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韓国のすべてが止まる時間 民防衛訓練① “終戦”と“休戦”

韓国文化と生活
ペコム
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住民登録証シリーズに続き、今回は韓国の民防衛訓練について紹介しようと思う。 今回のパートでは、まず韓国と北朝鮮の現在の状況をきちんと理解する時間を準備したよ。

【韓国の民防衛訓練】シリーズの記事はこちら★

こちらの解説記事も合わせて読むと理解がしやすいです!
民防衛訓練① “終戦”と“休戦” ←本記事
民防衛訓練② 韓国でサイレンがなったら…?
民防衛訓練③ 兵役期間が延びる?

北朝鮮 またミサイル発射 “今回は日本上空を通り過ぎた!”
出典:YTN뉴스

北朝鮮のミサイルが日本上空を通り過ぎて日本では大騒ぎになったが、いざ韓国人たちがいつものように落ち着いている理由は、日韓両国で話題だった下の文章で説明できる。

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もし韓国や日本で留学をしたり、住んだことがある韓国人や日本人なら、家族と電話でよく経験したことがある状況だろう。

「ニュースで地震(ミサイル)だって? 本当に大丈夫?」

「お母さん、ここは大丈夫だから気にしなくてもいいよ~」

中国発のPM2.5が朝鮮半島を襲う様子
出典: SBS뉴스

その他にも、韓国に台風の防波堤の役割をする日本と、日本にPM2.5の空気清浄機の役割をする韓国。

お互い相手国の位置について感謝しているが、両国には依然としてお互いの環境を完全に理解できない人が多い現実だ。

津波と台風の防波堤の役割を果たしてくれる日本

今日はその中で、特に韓国と北朝鮮の状況について、”まだ” よく知らない人たちのために準備した記事。

このブログiumでも、映画やドラマでも、ニュースでもよく出てくるが、朝鮮半島の状況についてはっきり理解するために説明しよう。

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韓国と北朝鮮は互いに戦争をした

朝鮮戦争中の状況変化
赤が北朝鮮・青が韓国

朝鮮と大韓帝国、1つの国だった朝鮮半島は、1945年の日本からの解放後、南北に分かれた。

政府をどのように構成するかで激しい内紛を起こした朝鮮半島は、アメリカの支援を受けた韓国と、ソ連の支援を受けた北朝鮮に分かれて各自の政府を樹立し、結局1950年6月25日に北朝鮮の南侵で戦争をすることになる。

この戦争を韓国では主に“6.25(육이오/ユギオ)” と呼び、外国では “韓国戦争(朝鮮戦争)” と呼ぶ。

他の有名な戦争より期間は短かったけど数百万人が死亡した熾烈な戦争だった。

朝鮮戦争の戦線の時期別状況
出典: 문화저널21

“終戦” ではなく “休戦”

1953年7月までの3年間続いた朝鮮戦争は、結局誰も望む結果を得ることができないまま止まった。 この部分が重要だが、“終わったのではなく止まった”。

“終戦” ではなく “休戦”

ここで多くの誤解と錯覚が生じている。

互いにこれ以上の被害を防ぐためにしばらく戦うことを止めた休戦であって、戦争をやめることにしたのではない。

1953年7月、休戦交渉に署名した場所が今の板門店
出典:조선일보(左)/서울신문(右)

その後も数十、数百回の小さな挑発と戦闘が続いたが、本格的な “全面戦争” が数十年間なかったため、ほとんどの人々は戦争が終わったと認識しているだけで、1950年以降、現在も韓国と北朝鮮は戦争を止めたことがない。

今は退いた文在寅前大統領が在任期間中に “終戦交渉” をあれほどしようとした理由が、まさにこのためだ。 完全で、実質的で、文書化された、”実際の終戦” を実現させたかったのだ。

もちろん、その計画は失敗し、2022年の朝鮮半島の空には依然として北朝鮮のミサイルがどこかに飛んでいる。

22年上半期の北朝鮮のミサイル発射日誌。
出典:연합뉴스

休戦の意味は言葉通り、戦争をしばらく休むことで、その期間や方法に対するいかなる規定もないため、明日から南北が再び戦争を始めるとしてもおかしくない状態だ。

そんな状態で70年。

3年間戦って70年間の休戦中の状態だから感覚が鈍くなっただけで、依然として “休戦” 状況というのは変わったことがない。

韓国と北朝鮮もドイツのように統一すればいいのではないか?

