韓国芸能事務所⑤ 「来るなら来い、タイマンで」韓国の会社員が歓呼した記者会見

記者会見の定石

私たちが経験した記者会見、私たちが知っている記者会見

経営権奪取の試み、事前模擬対話と文書発見、過多な持分要求など［HYBE］の相次ぐマスコミプレイに耐えられなかったのか、ミン·ヒジン代表は記者会見を自ら要望した。

［HYBE］側では、ミン·ヒジン代表の私的な領域である “シャーマンによる呪術経営疑惑” まで公開し、世論を主導していたので、実は、ほとんどの韓国人は大きな期待をしていなかった。

記者会見をするとしても、普通は涙を流しながら謝罪し、あっけなく終わったり、疑惑に対する否認はするが、法的な判断が出るまで内容は公開できないとし、主な争点に対する公開はしないのが一般的だからだ。

そして自分たちだけで静かに合意をしたり、波風立てずに裁判の結果が出て終わらせるコース。それが芸能界だけでなく、すべての分野で通用していた記者会見の定石のようだった。

［HYBE］側の強い圧迫に、記者会見を取り消すのではないか？という意見もあったが、ミン·ヒジン代表は現れた。

席に着くや否や、カメラのフラッシュがまぶしすぎて話しにくいと涙声でうなだれる姿を見て、「これは１番のケースだね～ 涙流して、謝って終わり～！」と思った(笑)

記者たちはやはり、カメラを持ったチンピラらしく、「では私たちに取材するなということですか？」と抗議をし、しばらくのいざこざがあり、ついにミン·ヒジン代表の発言が始まった。

はにかむ始まり、華麗なワンマンショー

皆が「５分角」、「10分角」と叫んでいる時、ミン·ヒジン代表は徐々にリズムに乗り始め、無我の境地に達したミン·ヒジン代表は、いろんな悪口を混ぜながら “苦痛を楽しむ者” モードに入った。

言葉だけで強がるどんなヒップホップ歌手も見せることができなかった、恐れのない “リアルヒップホップ” の真髄を見せてくれたんだ(笑)

この日の記者会見を韓国語の表現で略してみると、“모두 까기（みんな剥く(皆を攻撃する)）” あるいは“이 구역의 미친년은 나다(この区域の狂った女は私だ) ” モード(笑)　

［HYBE］の最高責任者であれ職員であれ、職位を問わず攻撃し、［HYBE］だけでなくアルバム業界の隠された恥部も躊躇なく露わにし、エンター業界や韓国メディアの問題点までも楽しく批判した。

短いが、今回のミン·ヒジン代表の記者会見を象徴する部分の日本語バージョン映像（下）を参考にすれば、この日の現場の雰囲気が分かるだろう。これからは人工知能ＡＩの時代～(笑)

“개야비하죠”（（犬+野卑だ） 行動が本当に卑劣で下品だ））

“나를 어떻게 먹이려고 했는지”（私をどのように干そうとしたのか）

“씨발, 나 모르겠다~”（クソ、もう知らない～）

“욕이 안 나올 수 없어, 씨발새끼들이 너무 많아가지고”（悪口が出ないわけにはいかないよ、クソ野郎が多すぎて）

リズムに乗るミン·ヒジン代表のよどみない手振りと悪口に、失言をするのではないかと恐れる表情の２人の弁護士たち。２時間以上のミン･ヒジン代表のワンマンショーに視聴者も没頭するしかなかった(笑)

韓国の会社員が歓呼した理由

パン·シヒョク代表とのおかしな対話

実際、公的な場での悪口と卑俗語は最初は痛快だったり新鮮だったりするかもしれないが、繰り返されれば疲労感を感じたり、非好感に転落したりすることもあったが、生々しい悪口と卑俗語を吐き出してワンマンショーを繰り広げたミン·ヒジン代表に多くの韓国人は歓呼した。

特に “ミン·ヒジンシンドローム”、“ヒップホップワントップ” という修飾語がつくほど、若い会社員たちの反応が熱かった理由は何だろうか？

名ばかりの記者会見なのに、あらかじめ準備した情報が書かれたA4用紙１枚もなく登場して、２時間以上鬱憤をぶちまけた “真心と率直さ” が土台だと思う。

今後さらに説明する予定だが、まだ、記者会見だけですべての疑問点が解消されたわけでもなく、［HYBE］との法的な問題は双方の主張が衝突する部分も多いので、判断は慎重であるべきだ。

だが、ミン·ヒジン代表の涙と悪口の中に込められた彼女の真心だけは伝えられたので、多くの人々が最小限の “共感” はしているのだ。

ミン·ヒジン代表は、自分とNewJeansがこれまで［HYBE］からどれほど不当な処遇を受け、悔しかったのか、濾過なしに暴露し、パン·シヒョク代表との対話も公開したが、上の画像はその中の一つだ。

当時人気だったSMエンターのガールズグループ「aespa(エスパ)、踏めますよね？(笑)」というパン·シヒョク代表の発言。

ミン·ヒジン代表を迎え入れた初期に、NewJeansをとても期待していると言って送ったというメッセージだが、ミン·ヒジン代表に対する［HYBE］の期待と目標があらわれる発言だ。

