今日紹介する韓国の食べ物はユッケジャン(육개장)だよ!
食べたことある人もいると思うけどユッケジャンの元ネタは “犬” だったって知ってる?ユッケジャン料理の由来と韓国の時代劇によく出る葬儀文化についても紹介するよ!
最近韓国で流行っている新しい弔い方式の “樹木葬” の内容やペコムの実際の経験談も合わせてアップデートした記事だよ!(2023.9月追記分)
葬式のメイン料理 “ユッケジャン(육개장)”
ユッケジャンの由来と材料
認知症の姑が嫁をいじめます。
めずらしい「牛肉のサムギョプサルが食べたい」と言い
雨が降った日に突然、ワラビのナムルを探したり、
ラー油、里芋、卵の解き方、長ねぎの使い方…
食べ物の文句、調理法に対する文句まで
時にはシラフで、時には認知症の姿で
本当に認知症なのか、いじめるための演技なのか…
嫁はとても大変です。
嫁に「お客さんは真心で迎え入れるべきた」
と突拍子もない言葉を残した姑は
しばらくしてこの世を去ります。
葬式の料理の材料を準備していた嫁は
市場のど真ん中で涙をポロポロ流します。
今までの全てのことは
葬式の料理である「ユッケジャン」の材料と調理法。
「ユッケジャン」という単語と「親切なコミュニケーション」を忘れた姑は
そうやって自分の葬儀を嫁にお願いしていたのです。
韓国の有名な料理漫画<食客>のあるエピソード中
朝鮮半島の肉食文化は13世紀、モンゴルの高麗侵攻以降と推定されるが、朝鮮時代までの “牛” は農業の必須の動物だったので、健康な牛の屠殺が厳しく禁じられていた。
それで牛肉を食べるのは難しい状況だが、具合が悪い人がいたり、ばてるほど暑い真夏の “伏日” には高タンパク質の栄養補給が必要だから、犬を捕まえてスープを作って食べていた保養食から出発したのが“ケジャン(개장)”の始まりで、“ポシンタン(補身湯:보신탕)” の由来だ。ユッケジャンの “ケ(개)” は元々犬(개)の意味で犬を食べていたのだ。
現代の韓国では伏日にはサムゲタン(삼계탕)を主に食べるよ。ポシンタン(보신탕)は、韓国人もほとんど食べない料理。
この時、犬肉のきつい臭いをなくすため、辛くて味が濃いヤンニョム(たれ)と長ネギとワラビを入れて煮込み、だんだん犬肉が嫌いな人が増えきて、肉が不足している時、老いた牛の肉を材料として作ったものが “(牛の)肉(ユッ:육)が入ったケジャン”、“ユッケジャン”の始まりだという。もちろん、今となっては、よく食べる料理になった(笑)
食べ物を用意する理由
韓国の葬儀場に弔問に行くと、遠くから来たことに感謝するという意味で食事が用意されている。ご飯とスープ、肉とおかず、餅、果物、お酒などが振る舞われるが、この時メインスープ料理として出されるのが “ユッケジャン(육개장)”。
赤いスープの甘辛いユッケジャンは韓国の葬式で出てくるメイン料理だ。韓国でお客さんに食事をもてなす時はスープが必須要素なので、葬儀場でも結婚式場でもスープ料理は必ず必要。 喪主や葬儀場の状況によってはユッケジャンの代わりに味噌汁で代わりにする場合もあるが、ほとんどはユッケジャンが出る。
結婚式にはカルビタン、葬儀にはユッケジャンが代表的だよ!
韓国の墓参り文化と葬式の方法
墓参り文化と最近の葬式
仏教と儒教が根源にあった韓国では、1990年代までは墓をつくる “埋葬” が80%以上で大多数だったが、2000年代に入り “火葬” が急増、今では逆に80%以上を占めている。
これまで、火葬をしていたのは仏教僧や信者、未婚の青年子女、墓地を買えない人に多くみられたが、最近はほとんどの人が火葬をしているので、今ではむしろ火葬施設が不足している状況だ。
遺灰を保管する納骨堂は増えたが、火葬場を有害施設として嫌悪する認識のため、火葬場の新規設置が難しい雰囲気のためだㅠㅠ
ちなみに韓国では、火葬は “遺骨” にするのではなく、“遺灰” にするよ。
時代が変わり、文化と伝統よりも、葬式の費用の中で一番お金がかかる埋蔵地問題、都市化に伴う埋蔵敷地の不足と死後の管理問題と墓参りなどの現実的な問題により、今では火葬が選択ではなく基本になった。
もちろん、埋蔵地の費用問題もあるが、毎年何回もある墓参りに行かないといけない韓国の文化から移動距離と墓の管理に対する認識の変化が大きな理由じゃないかと思う。
春の “寒食日(한식날)”、秋の “秋夕(추석)” の最低2回は墓参りに行かなければならず、追加で韓国の最大の名節の “旧正月(설날)” 、故人の忌日や誕生日にも行く場合があるので、何人もの故人を参る場合は、これもまた大変…。
特に寒食日や秋夕には、みんな一緒に都市郊外の共同墓地に集まるから、ものすごい交通渋滞で子孫たちはとっても大変だった。
名節の朝に祭祀を行った後、昼休みに墓参りに行くという日程が皆同じなので、混雑は避けられないㅠㅠ