統一以前の西ドイツとドイツの地図(ベルリンは東ドイツ地域内にあった)
出典:디스패치

韓国の状況と似ている国として、ドイツの話をよく聞いたことがあるだろう。

その時によく登場する質問、韓国と北朝鮮もドイツのように平和に統一すればいいのではないか?

1つの国家だった国が、アメリカとソ連によって東ドイツと西ドイツで数十年間分断され、1990年に統一したから朝鮮半島の統一について話す時も、必ず出てくる素材だ。

朝鮮半島の状況と非常に似ているようだが、私たちが忘れてはならない大きな違いがある。

最大限シンプルに簡単に表現してみると、ドイツの場合は力の強い兄弟がいるが、周辺地域の子どもたちを殴って事故を起こさないように兄弟を分離させたと例えると、

韓国の場合は力の弱い兄弟が互いに殺し合うように戦うのに、本当にどちらが死んじゃいそうなので兄弟を分離させたと考えればいいだろう。

一見かなり似ているようだが、根本的には大きな差があるのだ。

1990年のドイツ統一当時、喜ぶドイツ人たちとベルリンの壁を壊すドイツ人たち
出典:디스패치

ドイツの場合は兄弟間は問題が全くなかったし、韓国の場合は兄弟間の感情が非常に悪化していたから相手に対する感情から次元が違う問題なんだ。

自分の祖父、父、母、あるいは家族のうち誰かが北朝鮮軍に殺された、逆に韓国軍や米軍に殺された、 このような場合が非常に多いので、その出発点自体がドイツとは差が大きくならざるを得ない。

ペコム
ペコム

私の家族も、母方のおばあちゃん、おじいちゃんが北朝鮮出身で、朝鮮戦争の時に多くの家族が亡くなって、辛うじて韓国に避難してきたケースだよ。幼い時、母方のおじいちゃんが北朝鮮軍を避けてトイレに隠れていた話をしてくれたことを思い出す。

朝鮮戦争当時、南北双方によって数多くの民間人虐殺事件があった(写真は韓国軍による旅順事件関連写真)
出典:한겨례신문

特に朝鮮戦争で数百万人が亡くなったが、特に民間人が多く亡くなった戦争であり、当時韓国人の8分1が亡くなったという統計があるほどだ。

問題は、1953年の休戦以降も数百回の挑発と衝突の中で、多くの軍人と民間人が相次いで亡くなっため、相手に対する感情の溝が深いのだ。

休戦以降2002年までの北朝鮮軍との「主要」交戦日誌
出典:조선일보

統一は必ずしないといけない?

それでも1つの民族で、同じ “韓民族” だから、私たちは統一をしなければならないと強制的に洗脳されてきた世代が多くて、「私たちの願いは統一(우리의 소원은 통일)」という歌を知らない韓国人がいないほどだ。

でも、今は韓国人の認識が大きく変わった。これ以上 “当たり前のように” 南北が統一しなければならないという考える人がかなり減ったのだ。

[북한 예술단 서울 공연] 소녀시대 서현 "우리의 소원은 통일"…노래로 하나 된 남한과 북한
2018年平壌公演で北朝鮮歌手とともに「私たちの願いは統一」を歌う少女時代のソヒョン

最近の世論調査を見ても、若い世代の場合は統一に反対する場合が多いほどだ。

状況は違うが、ドイツの統一過程でかかった莫大な金額の “統一費用” の問題も見守ったため、さらに反対するのだ。

「なぜ私たちの税金を北朝鮮に与えなければならないの?」という認識というか?

Z世代とX世代の統一についての認識調査(2020年)
左から「統一に対する立場」青は賛成・赤は反対、
「南北の韓民族としての所属感」、青はある・赤はない
「韓国国民ということを誇りに思うか」青は思う・赤は思わない
出典:한국일보

さらに最近2000年代だけをみても、2002年の日韓W杯の真っ最中だった2002年6月、北朝鮮軍の攻撃で若い将兵6人が戦死、18人が重軽傷を負ったが、W杯の熱気に埋もれて彼らの犠牲は隠さなければならなかった。

