前の記事で韓国人が好きな変わった食べ物を紹介してみたけど、逆に韓国人も「どうしてこれを食べるんだろう?」という意見の多い韓国料理を紹介してみるよ!今回は海の食べ物でスタート~!
ぺコムから味だけでも体験することを勧められたけど拒否した食べ物が集まったよ(笑)
「これ本当においしい?」
サンナクチ(生ダコ)、マクワウリ、エゴマの葉、もやし、つぶ貝、どんぐりゼリーを紹介した「外国人はこの味をなぜ知らないの?」シリーズに続いて今回は逆に、韓国人も「本当においしいの?」と思う食べ物を集めてみた。
よく言えば好き嫌いが分かれる食べ物で、一般的には “嫌悪食べ物(혐오음식)” と呼ばれる。
食べ物の種類も多く、個人の好みも違うため、信頼できる統計は見つけられなかったが、面白い資料を発見した。
2018年、韓国観光公社が海外SNSを利用する外国人を対象に調査した “一番食べてみたい異色の韓国料理” アンケート結果。
“好きな” じゃなくて、試したい “異色” っていうのがポイントだよ(笑)
圧倒的1位のサンナクチ(生タコ)(26%)をはじめ、カンジャンケジャン(14.6%)、スンデ(14.2%)、ガンギエイ(10.3%)、ポンデギ(さなぎ)(4.3%)などが上位にランクされているが、ほとんどが韓国人の間でも好き嫌いが多い順位と似ている。
この他に根拠はないが、韓国人1500人に調査したというランキング資料が1つあることはあるが、これらの資料を普段韓国のインターネットによく掲載されている食べ物と組み合わせて紹介してみる。
ちなみに食べ物の紹介順とランキングは全然関係ない。
結局、好きなように選んだ好き嫌いのある食べ物を集めてみたってことだよ(笑)
カンジャンケジャン(간장게장)とご飯泥棒
最初に紹介する食べ物は日本人にも人気のカンジャンケジャン(간장게장)だ。
生きているカニを醤油ベースのタレに漬けて熟成させると、特有のしょっぱくて甘い味で
老若男女に愛される食べ物。
カンジャンケジャンは17世紀末に書かれた <山林経済(산림경제)> という書籍に調理法が出てくるほど古い料理で、カニを活用した様々な料理法がある外国でも、非常に珍しい調理法で有名だそうだ。
タレの塩味とほのかな海の香り、そして卵がぎっしり詰まったケジャンさえあれば、他のおかずが必要なくご飯一杯がさっと消えるということで、韓国では “ご飯泥棒(밥도둑)” の代名詞と呼ばれる。
とてもおいしくてあっという間にご飯が消えるから “ご飯泥棒” で、ご飯が消えずにご飯を守ってくれるおいしくないおかずは “ご飯警察(밥경찰)” と呼ぶ(笑)
ご飯泥棒には主にケジャンや塩辛のように辛かったりしょっぱかったりすることが多く、ご飯警察は主に会社や学校の給食や軍隊から出てくるまずいおかずによく使う。
カニを食べ終わってからカニの甲羅にご飯を入れて混ぜて食べる “ケジャンご飯(게장밥)” の香ばしさが本当のご飯泥棒だそうだが、個人的には食べられない食べ物ㅠㅠ
自分も食べたいのにカニの甲羅を譲った彼氏に感動して結婚を決心をしたというある夫婦のエピソードがあるくらい(笑)
特に旬の時期のワタリガニで、身と卵がふっくらしているカニで作ったカンジャンケジャンは珍味の中の珍味だというが、生臭さが嫌いな人は簡単に挑戦できないため、好き嫌いが極と極に分かれる代表的な食べ物だ。
韓国でも意見が分かれるケジャンが日本人の中で好きな方が多い理由は、日本には海産物が好きな人が多く、なじみのある醤油ベースのタレのためではないかと思う。
醤油ベースのカンジャンケジャンは嫌いでも辛いヤンニョムケジャンが好きな韓国人もよくいる事例を見ると、おそらくそうだろう。
このようにカンジャンケジャンは、韓国人にとって嫌悪食べ物とまではいかなくても好き嫌いが非常に極端な料理の代表であることは明らかだ。
ちなみに今回の資料を探して知り得た情報によると、タイに行くとbukaidongと呼ばれる食べ物がカンジャンケジャンに似ているそうだ。
カンジャンケジャンにパクチーと青陽唐辛子が追加された味だが、カンジャンケジャンが好きでパクチーも好きな人なら美味しいだろうという情報(笑)
ご飯が韓国のお米ではないので残念だが、韓国よりもはるかに安く卵がぎっしり詰まったケジャンが食べられるが、路上で売っているのは乾いていて食感がおかしいことが多いので、飲食店で食べたり、すぐに調理してくれるものを食べればいいという韓国人の意見があった。
写真を探してみたら形は本当に似ている! 衛生面は少し心配だけど…(笑)
ガンギエイ(홍어)と結婚式
韓国で食べる発酵ガンギエイ(過熟性)は形は幸いにも良い方だが、特有の強い香りと味のせいで外国人がびっくりする食べ物の1つで、韓国でも好き嫌いが多く分かれる食べ物だ。ほぼ嫌悪食のレベルに近いと見なければならない(笑)
