前回は、韓国住民登録証の誕生と変遷について解説したよ!今回は韓国人の“マイナンバー” 住民登録番号の仕組みについて話してみるよ。
住民登録番号の数字の意味
朴正熙(パク·チョンヒ)大統領の住民登録番号110101-100001は12桁の番号だったが、任意に番号を付与する方式だったから可能で、1975年以降は無条件に前の6桁は生年月日となった。
生年月日の6桁と、後ろの番号は桁数が1つ増え7桁、計13桁の数字が韓国人の住民登録番号である。
この後ろの番号には一定の規則があり、1番前の数字は男性は1、女性は2で始まる。その後ろの4桁は出生届地域コード(市道コード+町村洞コード)、そして登録順と最後に検証番号という仕組みになっている。
そのため、同じ家族の場合は、同じ家に住んでいる場合は同じところに出生届を出す場合がほとんどなので、後ろの7桁のうち、前の5つまでは同じ場合が多い。同じ役場に申請したから、地域コードが同じなのだ。
上のイメージ図を例に挙げると、この家族は09で始まる地域なので、釜山広域市(コード09)のxx洞(コード99)出身なので、男性家族の場合、10999xx女性家族の場合、20999xxと同じようになるのだ。
ほとんどは6番目の登録順も、その役場の1番である場合が多くて、6桁まではほとんど同じだ。同じ日にうちの近所で何人生まれたかを考えると理解しやすいと思うよ。
このような仕組みなので、家族の生年月日さえ分かれば、家族の住民番号も覚えるのは簡単だ。同じ家族なのに住民番号の後ろの数字が違えば、何か両親を疑ってみなければならない(笑)
この地域コードがあるので、自分の出生地が他人に明らかになってしまうが、問題は韓国には慶尚道と全羅道のように地域感情の対立が激しい地域があるということだ。
韓国の地域感情は慶尚道出身の朴正熙大統領が1971年の大統領選挙で、全羅道出身の金大中(キムデジュン)に僅差で勝った時、金大中勢力を政治的に弱化させるために、わざと地域感情の悪化を助長させたというのが定説とされている。
左の資料の1963年の時は、どちらかというと都市と田舎という感じで分かれていたけど、右の資料の1971年の選挙ではほとんど赤(朴正熙)だけど、ソウルの部分と南西部の全羅道が黄色(金大中)と、明らかに分かれたよ。
釜山のある慶尚道が、経済も発展していて人口が多かったので有権者もその分多く、互いに対立・団結させて投票に有利にしたのだ。
さらに1987年、大統領を国民が直接選ぶ(直選権)民主化運動に成功したが、慶尚道出身の金泳三(キム·ヨンサム)と全羅道出身の金大中(キムデジュン)が互いに譲らず野党候補が分裂し、当初は不利だと考えられていた軍事政権の盧泰愚(ノ·テウ)が大統領に当選し、その後、地域感情の溝が深刻に深まった。
“君たちのせいで軍事政権がまた誕生した!”
この出来事によって軍事政権打倒を叫んでいた民主化運動勢力は二分されてしまった。
朴正熙の死後も軍事政権の立場では、全羅道と慶尚道の地域感情は有利に作用したため、持続的に地域感情を誘発させたのだ。
2000年代に入り、根強い地域感情をなくすために多くの試みをしたが、その中で問題になることの1つが住民登録番号。
入社願書や履歴書に出身地域や住所を書かせなくても、犯罪履歴と身元照会のために提出する住民登録番号だけでも、希望する地域の出身者を選んだり、逆に排除することができたのだ。人事担当者には暗黙のルールがあるほど、一時はその差別が激しかった時期もあった。
最近、韓国には学縁、地縁、血縁を通じた特恵をなくすために “ブラインド採用” がほどんどだが、いかなる形であれ特恵を受けたり不正を犯す人々がいるのを見れば、制度やシステムが問題ではなく結局は担当者の問題ではないかと思う。世の中を変えるためには人々のマインドをまず変えなければならないのだろう。
もちろん、今はこのような地域コードのようなものを、ほとんどの国民は知らないし、関心もない。実際、この記事を書くようになったきっかけの1つは、個人的に衝撃的な記事を見てからだ。
“ 韓国人なのに住民番号の後ろの桁が3で始まるの? 宇宙人!? ”
後ろの住民番号は、男性は1、女性は2で始めるのが当たり前だった時代を生きてきた私だから、2000年代生まれは後ろの数字が3と4で始まるという話を聞いた時は、それなりに衝撃的だった。
何か急に年寄りになってしまった感じというか…世の中は未来に向かっているのに私だけ旧時代に残された感じだった(笑)
今は、私の住民登録番号も申請すれば変えられる世の中になり、2020年に新しい住民登録証が発給されてからは、後の桁の番号体系も変わり、性別の番号以外のすべての番号は任意の番号で発給しているそうだ。45年ぶりに地域コードの完全廃止。
いくら変わったといっても韓国での生活で、何よりも必要なのが住民登録番号だ。
最近は減ってきている傾向だが、依然としてインターネットサイトや携帯電話アプリの会員加入には住民登録番号が必要な場合があり、外国人の場合は非常に不便だろう。
韓国に居住する外国人の場合、外国人登録番号が発行されるが、外国人登録番号では加入できないシステムが多く、便利なIT生活を完全に利用することが難しい場合が多い。
公認認証書をなくせと言ったら新しい名前の認証書を作った! 外国人の立場で最も厳しい韓国サイトの会員加入問題や公認認証書制度は、また次の機会に説明するね!
