いちばんおいしいキムチ
世の中に存在しないキムチ探し(キムチゲーム)
韓国の象徴ともいえるキムチにはいろんな種類がある。
代表的な白菜キムチを皮切りに、食堂によく出てくるカクテキ(大根キムチ)、チョンガクキムチ、ヨルムキムチ、キュウリキムチ、ネギキムチ、水キムチなど。
韓国人なら当然自信のあるメニュー。
ある日、韓国のインターネットに掲載された文章。
「君たち!キムチの種類をどれくらい知ってる?」
キムチの名前を検索すればキムチでないものを探すのがもっと難しいというものだった。
材料名、〇〇+キムチでグーグルで検索して世の中に存在しないキムチ探し。
「それくらい簡単だよ~」といろんな人がキムチを検索し始める。その中には私も(笑)
これはまさかないよね?と検索してみると野菜は当たり前で、たいていの果物、ナッツ、洋風の材料までキムチレシピが出てくる。
私は軽く果物で始めたのにメロン、オレンジ、スイカのキムチに驚いたし、会心の一撃でバナナキムチを検索したけどあったんだ(笑) だったら韓国にはないマンゴー!…ってやっぱりある。
もちろん正統韓国式キムチとは言えないものも多かったけど、新鮮な衝撃。
キムチの種類はこんなに多様だけど、実は韓国人は材料よりも “熟成” の違いを大事にするようだ。
食堂でよく出てくる、味付けが深く染み込んでいない浅漬けや味キムチ、そして外国人が一番不思議に思う “熟成キムチ” がある。
少なくとも6ヶ月以上熟成した酸味のあるキムチを熟成キムチと呼ぶ。熟成キムチ専門料理店が別にあるほどだ。 こういうところは普通3年以上熟成させたキムチを使う。
酸っぱいキムチなのに酸っぱくない。6ヶ月以内に急いで発酵させた酸っぱいキムチとは酸味が違うので、ゆっくり熟成され酸味が加味された熟成キムチの方がおいしいと言うが、私は絶対食べないキムチだ。
何年も長期保管した食べ物で、値段も高いが意外と好きな人も多い。
いや~食堂の基本おかずのキムチでメイン料理の値段を払うなんて~
いくら考えても詐欺にあってる感じでお金がもったいない気が(笑)
キムチ冷蔵庫が必要な理由
熟成キムチも熟成期間によって価格が変わるほど韓国人は「熟成」の程度に敏感に反応しているようだ。
当然同じ白菜で作ったキムチも、作った時期によって、また熟成期間によって味付けの材料によって異なるため、それぞれの特性に合わせて好んで食べ、酸っぱいキムチも酸味の強さに合わせて別々に分けて食べる文化。だからキムチだけのための冷蔵庫は必ず必要だった。
韓国の家庭には「キムチ専用の冷蔵庫」があるってことは、家に冷蔵庫が2台もあるってこと??
そうだよ(笑)
2011年以降、キムチ専用冷蔵庫の普及率90%以上だから、1人暮らしを除いたほとんどの家庭にあると見ていい。一般の冷蔵庫も日本に比べて大型冷蔵庫を好むけど、キムチ冷蔵庫もやっぱり大型を好むよ。
韓国は汁と鍋を含めて「おかず」と「キムチ」の文化であるため、ほとんどの食堂でメニューを注文すれば、休む間もなく、注文していない色んな種類のおかずがさっさっさ~とセッティングされていくのを見たことがあるだろう。
メインの料理の種類によって若干の違いはあっても、基本のおかずは似ていて、簡単な食事や粉食屋(簡単なのりまき等食べれる食堂)の場合、1、2種類のキムチを基本に、たくわんと各種ナムル、卵焼き、あるいはかまぼこやソーセージ炒めなどが出てきて、メニューが韓食や肉になれば色んな野菜や包む用の野菜が追加されたりもする。
水も有料が多い欧米人には特に驚かれる、このおかずはほとんどがおかわり無料!残さない限り、思いっきりおかわりしてOK!
