今日は気軽に視聴できるドラマを1本ご紹介しようと思う! 1月から放送中のNetflixドラマ『イルタ・スキャンダル』。 韓国の塾の文化が出てくる無難で平凡なロマンチックコメディージャンルを推薦する理由を話すよ!
最近の【江南シリーズ】の記事を読んだら理解しやすいドラマだよ~!
※【江南シリーズ】の記事の紹介はこの記事の最後へ★
ありふれたロマンスドラマ
ドラマ『イルタ・スキャンダル』紹介
2023年1月14日から放送中のtvN土日ドラマ『イルタ・スキャンダル』は、韓国の入試地獄に遅れて入門した惣菜屋の女社長と大韓民国の私教育1番地で星になったスター講師との、甘くてほろ苦いスキャンダルを扱った話だ。
家族のために国家代表をあきらめたハンドボール選手出身の母親と、みんなが羨む年俸トップ数学講師のロマンス。
子どものために苦労する母親は世間知らずで右往左往し、人気のスター講師は傲慢だが、ヒロインの人間的な魅力に陥り、愛し合うようになるという過程が十分予想できるストーリー。
ドラマの紹介やシノプシスを見ると、ありふれた内容だよね(笑)
すべてが続く
初視聴の感想も予想と変わらなかった。
“どこかで見たような慣れ” そして “十分予想される展開過程“。
それでもこのドラマを紹介する理由は私たちのブログ[ium]の愛読者たちには役に立つと思うからだ。
これまで[ium]の記事で紹介した内容がたくさん出ていた。
ある瞬間「え? あれ!」、「あの文化の説明したのに~」って思いながら見てた(笑)
記事で足りなかった部分を映像を通じて補うのもとても良い学習だと思う。『イルタ・スキャンダル』は、韓国を象徴する教育熱と江南の歴史、アパート文化、おかずで始まる食文化まで[ium]の多くの記事とつながっている。
[ium(이음)]の意味 “つながる、連結する” のように、これまで文章で学んだことが総合的につながっているドラマだ。
これまで重いテーマの作品が多かったから、軽く休憩するコーナーとして軽い気持ちで視聴すればいいと思う。内容は単純だが、俳優たちの演技が上手で面白い~(笑)
ドラマを通じて復習する時間が来たよ~ さっそく視聴してみよう!(笑)
『イルタ・スキャンダル』の基礎情報
ドラマの基礎情報
放送チャンネル | tvN |
放送期間 | 2023年1月14日~ 土・日 午後9時10分~(16話) |
ジャンル | ロマンティックコメディ、ヒューマン、ミステリー |
演出 | ユ・ジェウォン |
脚本 | ヤン・ヒソン、ヨ・ウンホ |
出演 | チョン·ドヨン、チョン·ギョンホ、イ·ボンリョン、チャン·ヨンナム、キム·ソンヨン、ファン·ボラ 他 |
視聴年齢 | 15歳以上 |
大げさに韓国の教育文化が込められていると言ったが、ロマンチックコメディーは絶対面白くなければならない。
ユ·ジェウォンPDは『ハイバイ、ママ!』(2020)、『海街チャチャチャ』(2021)、ヤン·ヒスン作家は『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』(2016)、『一度行ってきました』(2020)など、ロマンチックコメディージャンルで何度も良い結果を出したが、『イルタ・スキャンダル』は2人が『ナイショの恋していいですか!?』(2014)、『ああ、私の幽霊さま』(2015)に続いて3番目に協業する作品だ。
特にヤン·ヒスン作家の場合、韓国シチュエーションコメディの伝説と呼ばれるすべての作品に参加した、“面白さ” だけは信頼できる作家だ。
呼吸がよく合うロマンティック·コメディ専門監督と作家なら基本は押さえてるはず!(笑)
出演陣を見ると、ヒロイン俳優のチョン·ドヨンが意外なキャスティングだったが、キム·ウンスク作家の『プラハの恋人』以来17年ぶりにロマンチックコメディージャンルに復帰し、相手役俳優チョン·ギョンホは最近『刑務所のルールブック』、『賢い医師生活』シリーズで、以後最近作『ライフ·オン·マーズ』(2018)で人生最高演技という評価を受けたほど着実に成長している俳優。
そして学生たちのお母さん役でチャン・ヨンナム、キム・ソンヨンなどしっかりとした演技力の俳優たちが登場するのでキャスティングだけは安心しても良い(笑)
最近よく感じることだけど、大体の韓国の子役は演技を基本は押さえているから、学生役の俳優たちもOK~!
