヤンニョム(たれ)と長ネギとワラビを入れて煮込み、だんだん犬肉が嫌いな人が増えきて、肉が不足している時、老いた牛の肉を材料として作ったものが “(牛の)肉(ユッ)が入ったケジャン”、“ユッケジャン”の始まりだという。もちろん、今となっては、よく食べる料理になった(笑)
食べ物を用意する理由
韓国の葬儀場に弔問に行くと、遠くから来たことに感謝するという意味で食事が用意されている。ご飯とスープ、肉とおかず、餅、果物、お酒などが振る舞われるが、この時メインスープ料理として出されるのが “ユッケジャン(육개장)”。
赤いスープの甘辛いユッケジャンは韓国の葬式で出てくるメイン料理だ。

ユッケジャンの代わりにテンジャンクッ(味噌)を準備する場合もある。
●昔から赤色はお化けから守ってくれる色と言われ、唐辛子の真っ赤な色に葬式場の周辺をさまようお化けから弔問客を守ってくれると考えられていた
●赤色はお葬式で食欲がない人たちの食欲をそそる色だから
●遠い所から来た弔問客と疲れた遺族のために高タンパク質の保養食
●沢山の弔問客を一度に迎えなければいけない喪主にとっても、一回作って長く煮込むと味がもっと良くなるユッケジャンが一皿簡単に提供するにも最適
韓国の墓参り文化と葬式の方法
墓参り文化と最近の葬式

出典:YTN
1990年代までは、仏教と儒教が根源にあった韓国では、墓地をつくる「埋葬」が80%以上で大多数だったが、2000年代に入り「火葬」が急増、今では逆に80%以上を占めている。
これまで、火葬をしていたのは仏教僧や信者、未婚の青年子女、墓地を買えない人に多くみられたが、最近はほとんどの人が火葬をしている。

ちなみに韓国では、火葬は “遺骨” にするのではなく、”遺灰” にするよ。
葬式の費用の中で一番お金がかかるのが埋蔵地問題、都市化に伴う埋蔵敷地の不足と死後管理問題と訪問問題により今では火葬が選択ではなく、基本になったのだ。
もちろん、埋蔵地の費用問題もあるが、毎年何回もある「墓参り」に行かないといけない韓国の文化から移動距離と墓の管理に対する認識の変化が大きな理由じゃないかと思う。
春の「寒食日(한식날)」、秋の「秋夕(추석)」の最低2回は墓参りに行き、故人の忌日や誕生日にも行く場合があるので、何人もの故人を参る場合は、これもまた大変…。
特に寒食日や秋夕には、みんな一緒に都市郊外の共同墓地に集まるから、ものすごい交通渋滞で子孫たちはとっても大変だった。

出典:조선일보
こんな苦労を経験したからか、葬式と墓参りに対する認識もまた大きく変わり、最近の世論調査では、親世代の場合、自身の墓の管理を期待したい人として「子ども」を挙げたが、その次の世代の成人の子どもの場合は、自分たちの子どもよりも「夫婦」間で管理するくらいを望んでいたとのこと。
韓国式の「墓参り文化」が子どもの世代まで続くのは、現実的に大変だということを知っているからだろう。

葬儀方式も社会的認識の変化の中で火葬に急速に変わり、ほとんどが都市近くの納骨堂に祀られているが、最近ではこれも費用問題や管理問題、環境保護問題などを理由に火葬した粉骨を山や木などに遺骨なく埋める方式の「自然葬」や「樹木葬」などの人気が高まっている。

死と葬儀に対する認識も本当に大きく変わったようだ。
日本植民地時代の名残
このように現代韓国の葬式文化は、長い伝統と慣習から離れ、次第に簡素化・現代化されてきたが、日本の葬式文化が残っている部分もある。
これは1934年朝鮮総督部が「儀礼準則」を通して強要したもので、これまでは故人の生前に一番良い服だった高価な絹の寿衣は、麻と木綿の寿衣に変わり、故人に対する意味を格下げしたことが挙げられる。