日本やアイスランドを除けばガンギエイを食べる国はほとんどないということだが、圧倒的な臭いから “世界で最も臭いがきつい食べ物” の最上位にランクインするほど。
しかし発酵ガンギエイの匂いが必ず1位ではない理由が、ニシンを発酵させたアイスランドの “シュールストレミング” は、発酵ガンギエイに中国の臭豆腐を混ぜて食べても勝てないくらいだそうだからだ。想像もしたくない匂いの組み合わせ(笑)
フォーブス誌選定世界10大嫌悪料理2位に上がった発酵サメ料理 “ハカル(hkkar)” もアイスランド料理だそうだが、一体アイスランドってどんな国なんだろう(笑)
ガンギエイは全羅道の代表的な食べ物の1つで、先史時代の遺跡から骨が発掘されるほど古くから食べていた朝鮮半島の食べ物と思われる。
そのうち発酵させたガンギエイの由来を探してみると、高麗時代末期、南側の海岸地域に日本の倭寇が頻繁に侵犯すると、高麗政府は住民を陸地に移住させ島を空ける空島政策を実施した。
これによってガンギエイがたくさん獲れる黒山島の島の人たちは陸地に住んで、倭寇が落ち着くと島に戻ったりしたが、冷蔵技術がなかった時代、この期間中に他の肉は腐ってしまうが、ガンギエイは発酵しているため食べられたそうだ。
こうして誕生した発酵ガンギエイを近隣の陸地の全羅道地域で珍味として楽しみながら今まで伝わってきているが、これほど好んで食べるマニア層が確実に区分される食べ物もないようだ。
食べられない人が多いが、好きな人は本当に好きなマニア層が多い食べ物。
韓国の芸能界で活動している日本人のさゆりが「発酵ガンギエイを食べると鼻と口がつながっているという人体構造がすぐ分かる」と評価した(笑)
私も大人になってから挑戦してみたが、最初の試食評は「これはただのトイレなんだけど?」って感じだった(笑) トイレを食べている感じ(笑) 強烈なアンモニア臭!
鼻炎患者は一口噛むだけですぐ鼻が通った感じがする。
あまりにも好き嫌いが強いので、韓国でもガンギエイだけを単独で食べるのではなく、”ガンギエイサムハプ(홍어 삼합)” という組み合わせで主に楽しんでいる。肉のゆで肉にガンギエイと熟成した酸っぱいキムチの組み合わせで3種類を一緒に食べなければならないということで、サム(3)ハプ。
ほとんどの韓国食堂ではサムハプの構成で販売している。
美味しい肉と強いキムチの味で匂いをごまかす手口だと思うけど、すべてを突き抜けるその匂いは防げない(笑)
この組み合わせを通じて、発酵させたガンギエイの魅力に一度はまると抜け出せないというが、全羅道では “お祭りにガンギエイが抜けると寂しい” という言葉があるほど、お祭りやお葬式でも欠かせない非常に普遍化した食べ物だ。
そのためか、韓国の結婚式でゲストの食事には普通はカルビタンをメインにいろいろなおかずを用意するが、発酵させたガンギエイかガンギエイの刺身の和え物のいずれかは入っていることが多い。
最近はビュッフェ式なのでだいぶなくなったが、ガンギエイがないとちょっと根本のないお膳立てとされる文化というか?大人の世代にはこんな文化があった。
全羅道地域には発酵させたガンギエイがすぐ出てくる場合も多いが、他の地域では値段が安いガンギエイの刺身の和え物に代替するが、それでも値段が高いからイカ酢の和え物に代えると、この店は食べ物にお金をケチっていると評価したりもしたほど(笑)
普通のガンギエイの刺身の和え物は少し硬いが食べられいこともない。ヤンニョム味もある。
だから今でも結婚式や葬儀場の食べ物に赤いヤンニョムの刺身和え物をよく見かける。
中に入った刺身の種類だけ違うし、基本のヤンニョムと味は似ている。単価の差はあるけど(笑)
ガンギエイは韓国の黒山島地域だけで主に出てくるが、量が多くなく、それを発酵させる過程も難しいので値段がかなり高くて韓国産ガンギエイは1匹当たり基本は数十万ウォンだ。
世界的にまんべんなく生息する魚種だが、ほとんどの国では食べないため、韓国から輸入して食べる食べ物として以前紹介したつぶ貝と似たような状況だ。
この前Netflix公開されたドラマ『ナルコの神(수리남)』は、まさにこのガンギエイをモチーフにストーリーが進行されるドラマだ。
ガンギエイをそのまま捨てる南米のスリナムからガンギエイを輸入して売れば金持ちになる!から始まる設定で、韓国のガンギエイの値段を知らないと主人公が理解できない話だ(笑)
あまりにも好き嫌いが激しくて、次にご紹介するボシンタン(보신탕)のように歳月が経てばだんだんなくなりそうな食べ物。次はドラマ『ナルコの神(수리남)』のレビューも準備してみるよ!
