以前の記事では、韓国の学生が主に使う略語と流行語について学んだけど、デジタル時代の流れに合わせて全く新しい方式の新造語も登場している!ハングルの破壊という状況が起きているそうだけど、どういうことなのか調べてみよう!
当然だけど、新造語にも流行の流れがあるよ~!
新造語は誰が作るのか?
デジタル時代と流行語
前回の記事(リンク:流行語①)を通じて、日常生活の身近な単語を場合か略すケースからオッチョルTVなどの突拍子もない流行まで、多様な略語と新造語を紹介した。
こうした流行はデジタル時代の流れに沿って、いわゆる “インターネットミーム(Internet meme)”で話題になると、より速く広く広がっている。
平凡でありふれた文章“스불재(スブルジェ:스스로 불러온 재앙(自ら招いた災い))” の場合、歌の歌詞というだったのに、当時人気だった『복면가왕(覆面歌王)』という番組で王座を獲得した歌手ハ·ヒョヌの初登場曲だったので、韓国人には強い印象として残った。
初登場曲、最初のフレーズの歌詞が스불재(スブルジェ)。
※복면가왕(覆面歌王)… 誰なのか分からないように仮面をかぶって歌対決をして実力だけで毎週王を選んだ後、その王同士が対決して1年の王を決めるアメリカとヨーロッパにも輸出された人気番組
雄大な導入部と哲学的歌詞で有名な韓国ロボットアニメLazencaの主題歌「Lazenca, Save Us」。この歌は日本のプロ野球ファンも聞いたことがある歌だ。
韓国プロ野球の “Save” 新記録保持者で、日本阪神タイガースのストッパーとしてセーブ王に輝いたオ·スンファン選手の登場曲。
“ラスボス” と呼ばれた抑え投手にはぴったりのタイトルの歌だった。
いい歌と実力のある歌手だから、元々は歌手ハ·ヒョヌと歌の人気で終わればいい状況だった。
しかしカラオケでこの歌を歌っていた人がモニター画面の写真をインターネットに載せ、”スブルジェ”はインターネットミームになった。
韓国のカラオケは映像のテーマを選べる機能があるが、アニメキャラクターポロロの明るい表情と相反するスブルジェの歌詞による奇怪な感じで人気になった(笑)
そうしてデジタル時代が作り出した流行語になった。
韓国料理放送の流行をリードした『냉장고를 부탁해(冷蔵庫をお願い)』という番組の人気とともに “~를 부탁해(~をお願い)” という略語が流行し、
만반잘부(만나서 반가워 잘 부탁해:マンバンジャルブ(会えて嬉しいよ、よろしくね)、만관부(많은 관심 부탁해:マングァンブ(たくさんの関心をお願い)のような新造語も生まれた。
ドラマ『応答せよ1988』(2015)の結末について、“어차피 남편은 류준열(オチャピ ナンピョヌン リュ・ジョンヨル:どうせ夫はリュ·ジュンヨル)” という予想から出た“어남류(オナムリュ)” の人気で、“어차피 〇〇는 〇〇(オチャピ 〇〇ヌン(ウン) 〇〇:どうせ〇〇は〇〇)” シリーズ流行っていたが、
どうせ結果は私が変えられないという若者たちの挫折感を反映した略語で、歌手オーディション番組の興行と共に“어차피 우승은 〇〇〇(オチャピ ウスウン 〇〇〇:どうせ優勝は〇〇〇)” などに変形して拡散した。
そしてビューティーYouTuberたちの活躍と共に、“꾸안꾸(クアンク:꾸민듯 안 꾸민듯(着飾ったようで着飾っていないような))”、“세젤예(セジェルイェ:세상에서 제일 예쁘다(世界で一番きれいだ))”、“애빼시(エペシ:애교 빼면 시체(愛嬌を除けば死体)” のような外見と関連した流行語も生まれた。
このように、幸い由来でも分かったり、時代像を反映した新造語は理解しやすい方だが、ある瞬間から外界語のような用語が画面を埋め始めた。
世宗大王が緊張し始めた次元の違う新造語の登場(笑)
最近流行っているハングル
当時話題だった上の写真にある韓国製品の共通点は何だろうか?