出典:국민일보
そして遺影の周りにたてていた屏風は、日本の王室を象徴する菊の花の装飾と造花に変わり、遺族がつける腕章とリボンもこの「儀礼準則」にならったもので、遺影を菊の花で飾る方式もまた、この時に始まったものだ。今となっては韓国の文化になっている。
特に遺族の腕章の場合は、喪主と慰問客を区別しやすくし、朝鮮人たちの集会を警戒し独立運動を監視するための方法のひとつという意見もあり、韓国人にとってはさみしい由来でもある…。
時代劇によく出てくるシーン 3年喪と最近の3日喪
韓国の伝統時代劇を観ると、主人公や重要人物が山の中の掘っ立て小屋のような場所で、1人で喪服を着ているシーンがよく出てくる。
他人の協力要請にやむを得ず応じ都市に行ったり、“まだ3年が経っていないので離れることができない” とも言ったりもするが、主に世間を離れていた重要人物が日常世界に再び戻ってくる場面だ。
悲壮感も感じられるこの演出は、親の墓の前で「3年喪」を行う姿で、“시묘살이(シミョサリ)”と呼ぶ 。

出典:오마이뉴스
子どもが生まれて、親の世話で3年くらい経たないと1人で立てないように、親を離れて過ごそうとするにも3年は恩恵を返さなければいけないという儒教の礼式だ。
しかし3年喪をしないといけないと言った孔子の弟子もまた、あまりにも長いと言うくらい残された者にとっても本当に過酷な方式だ。
家でもない墓地の前で3年も暮らすなんて…
残される自分の子どもに本当にそれを望む親がいるだろうか…
このように、時にはあまりにも過酷な習慣が伝統になったりもし、時には過酷な時代像の反映が伝統になったりもする。

出典:조선닷컴
上の絵のように1年喪はほとんどなく100日「脱喪」をしたり、仏教式「四十九日」をしたり、“3日脱喪”が普通の今は、初めから「3日喪」としている。
故人が亡くなった日から3日目になる日まで葬儀場で弔問客を受け入れ、3日目になる日に葬式を行い、火葬場に移動した後、納骨堂に祀る順番だ。

ほとんどは病院で亡くなるため、病院で運営する葬儀場を利用するか、別の専門葬儀場で弔問客を受け入れるが、通常は遺影写真がある「弔問空間+弔問客食堂」が合わさった構造になっている。
葬儀場はだいたい市内にあるが、火葬場と納骨堂は都市の外郭にある場合が多い。

出典:한국일보
昔は厳粛で悲しい雰囲気だったとしたら、最近は“楽しく過ごそう”という文化に変わって突然の事故死ではない場合には雰囲気も明るくなった。
今となっては葬式の準備も葬式専門業者たちが全てを代わりにしてくれ、火葬に向かう間にもお金持ちの気分を味わってとリムジンにも乗せてくれる。お金さえあれば楽な世の中だ。

出典:조선일보
韓国の葬式文化が出てくるおすすめドラマ・映画
俳優イ·ジェフン主演のNetflixオリジナルドラマ。刑務所から出所した男が遺品整理会社「ムーブ·トゥ·ヘブン」を運営して起きた様々なエピソードを描いたヒューマンドラマ。死が主なテーマだが、重すぎず穏やかに生と死にまつわるエピソードを鑑賞することができる。最近の韓国の葬儀文化と過程を詳しく知ることができる。
Netflix ★
イ・ソンギュン、チョ·ジンウン主演。 ペコムのおすすめ映画の1つ!事前に何の情報もなく見ることをおすすめする。犯罪と警察が出るスリラージャンルで、映画の最後まで緊張感が何かを見せてくれる映画。 映画序盤、葬儀場の様子が見られる。
映画.com ★
シム·ウンギョン、カン·ソラ、ミン·ヒョリンなどが出演し、女子学生たちが学生時代の友達を探すコミックストーリーで1980年代の韓国女子学生たちの姿を鑑賞することができる。 後半に葬儀場の様子が少しだけ登場。日本版のリメイク作品もある。
hulu ★
ハ·ジウォン、キム·ミョンミン主演。不治の病にかかった男と女の葬儀指導者の愛の物語。 合間合間に軽いコミックが入っていて、涙も流す典型的なコミックメロ映画。女性葬儀指導者に対する認識を変えた映画。
Filmarks ★
イム·チャンジョン、チェ·ガンヒ主演。コミック代表俳優イム·チャンジョンの映画で、負担なく、笑える映画。田舎の葬儀屋の話で、今とは違う韓国の伝統的な葬儀文化が見られる。
Naver ★