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百想芸術大賞授賞式③ 【映画部門解説】韓国映画界の危機?! なぜ赤字続き?

韓国の芸能
ペコム
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2023年の百想芸術大賞は俳優パク·ウンビンの感動的な受賞感想と共に終わったが、いつにも増して激しかったドラマ部門とは異なり映画部門では物足りなさが多かった。最近 “韓国映画界の危機論” がニュースによく登場するほどだそうだけど、何が起こっているのか調べてみよう!

おはる
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韓国映画界はうまくいっているんじゃないの?なんだい?(笑)

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危機の韓国映画

豊かな宴が終わって

ドラマ『ザ·グローリー』、『財閥家の末息子』、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のポスター
出典:다음뉴스

〇〇さえなかったら、〇〇が十分に大賞だったのに」という言葉が出るほど、いつにも増して華やかだったドラマ候補作の熾烈な競争の中で終わった2023年の百想芸術大賞。

時代の流れを示すように、今年は歴代初のテレビ部門演技賞の候補に地上波ドラマが1作も挙がらないほど地上波放送局ドラマは低迷に陥っており、Netflixを代表とするOTT業者とYoutubeの躍進はさらに目立った。

このような状況の中で面白い記録が1つ止まったのだが、まさに俳優イ·ビョンホンだ。

俳優ソン·ヘギョと実際の恋人関係にしてくれた2003年のドラマ『オールイン』以後、3連続で続いた、“イ·ビョンホンのドラマ出演=百想芸術大賞最優秀演技賞受賞”の公式が今年で終わった。

ペコム
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ドラマ『オールイン』、『アイリス』、『ミスターサンシャイン』で、出演作すべて最優秀演技賞を受賞したが、今年の『私たちのブルース』は受賞失敗ㅠㅠ

イ·ビョンホンが最優秀演技賞にノミネートされたドラマ『私たちのブルース』
出典:조선일보

イ·ビョンホンは『ザ·グローリー』のパク·ヨンジンが思い出されるほど “悪い息子” の役を本当に完璧な演技で見せてくれたので特に残念な気持ちが残った。

『ウ·ヨンウ弁護士は天才肌』さえなかったら『財閥家の末息子』のイ·ソンミンが大賞だっただろうし、『財閥家の末息子』がなかったらイ·ビョンホンが男子最優秀演技賞を受賞したくらいだから。

ドラマ『ザ·グローリー』、『財閥家の末息子』、『ウ·ヨンウ弁護士は天才肌』の強大な3組に押されたが、『私たちのブルース』『私の解放日誌』も完成度の高い良い作品だ。

前の3作品とは違って “小説” を読む感じがして、穏やかな話で少しゆっくり展開する話が好みの人は鑑賞してみることをおすすめ。

ペコム
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『私たちのブルース』は済州島の方言と早すぎるセリフ、『私の解放日誌』は文語体のセリフと遅すぎる展開速度のせいでiumでは紹介できなかった(笑) 2つの作品とも方言と文語体の台詞そのものがポイントだが、翻訳された字幕ではその味があまり感じられないのと、どちらの作品の進行速度も遅くて…ㅠㅠ それでも最後まで観たら本当に良い作品なので、強くお勧め!

ドラマ『私たちのブルース』、『私の解放日誌』ポスター
出典:파이낸셜뉴스

韓国を代表する俳優のイ·ビョンホンが無冠に終わるほど豊かだったドラマ部門とは違って、映画部門はいつにも増して静かに終わった。

まだ新人級俳優のリュ·ジュンヨルを主演に、新人監督が作った映画『フクロウ』とドラマ『イカゲーム』の俳優イ·ジョンジェの監督デビュー作『ハント』が好評を得てはいるが、大ヒットはしておらず、1200万人の観客で2022年興行1位を記録した韓国映画『犯罪都市2』は単純な娯楽物の後続編映画だったため評価が良くはなかった。

今回の授賞式でも映画『犯罪都市2』の俳優マ·ドンソクの登場シーンだけが話題になったほどだㅠㅠ

ペコム
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ヤクザの授賞式乱入シーンと話題(笑)