自動車のナンバープレートが日本と変わった理由
紙の身分証の時代からインターネットの時代まで追いながら、キム·シンジョのせいで生まれた軍隊制度だけでなく、韓国の過去の地域差別問題や最近の未成年者飲酒問題、最近のブラインド採用文化などを紹介した。
その中の1つで、面白い制度の変化の1つは、韓国と日本の自動車ナンバープレートの違い。
過去の韓国の自動車ナンバープレートを見ると、現在の日本のナンバープレートと大差はない。地域名と数字の組み合わせ。
大きさと形も似ていて、文字と数字の配置も似ていた。個人的に嫌いなダサい緑色まで(笑)
韓国の場合、まさにこのナンバープレートが問題で、2004年にナンバープレート方式が変更されたが、最大の原因の1つが、ソウル55で始まるナンバープレート。
自動車ナンバープレートの登録規則も住民登録番号と大きく変わらないため、車両の所在地である広域地域名が一番前に出て、その次は細部地域コード、そして車種と使用タイプによって記号表示し、車両番号が決まる。
もう気づいた方もいるだろうが、“ ソウル+55 ”の組み合わせは、ソウル江南区地域のナンバープレートだ。正確にはソウル江南の中でも “本物の江南” とも呼ばれる瑞草区地域の番号だ。
ソウル+5○で始まるナンバープレートは、ソウルの江南と呼ばれる地域の「区」の番号で、江南区、瑞草区、松坡区などがここに含まれるが、1990年代から2000年初めの間にソウル52とソウル55のナンバープレートが大人気だった。
その中でも見事に同じ数字が繰り返される55のナンバープレートが、金持ちの象徴のようにされてきたのだ。
このため、自動車ディーラーたちは車のオーナーに良い番号を渡すことが能力とされ、富を自慢したい人たちは追加金を払ってでも、江南のナンバープレートをもらうために努力した。数十万ウォンから数百万ウォンまで取引されたそうだ。そこに車両番号まで良ければ数千万ウォンまで上がった。
中国ではお金が入ってくるという意味と発音が似た数字の8が人気で、8が繰り返される自動車ナンバープレートが数億ウォンで取り引きされたというニュースも見たはずだ。
8(八)は中国人が1番好きな数字だそうだ。「八」の中国語発音は「pa(パ)」。
「発」の「fa(パ)」と発音が似ているが、この発字には「發財(お金を稼ぐまたは財産を集める)」の意味が込められており、8が多く入っている番号を所有すればそれだけお金をたくさん儲けると中国人は考えているそうだ。私も中国に2年間住んだことがあったけど、中国のスーパーや市場に行けば、価格表にも8がたくさん入っている理由も同じだよ。
こういったものは普通は後進国型文化ではあるが、韓国でも“成金”たちの見栄と見えない身分差別はあったので、ソウル55ナンバープレートは社会問題になるほどだった。
韓国にある高級輸入車のほとんどが、ソウル55のナンバープレートのために江南地域で登録されたり、いわゆる “ゴールドナンバー” と呼ばれる同じ数字のナンバープレートも特に江南区で多く出た理由は結局 “追加金” だったのだ。 担当公務員との不正が生じざるを得ない構造。
本来は当然、申請順にランダムに番号が割り当てられなければならないのに、担当公務員が追加金を与えた車両の申請書をあらかじめ持っていて、良い番号に順番に割り入れていくのだ。車両販売ディーラーがくれる追加金の金額によって番号にも差が生じたんだよ。
そこに江南のナンバープレートでなくても、日本でもよくあるという他の地域の車両に対する差別のような問題も日常生活で頻繁に発生したため、2004年に地域名表示制度を完全に廃止した。
〇〇地域の車両は運転が荒い、〇〇地域には他地域の車が割り込めば譲ってくれないなどの他地域に対する先入観を与える噂も多かったんだよ(笑)
その後、2006年にはナンバープレートの緑色が車両の美観を害するという点と取締カメラの可読性を高めるために白色をベースに変更され、車両デザインとの調和のために米国や欧州スタイルの横長な形に変更された。
その後、2019年からは次第に車両台数が増え、前の桁の番号が増えるようになり、横長のナンバープレートは必須になった。今では前の桁が3桁の時代(笑)
そこに車両のナンバープレートも単純な統制や規格のためのものではなく、今は美的な部分まで考慮する時代に変わったので、フォントやデザインなど政府が様々な試案を提示し、国民の世論を取り入れて選択する傾向で、ますます綺麗になっていて良かった。
2年前、あの病気の真っ最中だった頃、日本のニュースを聞いて韓国人が驚いた理由の1つが「あれは地域差別ではないか?」ということ。韓国人の立場では、すでに市外局番も消えて久しいので、日本は地域区分ができるナンバープレートということ自体が不思議だった。
最近も感染対策・差別防止のために地域表示ステッカーを配布するというニュースも聞いたが、感染対策も良いが、特定地域を1つにまとめて1つの特徴に区分して個人の自由を制限することは政治にも文化にも非常に慎重にならなければならない問題ではないかと思う。
政府の統制によく従う東洋人の立場では理解できないが、西洋先進国の個人の自由優先主義についても考えてみることが多いと思う。
韓国人がいつまでも北朝鮮を理由に統制されて生きていけないように。
北朝鮮が存在したために生まれた住民登録証の誕生から、韓国生活と文化に及ぼした様々な影響を解説してみたよ! これらは結局、国家のための統制を受け入れる文化だったからではないかと思う。優しい国民だ(笑) 次回はその統制の1つ、韓国の民防衛訓練と軍隊入隊問題について本格的に話すよ。みんな、お疲れ様!