このドラマはtvNとNetflixで同時送出中だ。初回視聴率は4%台で多少低かったが、口コミで視聴率が急上昇している。最近の回の13%突破で、現在まで2023年最高視聴率ドラマに登場。
序盤は平凡で無難だという評価だったが、話が進み、さらに良い反応を得ている。
最近のジャンル物ドラマの流行でドラマに重みのあるメッセージを盛り込もうとして失敗したケースが多かったので、むしろ軽く集中できていいという評価。
もちろん常套的な要素が多いが、俳優たちの演技力で十分説得力を見せているので、この程度なら十分に見応えのあるドラマだと思う。毎回真剣なドラマばかり見るわけにはいかないじゃない?(笑)
韓国では “豚肉炒め(제육 볶음)” みたいなドラマでうたっている。誰でもその味を知っていて、よくあるけど根強い人気がある食べ物(笑)
リアルタイム韓国の教育文化
イルタ講師
ドラマタイトル『イルタ・スキャンダル』の “イルタ(일타)” の意味は、韓国の学生たちが塾で一番人気のある講師を呼ぶ略語だ。
[イルタ講師=1(일:イル)位スター講師]
有名塾や講師の授業は大学のように受講申請競争が激しいが、人気があって一番最初に受講申請が締め切られる講師を “イルタ講師”、“スター講師” と呼ぶ。
塾街として有名な江南の大峙洞(デチドン)のようなところでイルタ講師といえば、当然韓国で売上1位を記録する講師を意味し、これは他の講師に比べて講義能力がはるかに優れているという意味でもある。各塾や科目ごとに有名なイルタ講師がいる。
韓国史を勉強する方はチェ・テソン(최태성)!!! この名前だけ覚えればいいよ!(笑)
塾街も時代の流れによってオンライン中心になり、全国的な人気の塾やイルタ講師が独占をする構造に変わったことで、いわゆる “スター級” の有名塾や講師は、過去とは異なり、その売上と影響力が凄まじいものになった。
ブログとYoutubeの購読者数がそうであるように、1位が1位を作る構造なので塾業界も競争が非常に激しい。それでドラマの男性主人公の名前もチェ・”チヨル(치열)”(笑) ※チヨル(치열)…韓国語で “熾烈” の意
韓国で一番多くのお金を稼ぐ1987年生まれ
ドラマの男性主人公チェ·チヨル講師は、韓国で有名な “ヒョン·ウジン(현우진)” 数学講師がモデルだ。
各地域別、塾別、科目別のイルタ講師がいるとすれば、ヒョン·ウジンはこのすべてを統合した韓国の私教育全体のイルタ講師。2023年現在、修学能力試験(大学入試試験)の全科目でオンライン受講生数1位。
高校生たちが歴史偉人の名前を知らなくてもヒョン・ウジンの名前を知らなければ数学を諦めたというくらい。
米名門大学スタンフォード大学数学科出身のヒョン·ウジンは、韓国の私教育を代表する塾 “メガスタディ(메가 스터디)” の数学講師で、実力はもちろん秀麗な外見と話術で、彼のインターネット講義は全国の受験生の間で必ず受けなければならない講義として通じている。
塾の年俸だけで約200億ウォンに、直接製作した教材の販売収益が毎年数百億ウォン台。 韓国の学生たちの数学教科書と呼ばれるヒョン·ウジンの教材「ニューロン(뉴런)」は毎年100万冊が販売されている。
1冊当たり3万ウォン台なので、教材の販売額だけでも年間300億ウォンに達する。 書店ではなく直接販売なので、ほとんどが収益。
ヒョン·ウジンは江南(カンナム)の中の江南と呼ばれる清潭洞(チョンダムドン)の “ザ·ペントハウス清潭” に居住しているが、2022年に政府が発表した公示地価170億ウォン基準で、韓国で最も高い共同住宅(アパート)だ。
当ブログ[ium]で紹介した防弾少年団RMとジミン、俳優ソン·ジュンギ、BigbangのG-DRAGONの家 “ナインワン漢南” が2位、防弾少年団ジンと俳優キム·テヒ、ソ·ジソプ、ハン·ヒョジュの家 “漢南ザ·ヒル” が4位。
居住する家の他にも江南大峙洞などに1000億ウォン台と推定される数軒の建物を所有しているという。
全体売上高と関連産業の売上を考えればドラマの中の “1兆ウォンの男” という言葉が完全な虚勢ではないのが、美術品競売に100億ウォンを超えるお金を使い、江南で駐車する所がない時に自分の建物を探して駐車するというほどだから(笑)
“韓国で一番多くのお金を稼ぐ1987年生まれ“と呼ぶ理由があるのだ。
[ium]で紹介した江南の不動産記事をおすすめするよ~!