初期にはあんなふうに言うほどミン･ヒジン代表を信じるふりをしていたが、LE SSERAFIM（ルセラフィム）が第１号ガールズグループに決まってからは、ミン·ヒジン代表を裏切ったということだ。

その次は記者会見後、韓国人の間でも解釈が飛び交っていた会話だが、NewJeansが初めてビルボードランキングHOT100に進入した時のパン·シヒョク代表の発言。

LE SSERAFIMのデビュー問題で２人の仲がすでに遠ざかっているため、NewJeansのデビュー後もおめでとうという話だけでなく、何の会話もなかったのだが、

あの日突然、「おめでとうございます」と言って、「楽しいですか？(笑)」と聞いたということだ。

前後の脈絡なしにこう言えば単純な質問かもしれないが、解釈次第で皮肉な質問になりうる。

ミン·ヒジン代表は「楽しくないわけがない。当然のことを聞かれて。」と答えたが、親会社の代表だとお祝いの挨拶だけしてあげるのも忙しいはずなのに、必要ない質問だからぎこちない文章は確かだ。

韓国人はこの部分についてほとんどの人が、パン·シヒョク代表は “心が狭い” という意見が多かった。

短い対話の例に過ぎないが、その時期の情況を考慮すれば、ミン·ヒジン代表を迎え入れることになり、成功したオタクになったと喜んでいたパン·シヒョク代表の姿は明らかに違う。（詳しくは以前の記事を参考：リンク）

これまで交わした会話だけを見ても、２人の関係はすでに良くは見えないからだ。

会社員の鬱憤と共感、“配達の民族”

NewJeans (뉴진스) 'Ditto' Performance Video

ここまでで明らかになった内容を見ると、誰の話を聞いても［HYBE］と［ADOR］の関係は良くないように見えるが、NewJeansの母はそれをやり遂げたし、NewJeansは大成功を収めた。

ミン·ヒジン代表は「私は仕事をうまくやった罪しかない。思う存分利用して、今になって追い出そうとしている」として鬱憤を吐き、「私は熱心に働いた罪しかない」「犬のように働いた」等の発言を吐き出した。

また、「悪口を言わないわけにはいかない、クソ野郎が多すぎて」「私の実績が落ちてる？ 私があなたたちのように運転手を雇って車に乗るか、お酒を飲んでいるか、ゴルフをしているか！」などの荒々しい反応も見せた(笑)

特に自身を背任に追い込むために法人カードの使用内訳まで探しても何も出てこないからここまでしているのだろうと言い、「法人カードの内訳を見れば夜勤の食事代しかない。ペミンしかない。」と言った。（ペミン（배달의 민족：配達の民族）：韓国１位の出前アプリ）

韓国の会社員たちが一番大きな共感と代理満足を感じる部分がまさにここだった。

いくら頑張っても認めてくれないのに、成果は自分たちが横取りし、恩着せがましい上司たち、職場内の職位を利用していじめたり差別する行為、会社が大変で給料は上げられなくても、自分たちは会食にゴルフに運転手がついた車まで。

そして、毎日繰り返される夜勤に出前で食事を済ませても、家族のために退社もできない現実の中で、誰もが経験したことがあって、今も皆が経験している会社員たちの状況を、ものすごい悪口を添えて暴いてくれたのでスッキリするしかなかった。 代理満足(笑)

背任か、配民か

特に、［HYBE］役員陣に対する怒りが絶頂だったが、「ケジョシ(犬+おじさん)たちが、私を一人殺そうとカカオトークをキャプチャーして卑劣に自分を殺そうとしている」と言った。 チンピラに続いてゲジョシまで登場。

そして「제가 병신이어서 가만히 있은 줄 아느냐（私が病身だからじっとしていると思ったか）」、「아니, 이게 무슨 개소리냐고（いや、これはどういうことだよ）」、(ハイブのマスコミプレーのせいで)「그동안 미친년, 개싸이코(개+싸이코) 됐다（これまで狂った女、サイコパスになった）」と今回の記者会見で最高の名台詞を叫んだ。

“들어올 거면 맞다이로 들어와, 비겁하게 뒤에서 지랄 떨지 말고” 
（来るなら来い、タイマンで　卑怯に陰でコソコソしないで）

これくらいになると翻訳をどうするか悩むしかないよ(笑)

これほどミン·ヒジン代表があまりにも独歩的なパフォーマンスを見せているため、記者が尋ねて答える記者会見の基本公式は消え、現場の記者たちさえも没頭して傾聴中だった(笑)　ほぼ130分を一人で騒いだ彼女は、ガールズグループに続き記者会見にも新しい革命を起こしたのだ。

もちろん、すべては過ぎたるは猶及ばざるがごとし、過去の言葉が足を引っ張ったり、何気なく言った発言が法廷で不利な証拠になることもあるので、自制する必要はありそうだ。

見守る楽しさだけは明らかだったが、感情や情況に訴えた要素が多かったので、今後大企業［HYBE］との激しい法理争いで勝つにはもう少し明確な根拠が必要だから。

今日は記者会見の内容の中の面白い部分とミン·ヒジン代表のパフォーマンスを中心に見てみたが、次の記事では法理論争になりうる詳細な内容を紹介するよ！