レッドカーペットに入ってくる俳優マ·ドンソク

揺れる韓国映画界

2022年の期待作映画『非常宣言』の超豪華出演者
出典:픽콘

理由は2022年ソーシャルディスタンスの解除と共に、超豪華キャスティングを誇る大作が相次いで公開されたが、大部分の韓国映画が残酷なほどの評価を受けたためだ。

そのうち、映画『非常宣言』は損益分岐点500万人に200万人の観客動員で興行大惨敗

『パラサイト 半地下の家族』のソン·ガンホから『南山の部長たち』のイ·ビョンホン、『イルタ・スキャンダル』のチョン·ドヨンと『イカゲーム』のパク·ヘス、『熱血司祭』のキム·ナムギルまで、いずれも演技大賞を受賞したほどのメンバーだったにもかかわらず、観客からの評価は非常に冷静だった。

俳優たちそれぞれの主演映画を作ってもいいほどの出演陣だったが、本当に失敗して本当に “非常宣言” の状態(笑)

ペコム
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この映画の出演者だけが授賞式に参加していたら重みが変わっていたはずだよ(笑)

チェ·ドンフン監督の映画『10人の泥棒たち』と『宇宙+人 1部』
出典:텐아시아뉴스

そこに韓国の娯楽映画興行不敗神話を作ってきたチェ·ドンフン監督の映画『宇宙+人 1部』は昨年、最大製作費がかかったにもかかわらず、損益分岐点730万人に150万人観客動員でさらに残酷な興行失敗。

『二十五、二十一』のキム·テリから『応答せよ』シリーズのリュ·ジュンヨル、『SKYキャッスル』のヨム·ジョンアと『相続者たち』のキム·ウビン、『ごめん、愛してる』のソ·ジソプまで、この映画もやはり超豪華キャスティングだったが、さらに惨憺たるものだった。

特に映画『タチャ』、『10人の泥棒たち』、『暗殺』などで2004年デビュー以後、一度も失敗がなかったチェ·ドンフン監督の歴代級失敗で衝撃がさらに大きかった。

ペコム
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もっと暗たんなニュースは『宇宙+人』の場合、チェ·ドンフン監督を信じてすでに2部まで事前制作をしたということ(笑)

2022年大作映画4本の興行成績表(右からハンサン、ハント、非常宣言、宇宙+人の順/赤文字:観客数 下段:損益分岐点)
出典:KBS뉴스

巨額の製作費がかかった2022年大作韓国映画4本の興行成績表(上)だけを見ても、ソウル光化門で韓国を守っているイ·スンシン(李舜臣)将軍の映画『ハンサンー竜の出現ー』だけが辛うじて黒字だったほど非常に深刻な状況だ。

ちなみに映画『ハンサンー竜の出現ー』は韓国の英雄イ·スンシン将軍シリーズの2作目で、1作目の『バトル・オーシャン 海上決戦』(2014)が韓国史上最多観客数1700万人の映画だということを考えれば『ハンサンー竜の出現ー』もまたどれだけ興行惨敗なのかが分かるはず。

ペコム
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それでもイ·スンシン将軍なので、赤字は免れた状態(笑)結局、2024年に遅れて公開された『宇宙+人』2部は98万人の成績でさらに落ち、イ·スンシン将軍の3番目の映画『露梁:死の海』も460万人にとどまり、赤字を記録して3部作シリーズを終えた。 (2024年現在)

連続赤字行進中の韓国映画『英雄』、『交渉』、『対外秘』、『モンムンイ』
出典:데일리안

2023年現在までヒョンビン、ファン·ジョンミン主演の映画『交渉』と独立運動家アン·ジュングンの映画『英雄』など主題と俳優を選ばずに次々と赤字行進を続けている状況。

この程度なら本当に韓国人に急に何が起こったのか?と思うほどだが、何かがあったのだ。

映画観覧料引き上げ

2D映画大人基準で平日1万4000ウォン、週末1万5000ウォンと1000ウォンずつ値上げされたが、問題はコロナ期間中ずっと値上げを続けてきたことだ。

2020年10,000ウォンだった価格が4000ウォン上がったのだ。2年間で40%の引き上げ

ペコム
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割引が多くて普通7000~8000ウォンだったけど、今は割引もほとんどなくなったので体感では2倍に上がった感じ(泣)

2年間で40%上昇した韓国映画館の観覧料
出典:경향신문

韓国映画危機の原因は?

韓国ボックスオフィスの売上は世界映画市場で4位(2019年基準)の売上に、人口対比観覧回数では世界1位であるほど、韓国人は映画を沢山鑑賞した。

そんな韓国人たちが観覧料引き上げのために映画鑑賞をあきらめたのだろうか?

