ソウル江南シリーズ★ 韓国のアパートの流行を作っているサムスンがさらに進化した!ドラマ『ペントハウス』のモチーフになったタワーパレスから江南に対する外国人の勘違いについて話すよ!
今日は韓国の古いアパートを無視してはいけない理由が分かるよ。韓国の新しい駐車文化まで!
サムスンが作った流行
道谷洞タワーパレス
レミアンブランドのサムスンが作ったもう1つのブランド “タワーパレス” は、韓国超高層大団地の住商複合アパートの始まりだ。
2002年から入居が始まったが、A~G棟7棟の最高の高さ65階236㎡、約2500世帯規模の超高層住商複合アパート。
ソウル特別市江南区道谷洞(ドゴクドン)に位置するが、2000年代に韓国で富を象徴するアパートの名前として有名。
道谷洞(ドゴクドン)はもともと江南の中心から押し出された庶民が住んでいた板子村があったところだが、1990年代半ばにサムスングループがこの一帯を買い入れ、102階建ての高さのサムスングループ社屋を建設しようとした。
しかし、庶民の暮らしの基盤が消えるという市民団体のデモと住民の反発で計画を先送りしたが、1998年の韓国経済危機IMFによって新社屋建設計画は全面取り消し。
その後、代案として住商複合アパートを建設したのがタワーパレスで、板子村があった道谷洞を江南区の新興富裕層にした一等功臣だ。
今でもソウル最後の板子村と呼ばれる九龍村が目の前にあり、江南の貧富格差の象徴とも言える場所。
1998年のIMFは本当に多くの分野で韓国人に影響を及ぼした。私にもㅠㅠ
サムスンが作った流行
タワーパレスは文字通り塔の形をした宮殿という意味で、2000年代の韓国で最も高価なアパートで、歳月が経った今も高級アパートの象徴として残っている。
“レミアン” で始まったアパートブランドの流行のように、〇〇パレスシリーズは高級住商複合アパートを呼ぶ名称でよく使われる。サムスンが韓国不動産市場に作った流行だ(笑)
富の象徴とも言えるタワーパレスは、実は分譲初期の売れ残り危機だったという黒歴史がある。
一律的な形の板状型マンションにだけ慣れていた韓国人にとって、タワー型超高層ビルを居住空間として使うという概念がなかった時期だったので、販売が低調だった。
それでサムスンではグループ役員級職員たちにほとんど押し売りするようにして無理やり分譲させ、それでも残る部分は高位職公務員たちに安く販売した。
この時仕方なく買った人たちは2000年代初め半ばに住宅価格が急騰してみんな大当たり(笑)
タワーパレスが富の象徴になった理由
タワーパレスが韓国で富の象徴のような存在になったのは、住宅価格のためだけではない。他の事情がニュースや放送でよく言及されてからだった。
各棟入口のホテル式ロビーやフィットネスセンター、プールのような共同施設の維持費がかかる住商複合アパートの特性上、普通のアパートの月々の家賃ほどの高い管理費が有名で、当時は珍しかったセキュリティシステムが特に話題だった。
2重の出入口ロビーには保安員が24時間常駐し、部外者の場合は身分証を預けないとエレベーターが使えるカードを発行してもらえないという当時は珍しいシステムだった。
階段で歩いて上がるにしても、階段と居住棟の階は自動的にロックされる二重鋼鉄ドアになっていて、各世帯の出入り口は指紋認識方式と暗証番号入力方式の両方が装着。
このようなシステムが話題になったのは、ほとんどが “出前” のせいだった。「私が出前に行った時に、そこはこうだったよ~」と、インターネットの書き込みが沢山だった(笑)
タワーパレスは韓国人が誇らしく思う “出前” システムが通じなかったのだ。
ほとんどバイクを利用して注文した場所に配達するシステムだが、バイクはマンションの外部入口から出入りが統制され、歩いて内部に入っても保安員たちに身分証を預けて書類を作成した後、配達しなければならないから時間が命の配達員たちにとって最悪の場所だった。
身分確認のためにバイクのヘルメットも脱げと言うほどで、”金持ちのパワハラか?vsパワハラでないか?” で何度も話題になった。
そしてタワーパレスを訪れた配達員や訪問客から「タワーパレス駐車場には輸入車しかない」、「スーパーカーが多い」などの噂が広がり、ますます想像の中の空間のようになっていった。
その中で一番荒唐無稽な噂が 「タワーパレス内部のスーパーマーケットにはベンツも売っている」だったが、これが本物だという事実が知らされ、タワーパレスの伝説は完成した。