大峙洞の塾街の現在は?
ドラマが話題になると色々な記事と意見が登場したが、大峙洞(デチドン)の現実がリアルだという意見と、現実とかけ離れた描写という批判も続いた。
代表的な場面が1話の塾の登録の行列の場面で、塾の登録のための番号札をもらうために保護者が長い列を作った様子が出てくる。
[ium]でも紹介した韓国の教育熱を象徴するこのシーンは、批判世論や保護者からの抗議に押され、今ではだいぶ消えていったそうだ。
最近、ほとんどの大型塾は講義予約および登録をオンラインで実施しているが、メールで事前に時間を告知した後、アイドルコンサートのチケットを購入するように早い者勝ちで予約する方式であり、オンラインシステム構築が難しい中小規模の塾や成人用の考試学院の場合には依然として夜明けから行列をしなければならないという意見もあった。
登録が無事にできたら、授業での前の座席取りするための行列は仕方なく相変わらずで。
オフラインの列からオンライン先着順に変わったんだけど、コンサートのチケッティングをしたことある人は分かると思うけど、これも簡単ではないㅠㅠ
そして問題解説の場面で、数学の1番の問題を解くことを指摘した人が多かったが、配点が低く難易度が高い1番の問題よりは普通、難しい3点の問題から解説をするという意見と、
実際の塾はできるだけ多くの学生が受講できるように作られているから人が通るのも大変で、机の間隔が広すぎるという意見、
ほとんどの学生が学校の体育服やトレーニング服のような楽な普段着を着るのに、制服を着ていてぎこちないという意見まで、みんな経験したことがあるから指摘事項が殺到した。
正確な考証ではなくても、ドラマ的許容で見てもよさそうな指摘だよ(笑)
韓国の学生たちが使う言語
내가 왜 성공했을까? 재능일까, 노력일까, 운일까? 셋 다지.
私がどうして成功したんだろう? 才能なのか、努力なのか、運なのか。 3つ全部だ。얘들아, 붕어빵처럼 살면 안 돼. 누군가 와서 뒤집어주겠지 하는 생각으로 살면 다 타죽어.
講師 ヒョン·ウジン
みんな、たい焼きみたいに暮らしたらダメだ。 誰かが来てひっくり返してくれるだろうという考えで生きると、みんな焼けて死ぬ。
最近、韓国の人気アイドルグループ “ニュージンズ” の人気に歩調を合わせて、自分のことを “ニゥジンス”(ヒョン·ウジンの発音をゆっくりすると似ている)と呼ぶというヒョン·ウジン講師は、ドラマの中のチェ·チヨルの性格や行動とよく似ているという。
気難しいながらも面白く、偉そうにしながらも学生たちの立場をよく理解する講師。
だからイルタ講師なのだろうが、ドラマのチェ·チヨルと保護者、学生たちが使う言語もリアルで面白い。
視聴していると、現在の韓国の流行語や略語を身につけるのに役立つのではないかと思い、このドラマを紹介している。
前回のドラマ『財閥家の末息子』の解説記事(リンク:『ウ·ヨンウ』を超えた2022年の韓国の最高人気ドラマ)で、”イセンマン(이생망:今世は終わった)” という略語を紹介したが、塾や学生たちがメインなので今回のドラマは若い韓国人たちが使う表現がよく登場する。
これまで[ium]で紹介してきた江南(カンナム)の不動産やアパート文化、そこに込められた有名人の暮らしや韓国の教育熱を復習できて、韓国語の試験に直接的な助けにはならないだろうが、生き生きとした現地の人たちの単語くらいは学べるのではないかという考え。
ドラマも面白さが重要なように、学習も楽しさが重要~!
ドラマの内容のように軽い気持ちで、ご飯を食べる時や寝る前に見るには良さそうなのでオススメ! レビューもできれば軽く準備してみるよ~! マンカンブ~(많은 관심 부탁해~:多くの関心をお願いします~!)