住民登録証シリーズに続き、今回は韓国の民防衛訓練について紹介しようと思う。 今回のパートでは、まず韓国と北朝鮮の現在の状況をきちんと理解する時間を準備したよ。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通り過ぎて日本では大騒ぎになったが、いざ韓国人たちがいつものように落ち着いている理由は、日韓両国で話題だった下の文章で説明できる。
もし韓国や日本で留学をしたり、住んだことがある韓国人や日本人なら、家族と電話でよく経験したことがある状況だろう。
「ニュースで地震(ミサイル)だって? 本当に大丈夫?」
「お母さん、ここは大丈夫だから気にしなくてもいいよ~」
その他にも、韓国に台風の防波堤の役割をする日本と、日本にPM2.5の空気清浄機の役割をする韓国。
お互い相手国の位置について感謝しているが、両国には依然としてお互いの環境を完全に理解できない人が多い現実だ。
今日はその中で、特に韓国と北朝鮮の状況について、”まだ” よく知らない人たちのために準備した記事。
このブログiumでも、映画やドラマでも、ニュースでもよく出てくるが、朝鮮半島の状況についてはっきり理解するために説明しよう。
韓国と北朝鮮は互いに戦争をした
朝鮮と大韓帝国、1つの国だった朝鮮半島は、1945年の日本からの解放後、南北に分かれた。
政府をどのように構成するかで激しい内紛を起こした朝鮮半島は、アメリカの支援を受けた韓国と、ソ連の支援を受けた北朝鮮に分かれて各自の政府を樹立し、結局1950年6月25日に北朝鮮の南侵で戦争をすることになる。
この戦争を韓国では主に“6.25(육이오/ユギオ)” と呼び、外国では “韓国戦争(朝鮮戦争)” と呼ぶ。
他の有名な戦争より期間は短かったけど数百万人が死亡した熾烈な戦争だった。
“終戦” ではなく “休戦”
1953年7月までの3年間続いた朝鮮戦争は、結局誰も望む結果を得ることができないまま止まった。 この部分が重要だが、“終わったのではなく止まった”。
“終戦” ではなく “休戦”
ここで多くの誤解と錯覚が生じている。
互いにこれ以上の被害を防ぐためにしばらく戦うことを止めた休戦であって、戦争をやめることにしたのではない。
その後も数十、数百回の小さな挑発と戦闘が続いたが、本格的な “全面戦争” が数十年間なかったため、ほとんどの人々は戦争が終わったと認識しているだけで、1950年以降、現在も韓国と北朝鮮は戦争を止めたことがない。
今は退いた文在寅前大統領が在任期間中に “終戦交渉” をあれほどしようとした理由が、まさにこのためだ。 完全で、実質的で、文書化された、”実際の終戦” を実現させたかったのだ。
もちろん、その計画は失敗し、2022年の朝鮮半島の空には依然として北朝鮮のミサイルがどこかに飛んでいる。
休戦の意味は言葉通り、戦争をしばらく休むことで、その期間や方法に対するいかなる規定もないため、明日から南北が再び戦争を始めるとしてもおかしくない状態だ。
そんな状態で70年。
3年間戦って70年間の休戦中の状態だから感覚が鈍くなっただけで、依然として “休戦” 状況というのは変わったことがない。
韓国と北朝鮮もドイツのように統一すればいいのではないか?
韓国の状況と似ている国として、ドイツの話をよく聞いたことがあるだろう。
その時によく登場する質問、韓国と北朝鮮もドイツのように平和に統一すればいいのではないか?