近所のスーパーでベンツを売ってるって言ったら誰が信じるんだよ(笑)
アパート全体の代表でもなく1棟の代表候補者のスペックが判事出身、サムスングループ法人長出身、放送局代表出身、現職名門大学教授などという情報が知らされ、やはりタワーパレスは “私たちが住んでいるところとは次元が違うところ” と思い知らされたりもした。
またタワーパレスの最上部には120坪台、200坪台のペントハウスが数軒あったが、ペントハウスにはとてつもない金持ちが住んでいるという噂が加わり、神格化段階に入ったのだ。
これらの噂を画面で表現したのがSBSドラマ『ペントハウス』のヘラパレスだと思っていいほどだ。
建設して20年余りが経ち、韓国最高住宅価格1位の座はずいぶん前に譲ったが、依然として韓国人にとって “タワーパレス” は韓国最高のペントハウスの象徴として残っている理由だ。
そのように1970年代の江南開発以前の姿を見せてくれる最後の板村 “九龍村” と “タワーパレス” が一緒に出てくる写真は、今や韓国の小中高校の教科書にもよく登場するほど有名な写真になった。
韓国の貧富格差の象徴。
どこがより高いか?
外国人の勘違い1
2020年の夏、ある外国人がインターネットに投稿したという写真が韓国で話題だった。
ソウルを訪れた外国人が、“韓国の貧富の格差を感じた写真“として出回ったが、出所が明確ではなかったにもかかわらず複数のメディアの記事で出てくるほど。
1974年に建てられて45年以上経った古くてぼろい5階建てのアパートと、2015年に建てられた56階建ての超高層アパートの比較写真は、タワーパレス前の九龍村の写真と似ている感じではある。
もちろんこの写真が話題になった理由は、韓国の現実を知らない外国人の勘違いのためだ。
2020年代の韓国、首都ソウルの不動産価格を知らなかった。
名前からダサい写真の中の5階建てアパートはソウル龍山区二村洞にある“王宮マンション(アパート)” で、2022年2月基準、専用面積102㎡、実取引価格は26億4500万ウォン。オンライン仲介サイトの呼び値は最高35億ウォン。
後ろに見えていた高層マンションはソウル龍山区二村洞にあるサムスンの “レミアンチェリトゥス” で専用面積124㎡の実取引価格は50億9998万ウォン。
30億ウォンと50億ウォンの差があり、貧富の格差といえるかもしれないが、さらに重要なことは同一面積3.3㎡(1坪)当たりの価格を計算してみると、
王宮マンション 3.3㎡(1坪)当たりの価格:実取引価格基準で8392万ウォン/呼び値基準で1億1105万ウォン。
レミアン·チェリトゥス 3.3㎡(1坪)当たりの価格:1億138万ウォン。
実取引価格基準で3000万ウォン差で、呼び値基準では王宮マンションの方が高い家となる。
3.3㎡(1坪)で1億ウォンの家だって~(笑) 全財産が1億ウォンにならない人も多いのに(笑)
皆さんがソウルを訪問した時、江北と江南に関係なく漢江沿いに見えるアパートは絶対にこの価格帯だと考えればいい水準だ。
ちなみに二村洞レミアンチェリトゥスには歌手IUと、IUの親友俳優ユ·インナ、歌手ZICO、歌手Crush、映画『パラサイト半地下の家族』のイ·ソンギュン&チョン·ヘジン夫妻、俳優カップルのユ·ジテ&キム·ヒョジン夫妻などが居住していることで有名。
危険であってこそお金を稼ぐアパート 江南BIG4
韓国のニュースをよく聞いていると、よく出てくるアパートの名前がある。
“銀馬アパート(은마 아파트)”
先ほどご紹介した狎鴎亭現代アパートと共に、すべての不動産関連ニュースにほとんど欠かさず登場するアパートの名前だ。
江南区大峙洞(テチドン)にある銀馬(ウンマ)アパート。
ここでも気が利く人はポイントが分かると思う! “大峙洞(テチドン)”。これに気づいたらあなたはiumブログの優等生(笑)
江南が浮上し始めた理由の1つが偽装転入までしていた江南8学区であり、これは1980年代の家庭教師ブームの時期を過ぎ、今韓国の私教育1番地である大峙洞(テチドン)の塾街を作った。
そしてドラマ『SKYキャッスル』は、韓国で依然として進行中だと韓国の教育熱の記事で紹介した。
その狂った教育熱の狂風の中で、当然江南でも大峙洞の住宅価格は最も高くならざるを得ないだろう?