2002年6月の日韓W杯期間中に起きた「第2延坪海戦」で亡くなった韓国軍将兵たち
出典:한국해양안보포럼

映画『ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(연평해전)』(2015) のポスターに、W杯街頭応援の姿が映る理由は本当に悲惨な現実だ。国民は韓国サッカーのW杯ベスト4進出に熱狂している時、彼らは黙々と自分の任務を遂行して死んでいかなければならなかったからだ。

2002年に起きた「第2延坪海戦」がテーマの映画『ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(연평해전)』(2015) のポスター
出典:청주일보

その後も北朝鮮の挑発は止まず、2010年3月の天安艦襲撃事件の時は、46人の将兵が一瞬にして海の中に消え、何とか彼らを探すために捜索作業をしていた民間人と軍人10人も死亡または行方不明になった。

同じ年の2010年11月には西海延坪島砲撃事件で再び2人の若い将兵が死亡。

このように最近の北朝鮮軍の挑発は、ミサイル試験だけではない。 外国はもちろんだが、韓国人の無関心の中でも韓国の若い将兵たちは依然として北朝鮮と戦争をしている。

2000年代、韓国西海で北朝鮮の攻撃で亡くなった55人の若い将兵たち
出典:방위산업전략포럼

今年だけで3機の戦闘機が訓練中に墜落し、5人の操縦士が死亡したが、あの若い軍人たちの家族に「韓国は平和だ」と言えるだろうか。

北朝鮮と韓国は韓民族だから「統一をしなければならない」と強要できるだろうか。

明らかなのは1953年以降も依然として、韓国は北朝鮮と戦争中で、数十万の若い将兵たちは今この瞬間にも国民が韓国は “休戦” 中の国家であることを感じないように、自分の任務に忠実に取り組んでいる。

彼らの犠牲があるからこそ、私たちが北朝鮮のミサイルを笑いながら話せるというだけだ。

“朝鮮戦争はまだ終わっていない”

순직 조종사 심정민 소령 영결식…"푸른하늘 지키는 별 됐다" / 연합뉴스 (Yonhapnews)
2022年1月殉職操縦士シム·ジョンミン少佐告別式

ペコム
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現在の韓国戦争の状態について基本内容を紹介したけど、次の記事ではこれによって毎年実施される韓国の民間防衛訓練について本格的に話すよ。

おすすめ映画・ドラマ

映画『ブラザーフッド(태극기 휘날리며)』(2004)

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イケメン俳優のチャン·ドンゴン、ウォンビンの2人の兄弟が戦争中に別れて南北の軍人として戦わなければならない状況を描いた映画で、韓国戦争が家族にどのような影響を及ぼしたのかを詳しく見せてくれる映画。 韓国の戦争映画の中では必ず見なければならない名作!特に俳優ウォンビンの数少ない映画出演作なので、ウォンビンはファンならおすすめ。 韓国で初興行作。

映画『高地戦(고지전)』(2011)

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俳優コ·ス主演の映画で、休戦を控え、少しでもお互いに有利な地域を確保するために熾烈な戦闘を繰り広げた時期を非常に詳しく描写した映画で、「高地戦」の惨状について知ることができる映画。地図に表示される有利なライン(今の休戦ライン)のために、どれほど多くの軍人が犠牲になったかが分かる。 戦闘シーンが多いので、少し男性的な映画。

映画『国際市場で逢いましょう (국제시장)』(2014)

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韓国戦争当時に北朝鮮から避難してきた家族の話で、韓国現代史全体の流れを理解できる興行作で、韓国の現代史について知りたいなら必見! 「涙なしでは見られない」この映画も韓国で初興行作で、ほとんど国民の必須鑑賞映画のレベルだったよ。

映画『ノーザン・リミット・ライン 南北海戦 (연평해전)』(2015)

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2002年の第2延坪海戦の状況を描いた追悼映画で、有名な出演者ではないが、当時の状況については詳しく知ることができる映画。 人気作ではないが、彼らの犠牲が気になるなら、一度見てもいいのではないか。

ドラマ『サバイバー: 60日間の大統領 (60일, 지정생존자)』(2019)

リンク→ (Netflix)

韓国の政治が気になるなら必須のドラマ!特に日本と他の大統領制度の違いが気になるならおすすめ。政治ドラマだがそれほど重くないため、軽く現在の韓国の政治制度と選挙について理解でき、天安艦事件に関連した登場人物が出てくるため、北朝鮮の挑発に対する韓国内の雰囲気についても少しは味わうことができる。

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