1つの国家だった国が、アメリカとソ連によって東ドイツと西ドイツで数十年間分断され、1990年に統一したから朝鮮半島の統一について話す時も、必ず出てくる素材だ。
朝鮮半島の状況と非常に似ているようだが、私たちが忘れてはならない大きな違いがある。
最大限シンプルに簡単に表現してみると、ドイツの場合は力の強い兄弟がいるが、周辺地域の子どもたちを殴って事故を起こさないように兄弟を分離させたと例えると、
韓国の場合は力の弱い兄弟が互いに殺し合うように戦うのに、本当にどちらが死んじゃいそうなので兄弟を分離させたと考えればいいだろう。
一見かなり似ているようだが、根本的には大きな差があるのだ。
ドイツの場合は兄弟間は問題が全くなかったし、韓国の場合は兄弟間の感情が非常に悪化していたから相手に対する感情から次元が違う問題なんだ。
自分の祖父、父、母、あるいは家族のうち誰かが北朝鮮軍に殺された、逆に韓国軍や米軍に殺された、 このような場合が非常に多いので、その出発点自体がドイツとは差が大きくならざるを得ない。
私の家族も、母方のおばあちゃん、おじいちゃんが北朝鮮出身で、朝鮮戦争の時に多くの家族が亡くなって、辛うじて韓国に避難してきたケースだよ。幼い時、母方のおじいちゃんが北朝鮮軍を避けてトイレに隠れていた話をしてくれたことを思い出す。
特に朝鮮戦争で数百万人が亡くなったが、特に民間人が多く亡くなった戦争であり、当時韓国人の8分1が亡くなったという統計があるほどだ。
問題は、1953年の休戦以降も数百回の挑発と衝突の中で、多くの軍人と民間人が相次いで亡くなっため、相手に対する感情の溝が深いのだ。
統一は必ずしないといけない?
それでも1つの民族で、同じ “韓民族” だから、私たちは統一をしなければならないと強制的に洗脳されてきた世代が多くて、「私たちの願いは統一(우리의 소원은 통일)」という歌を知らない韓国人がいないほどだ。
でも、今は韓国人の認識が大きく変わった。これ以上 “当たり前のように” 南北が統一しなければならないという考える人がかなり減ったのだ。
最近の世論調査を見ても、若い世代の場合は統一に反対する場合が多いほどだ。
状況は違うが、ドイツの統一過程でかかった莫大な金額の “統一費用” の問題も見守ったため、さらに反対するのだ。
「なぜ私たちの税金を北朝鮮に与えなければならないの?」という認識というか?
さらに最近2000年代だけをみても、2002年の日韓W杯の真っ最中だった2002年6月、北朝鮮軍の攻撃で若い将兵6人が戦死、18人が重軽傷を負ったが、W杯の熱気に埋もれて彼らの犠牲は隠さなければならなかった。
映画『ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(연평해전)』(2015) のポスターに、W杯街頭応援の姿が映る理由は本当に悲惨な現実だ。国民は韓国サッカーのW杯ベスト4進出に熱狂している時、彼らは黙々と自分の任務を遂行して死んでいかなければならなかったからだ。
その後も北朝鮮の挑発は止まず、2010年3月の天安艦襲撃事件の時は、46人の将兵が一瞬にして海の中に消え、何とか彼らを探すために捜索作業をしていた民間人と軍人10人も死亡または行方不明になった。
同じ年の2010年11月には西海延坪島砲撃事件で再び2人の若い将兵が死亡。
このように最近の北朝鮮軍の挑発は、ミサイル試験だけではない。 外国はもちろんだが、韓国人の無関心の中でも韓国の若い将兵たちは依然として北朝鮮と戦争をしている。
今年だけで3機の戦闘機が訓練中に墜落し、5人の操縦士が死亡したが、あの若い軍人たちの家族に「韓国は平和だ」と言えるだろうか。
北朝鮮と韓国は韓民族だから「統一をしなければならない」と強要できるだろうか。
明らかなのは1953年以降も依然として、韓国は北朝鮮と戦争中で、数十万の若い将兵たちは今この瞬間にも国民が韓国は “休戦” 中の国家であることを感じないように、自分の任務に忠実に取り組んでいる。
彼らの犠牲があるからこそ、私たちが北朝鮮のミサイルを笑いながら話せるというだけだ。
“朝鮮戦争はまだ終わっていない”
現在の韓国戦争の状態について基本内容を紹介したけど、次の記事ではこれによって毎年実施される韓国の民間防衛訓練について本格的に話すよ。