エボヤ(미더덕)
形から少し変なエボヤもやはり世界中の海でよく見られるが、韓国だけで好んで食べる食べ物として知られている。
わずか数十年前まではあまり食べられなかったが、その味と効能が知られ、好んで食べるようになった食材で、海で獲れるが形が陸地の蔓人参(더덕)に似ていることから “エボヤ(미더덕)” と呼ばれる。
新鮮なエボヤは刺身として食べたりもするが、韓国では主にヘムルチム(海鮮鍋:해물찜)やヘムルタン(海鮮鍋・해물탕)、アサリのカルグクス(うどん)のような海鮮料理に一緒に入れる材料だ。独特の香りのためスープ料理によく使われる。
パチパチと弾ける面白い食感と、口の中いっぱいに広がる香ばしい海の香りのおかげでよく使われるが、この材料もまた韓国人の間で好き嫌いが分かれている。
特にスープの中にあったエボヤを噛むと、熱いスープがエボヤの内側でポンと破裂して口の中がやけどしたりすることが多く、絶対に食べないという人も多いが、それがエボヤの醍醐味で噛む楽しみを逃すわけにはいかないという意見もある。
熱いスープにやられた人たちは二度と食べない(笑) 硬いだけでどうして食べるのかも分からないしㅠㅠ
特有の塩味としっかりした食感が魅力だそうだが、ほとんどの食堂では見た目が似ているがホヤより値段が安いシロボヤ(오만둥이)という材料を使っているので注意が必要だ。ニュースでもよく出てくるくらい。
だから「私はエホヤ不味いと思う」と意見を言うと、エボヤが好きな人たちは「お前は偽物を食べたからだよ~本物は本当においしいんだよ~」という論争のパターンになっていく(笑)
スープの味にどれだけ効果があるのかも分からないし、高くもない材料まで騙すところが多いというから、これ以上食べたくない食べ物(泣)
ユムシ(개불)
新鮮でおいしいヒラメや鯛などの刺身を食べに刺身屋に行くと、待っている間に食べる基本のおかずにほとんど登場する食べ物だ。
形が犬の陰囊(生殖器)に似ていることから、犬(개:ケ)+陰囊(불:ブル)→“개불(ケブル・ユムシ)”。
形も名前も情がわかない食材(笑)
朝鮮時代の書籍には、ユムシを馬の陰茎に似ていることから“海陰茎(해음경)”と呼んだというが、特異なことに夏には海辺の地中1m以上深いところで夏眠し、冬には15~30㎝の深さで暮らすという。
※ 写 真 閲 覧 注 意 ※
幸い、料理用に切ると嫌悪感が少なくなるが、外国人だけでなく韓国人もとても恐れる食べ物だ。
酢コチュジャンにつけて食べるとコシのある食感とほのかに漂う甘みが良く、高血圧や貧血予防、豊富なタンパク質などで健康に役立つ料理だそうだが、食べたことがないので味は分からない。
海産物が好きな人たちはおいしいと言い、意外と好きな女性も多いとは言うが、形が変なので試すことができない(笑)
これは食べたらお金をあげると言われても食べられないと思うTT 今回は海で好き嫌いのある食べ物を探してみたけど、次は陸地の食べ物を紹介するよ~!もう一度言うけど、気持ち悪い!(笑)