昨年公開されたハリウッド映画『トップガンマーベリック』と『アバター2』は興行新記録を打ち立てる成績を収め、今年の日本アニメ『スラムダンク』と『雀の戸締まり』の大興行だけを見ても、ただお金のせいだけではない。

ペコム
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代わりに韓国人の評価が以前よりもっと冷静になったんだ。

映画『トップガンマーベリック』と『アバター2』のポスター
出典:아주경제

もちろんコロナで封切りが延ばされた映画のほとんどは、中小規模製作会社の映画が多いため良い評価を受けにくい部分もあったが、巨大な製作費がかかった期待作までも非常に失望したためだと思う。

先程紹介した昨年の韓国最高の興行作『犯罪都市2』に対する評価のように、既存のものを踏襲してお金だけを稼ぐ目的で安易に製作した映画が多かったという評価が多い。

結局最近の韓国の映画は新鮮でもなく、完成度も高くないということだ。

このような現象はOTT業者が製作費を投資する映画やドラマでも目立つが、『パラサイト 半地下の家族』や『イカゲーム』のような韓国作品が大ヒットし、投資費は増えたが、ただそのような似た作品だけが多く量産されている。

ペコム
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同じ費用なら見どころが多かったり、完成度の高い映画だけを見るのは当然の心理ではないか?

映画のポスターを眺める観覧客
出典:중앙일보

映画館に行けなかったコロナ期間中、OTTに慣れた人々の立場では、今は2人が映画を観覧するためには基本3万ウォンで飲み物とポップコーンだけ食べても5万ウォンの支出が必要だが、同じ価格なら『アバター』の華麗なCGを楽しむほうが良いし、変なコメディを観る理由がないからだ。

その程度の完成度の作品はすでにOTTに散らばっているから、家で気楽に見ればいいからだ。

値段が安い時は映画観覧を1つの文化として楽しんだが、今は観覧評やレビューもあらかじめ見て選択的観覧をしていると思う。

俳優たちの身代金だけが上がり、完成度は上がっていないという不満が持続的に出ている状況にもかかわらず、最近の韓国ニュースには “韓国映画を観覧しなければ韓国映画界が滅びる” というふうな報道がよく出ている。

日本のアニメ『スラムダンク』の人気
出典:아주경제

さらに、今年の日本アニメ『スラムダンク』と『すずめの戸締まり』の興行をめぐって韓日対決に追い込む映画界関係者たちのおかしな論調の記事まで。

国境や国籍がないために広がっていった韓流の文化コンテンツを誇ってお金を稼いでいたのに、自分たちの売り上げが減ると鎖国政策を展開しようとする韓国映画界の関係者の発言で、多くの韓国人は冷淡な反応を示している。

アニメであれ映画であれ、日本でも韓国でも面白くしようと見ているのだから愛国心に訴えることなく作品からしっかり作れという意見。

ペコム
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最近公開されている韓国映画は値段の問題じゃなくて時間がもったいない映画が多いよ~!!!

酷評された映画『宇宙+人』ポスター
出典:머니투데이

引き上げられた価格に対する怒りが消える前まで、韓国映画ファンはもう少し冷徹な “批評家” にならざるを得ない状況だ。

製作費400億ウォンの映画のポスターが上の写真のようなら誰が映画館に行くのかと~(笑)

単に観覧料引き上げだけで韓国映画界が危機なのではなく、自分たちが作った映画の完成度のために危機であることを映画界関係者は肝に銘じなければならない。

そうでなければ、今年特に静かだった百想芸術大賞の映画部門授賞式のように、ドラマ部門の成功を見守るしかないからだ。

ペコム
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今回の結論、百想芸術大賞授賞式の映画部門が弱かった理由=最近韓国映画失敗=観覧料も高い!終わり~!(笑)

ーーーーーー<2024年5月 追記>ーーーーーー

2024年、チョン·ドゥファン大統領のクーデターを扱った映画『ソウルの春』と韓国の巫俗信仰を扱った映画『パミョ』が並んで “観客者数1000万人の興行映画” になり、劇場料金だけが問題ではないということを明確にした。 素材が新鮮で面白ければ、依然として興行は可能だ

2024年に千万映画に進入した2つの映画『ソウルの春』と『パミョ』
出典:조선일보

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