江南8学区の名門学校と大峙洞の塾街がすぐ近くにある銀馬アパートの価格は、40年間でほぼ100倍近く急騰した。
江南の代表アパートである狎鴎亭洞の現代アパートより小さい坪数が多いため、競争率はさらに激しかった。
全斗煥(チョン・ドゥファン)が朴槿恵(パク・クネ)にあげて、大統領選挙の時話題になったあのアパートだよ!(笑)
大峙洞(テチドン)の銀馬(ウンマ)アパートは、1979年に入居を開始した14階建ての廊下式アパートで、28棟4424世帯で構成された大団地アパートだ。
大峙洞の真ん中にある大団地のアパートだから、その価値は私たちが想像できないレベルだ。
ソウル江南地域の3大将という瑞草区、江南区、松坡区の中に江南BIG4と呼ばれるアパートが有名になった。
狎鴎亭現代アパート、蚕室住公アパート、大峙洞銀馬アパート、開浦洞住公アパートまで。
ドラマ『応答せよ1988』で銀馬アパートの相場が5000万ウォンという場面が出てくる。今思えば絶対買わなければならない価格(笑)
江南には古いアパートがたくさんあるが、江南BIG4と呼ばれたり、有名なアパートはどれも “江南開発初期” の団地で、再開発と再建築を期待しているから値段が高いのだ。
再建築をしても現在のアパートの位置によって価格が変わるが、その中でも敷地面積が広くてこそ容積率問題でさらに高く再建築でき、世帯数が多くてこそ建設単価が減るため敷地が広い大団地の価値は高くならざるを得ない。
現在の世帯数より多くの世帯数を作り出すことができてこそ、それを販売してお金がたくさん残るし、それだけ入居者の費用は減るからだ。
再建築の世界はとても深くて難しいよ(笑)
それで良い位置は基本とし、より古い初期のアパートほど、より大きな規模の団地ほど、そしてより安全でないアパートほど、再建築審査に通過する確率が高いので価格が高い。
結局のところ、古くて危険なアパートが価格が高くなるという話。
私たちが今学んでいる江南の場合、政府の政策でほぼ同じ時期に大規模開発をしたため、40年余りが過ぎた今、再建築と再開発の時点も同じように来ているのだ。
現在の価値だけでなく未来の建て替えをした場合の価値が合算され価格が決定される仕組み(笑)
江南のバレットパーキングとパワハラ文化
そのため、江南の有名アパートの象徴のような場面がまさに駐車場だ。
アパートに地下駐車場の概念が珍しかった時期なので、ほとんど地上駐車場だけあったり地下1階だけある場合が多い。
ところが入居者たちは車を2台3台保有する韓国の “本物の金持ち” たちが住んでいる状況で、駐車場には各種高級乗用車と輸入車が立ち並び、2重駐車も足りず、3重4重に重ねて駐車している様子。
それで新しくできた彼らだけの文化が警備員たちのバレットパーキング。
2000年代に入ってアパートの警備員に対する駐車パワハラのニュースがよく流れているㅠㅠ
普通に運転しても簡単ではない狭い空間に、まるでテトリスのように車の出し入れを繰り返さなければならない状況なので、警備員の方々には新しいスキルが必要だったのだ。
それに自分が運転している慣れた車でもなく、ほとんどが高級大型乗用車だということを勘案すれば、F1ドライバーも緊張しなければならない状況だ。
車両が損傷した時や自分たちが望む時間に車が準備されていない時、入居者たちの各種パワハラ事件が発生するようになった理由だ。
江南の金持ちの入居者と庶民警備員。
2021年に遅ればせながらも代理駐車などを禁止する “警備員パワハラ禁止法” が作られたが、根本的に解決できない構造だ。 警備員の方々には生計がかかっているからㅠㅠ
2022年現在までの江南のアパートを紹介したよ!次の記事では江南の未来について話してみるね!
パワハラを受けても自分の仕事がなくなるかもと、警備員の方々がむしろ何の問題もないと言わなければならないニュースインタビュー。それを見守る韓国人の心情は複雑にならざるをえないㅠㅠ