映画『パラサイト』で有名になった“タヌキ(ノグリ)ラーメン(너구리라면)” と 伝統の“パルドビビン麺(팔도 비빔면)” 、そして西洋でも人気の飲み物“すりおろした梨(갈아만든 배)”。
ラーメン、ラーメン、飲み物? 変な組み合わせだが、共通点は商品の名前にある。
まず辛さを強調したノグリラーメン限定版のアングリーRtAをよく見ると、どういう意味かわからない”RtA”という英語が書かれているが、
RtAは西洋でノグリラーメンを呼ぶニックネームで、ノグリラーメンのハングル表紙のノグリ(너구리)をひっくり返すと英語の “RtA” に見えるからだ。
外国のオンラインショッピングサイトでは農心ノグリ(너구리)を “RTA Neoguri” と並行表記するほど広く知られている点を活用したネーミングマーケティング製品。
似たような事例で有名な製品が、右側にある梨飲料 “すりおろした梨(갈아만든 배)” だが、
発売から20年以上経ったこの飲み物は、2016年にオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で実験した結果、二日酔い解消に実際に効果があるという内容がオーストラリアの雑誌に紹介され話題になった。
商標のハングル “梨(배)” が英語の “IdH” のように見えることから “IdH飲料” という愛称で呼ばれているが、今でもアマゾンのショッピングモールでIdHで検索すれば製品を見つけることができる。
ハングルと英語の類似性がマーケティングポイントになった製品。
アルコール代謝を促進し吸収を抑制する酵素が入っていて二日酔い解消効果があるのは事実だけど、豆もやし成分の方が効果が大きいというから豆もやしスープを食べよう~!(笑)
本格的なハングル破壊
ファンシューマーの流行と八道ビビン麺
これらとは違ってハングル自体の類似性をマーケティングに活用した製品が “パルドビビン麺” だ。
韓国を代表するビビンラーメン“パルドビビン麺(팔도 비빔면)”は発売35周年を迎え、韓国の若い世代が呼んでいた名称をそのまま使った新製品を発売し話題になった。
“괄도 네넴띤(クァルド ネネムティン)”
“パルドビビン麺(팔도 비빔면)” と “クァルド ネネムティン(괄도 네넴띤)” を遠くから見ると似ているハングルの字母の類似性を活用した言葉遊びをそのまま製品に反映(笑)
発売から35年も経って古臭いという感じだった製品のイメージを一気に変えたマーケティングで、様々なパロディが流行するほど大成功。
当時「これ本当?」、「エイプリルフール半端ない?」という反応が出るほど大好評だった(笑)
“ハングル破壊” を正式製品名に採用した製品で、既成世代やニュースでは大騒ぎでしたが、若い世代は大歓声だった製品で、
発売初期、ハングルを心配する各種記事やニュースは、新世代のファンシューマー(Fun+consumer、面白い消費を追求する消費者)感性を刺激したファンマーケティング(面白さを活用したマーケティング)の代表的な成功事例に評価が変わった。
クァルドネムティンとすりおろして作ったIdH、アングリーRtAの全てが消費者の手で作られ、話題になってきた別称を使用して消費者により身近で面白く近付く効果を生み出し、様々な類似マーケティング製品があふれ出たが、
“짜장면・ 자장면”(ジャージャー麵をどう表記するか) の標準語論難が数十年間続くほど硬直したハングル使用文化が大転換を成し遂げ始めた時点だ。
独創的な文字であるハングルに対する自負心が大きいだけに、ハングル破壊に対しては非常に保守的な文化だった韓国では異例のことだった。
“野民正音(ヤミンジョンウン)” をご存知ですか?
읶메뜨(ウィメトゥ) -위메프(ウィメプ)※オンラインショッピングモール
가격 따괴 (カギョク ッタグィ)- 가격 파괴(カギョクパグィ)価格破壊
상뚬(サントゥム) – 상품(サンプム)商品
띵작(ティンジャク) – 명작(ミョンジャク)名作
“クァルド ネムティン” のヒット以後にあふれたファンシューマー(ハングル破壊)商品の人気で、インターネットだけで使われていた言語が地上波放送と企業の広報にも使われ始めた。
しかし、もともと好んで使っていた単語ではなく、無理やり作った新造語のほとんどは寿命が短かった。
上の写真のケーキの名前“ティンザック(띤작)” はもともと好んで使っていた単語だったので好評だったが、ショッピングモールのウィメフの新造語は流行に便乗して作り出した強引だという評価を受けた。
ネーミングだけでなく、ファンシューマー製品の流行に一線を越えた企業はむしろ批判を多く受けた。牛乳の形のボディローションは本当にとても危険な発想(笑)
このようにハングル変形遊びの基本は、文字の形が似ている子音と母音を使って単語を作ることで、その変形が奇抜だったり面白く発音も可愛くなければならない。
ネチズンの使用で慣れた単語が好きなのであって、ウィメプのように無理やり強要したり発音が難しい新造語は拒否されるのだ。
韓国ではこのように作られたハングルを”ヤミンジョンウム(야민정음:野民正音)“と呼ぶ。
世宗大王が作ったハングルの旧名である “訓民正音” を変形した名称で、DCインサイドの “野球” ギャラリー(掲示板)から始まったので “野” 民正音だ。
そう、あの”DCインサイド”(笑) 韓国の流行が始まるところだって言ってたじゃん(笑) 次の記事では野民正音について本格的に調べてみよう~!