このようなおかずは家庭でも食べる。毎食、主のメニューが変わっても、基本的な食膳の柱は大きく変わらない。お母さんが作り置きした各種のおかずは、普通は全部なくなるまでずっと食膳にあがる。そのためには、各種のおかずと材料を保管する冷蔵庫が必須だ。さらに色んな種類のキムチまで保管しなければならないから、広い保管場所が必ず必要になる。
日本に比べて比較的広い家の大きさや、アパートの構造、車も大型車を好む傾向だからか、冷蔵庫の大きさが今では800リットルを超え、900リットルが人気モデルにまでなった。ミネラルウォーター900リットルを想像したらすごい量(笑)
絶対に大きく、沢山入らないといけないので、 サムスンとLGの冷蔵庫が同級レベルの時に、どちらが多く入るか、100億ウォンの訴訟を起こしたことがある。熾烈な攻防の末、お互いに訴訟を取り下げし終わった。
家族の構成員が少しずつ減ってきている時代なのに、iPhoneの画面のようにどんどん大きくなっている。不思議なのは、そこそこの小さな家も800リットルくらいはだいたい入ること。
それでも足りないなんて!!!(笑)
キムチの種類と量がね… 多いからしょうがないだよ!
キムチ冷蔵庫の仕組みとキムジャン文化
いろんな種類のキムチを長い間保管するため、冷蔵庫1台では空間が足りない。そしてキムチがいくら熟成、発酵の料理だといっても、温度変化に思った以上に敏感なのだ。
だから昔は温度変化を減らすため、冬は作ったキムチを壺に入れて、土の中に埋めて保管する伝統的な方法だった。冷蔵庫の登場によりその機能は代替されたが、普通の冷蔵庫に保管するキムチはどうやら味が落ちてしまうのだ。
そこで1995年、彗星のように現れたのが「キムチ冷蔵庫」。
壺を土に埋めて保管することに着目し、冷蔵庫内部全体の温度変化を一定に保つシステムだ。これが簡単だが大きな違いがあるキムチ“専用”冷蔵庫の違い。
冷気を循環させる既存の冷蔵庫は、内部の物の配置の状態と位置によって温度の差が大きく、冷蔵庫のドアをよく開け閉めすればその差がもっと大きくなってしまう。
キムチ冷蔵庫は内部全体に冷却コイルを配置して均一な温度を作り、キムチだけ一か所に保管出来るので、キムチが必要な時以外は開けなくていいシステムなのだ。
そうやって誕生したキムチ冷蔵庫は、実際にもその効果は絶大で、韓国の全お母さん達のほしいアイテムになり、サイズはどんどん大きくなり、今ではどれが一般冷蔵庫でどれがキムチ冷蔵庫なのか分からない程にまで。最近はお母さんたちが腰を下げて重いキムチ箱を持たなくてもいい引き出し型スタイルが人気だ。
付加機能で、浄水器機能、自動製氷、炭酸水機能やコーヒーメーカーまでは時代の流れかと思うが、今ではテレビにラジオ、バーコードで在庫把握、オンラインショッピングも可能なものすごい技術たち…
私のお母さんは10年以上使用しても、温度調節のボタンを一回も押してないだろうに、あまりにも賢い冷蔵庫になってしまった時代。
でも不思議なことに、この賢い冷蔵庫に保管されたキムチの方が美味いことは美味しい…
それでも幼い頃、町の人たちを集めてキムチを漬ける時のお母さんの横でもらって食べた作り立てのあのキムチが最高。走り回りながら食べたあの時のキムチの味は、忘れられない。
下の写真のようにキムジャンをする時、お母さんが直接食べさせてくれたキムチが「一番おいしいキムチ」だと思う。
韓国人の味覚のキムチを買うなら、現在韓国販売1、2位のビビゴキムチと宗家のキムチを買うといいよ!