こんな苦労を経験したからか、韓国人たちの墓参りに対する認識もまた大きく変わり、最近の世論調査では、親世代の場合、自身の墓の管理を期待したい人として “子ども” を挙げたが、その次の世代の成人の子どもの場合は、自分たちの子どもよりも “夫婦” 間で管理するくらいを望んでいるという。
韓国式の墓参り文化が子どもの世代まで続くのは、現実的に大変だということを知っているからだろう。
死と葬儀に対する認識も本当に大きく変わったようだ。
都市の外郭地域の火葬場で火葬した故人の粉骨は、ほとんどが都心近郊の納骨堂に祀られるが、最近ではこれも費用問題や子孫たちによる管理問題、環境保護問題などを理由に火葬した粉骨を山や木の下などに骨壺なく埋める方式の “自然葬” や “樹木葬” などの人気が高まっているという。
既存の墓地方式の大きな墳墓や碑石、骨壺などを残すのではなく、できるだけ自然に近く自然に戻る方式で、故人の粉骨を骨壺に入れず、墓地区域に造成された森の地に軽く埋めるのが自然葬で、植えられた木々の下に埋めるのが樹木葬方式だ。
映画『パラサイト 半地下の家族』の解説記事(リンク)で、樹木葬のセリフを説明する時、そして初めてこの紹介文を書く時も、実は私も樹木葬と自然葬に対する概念が明確ではなかった。生きている間、葬儀や墓地について気にしたり関心を持ったことがなかったから。
ただ木が登場して自然に戻るという説明が出てくるから、“自然主義の流行が葬儀文化の方にも進出したんだな” くらいだと思ってあまり気にしなかった!でもそれが私にも発生した(笑) 笑うことじゃないけど、もう笑わなきゃㅠㅠ
初めてこの記事を書く時は想像もできなかったが、最近父の突然の死によって喪主だった私が葬儀方式を決めなければならなかったㅠㅠ
うちの家族の場合、樹木葬に選んだが、初めは年配の家の大人のほとんどは「何それ?」という反応だった。 それだけまだ納骨堂の方式が多いのだ。
新しい方式に拒否感を持つ方々もいたが、葬儀を終えた後、家族の反応がかなり良くて樹木葬や自然葬も大丈夫だと思う。「私たちも樹木葬にしよう」という発言も多かった。
もちろん、やり方によって長所と短所は存在するので、皆さんも日本の基準に合わせて一度くらいは事前に慎重に考えてみることをお勧めする!3日喪をする短い期間、あまりにも急にすべてを決めなければならないから頭が爆発しそうになったㅠㅠ
日本植民地時代の名残
このように現代韓国の葬式文化は、長い伝統と慣習から離れ、次第に簡素化・現代化されてきたが、意外と日本式の葬式文化が韓国で維持されている部分もある。
これは日本の植民地時代だった1934年に、朝鮮総督部が “儀礼準則” を通して韓国人に強要したもので、寿衣(死に装束)は、既存の韓国の伝統葬式では故人の生前に一番良い服だった高価な絹を着せるが、麻と木綿の寿衣に変わり、故人に対する意味を格下げしたことが挙げられる。
最後の道でも金持ちのように高い服を着せる虚礼虚飾をなくす肯定的な効果があったが、今は麻布と木綿の寿衣も等級によって絹の寿衣より高い寿衣を着せている(一一”)
そして遺影の周りにたてていた屏風は、日本の王室を象徴する菊の花の装飾と造花に変わり、遺族がつける腕章とリボンもこの “儀礼準則” にならったもので、遺影を菊の花で飾る方式もまた、この時に始まったものだ。今となっては自然に韓国の文化になった。
特に遺族の腕章の場合は、喪主と慰問客を区別しやすくし、朝鮮人たちの集会を警戒し独立運動を監視するための方法のひとつという意見もあり、韓国人にとってはさみしい由来でもある…。
高宗(コジョン)皇帝の葬儀をきっかけに “3·1運動” という本格的な独立運動が始まったので、朝鮮総督府は韓国人が集まりや集会を開くことを最大限制限しようとしたんだ。
時代劇によく出てくるシーン 3年喪と最近の3日喪
韓国の伝統時代劇を観ると、主人公や重要人物が山の中の掘っ立て小屋のような場所で、1人、白い喪服を着ているシーンがよく出てくる。
他人の協力要請にやむを得ず応じ都市に行ったり、「まだ3年が経っていないので離れることができない」 とも言ったりもするが、主に世間を離れていた重要人物が日常世界に再び戻ってくる場面だ。
こういった場面は、親の墓の前で “3年喪” を行う姿で、“시묘살이(シミョサリ)”と呼ぶ 。
当時の時代には必ず守らなければならない礼法で、両親の葬儀を終えずに俗世に戻るということは、主人公(主要人物)がそれだけ悲壮な覚悟を持ってしなければならないことがあることを示す演出なのだ。
普通この時からドラマのストーリーが本格的に進行されるので興味津々になる(笑) 主人公の “覚醒” を見せる場面(笑)
このような“3年喪” と “시묘살이(シミョサリ)”は、子どもが生まれて親の世話で3年くらい経たないと1人で立てないように、親を離れて過ごそうとするにも3年は恩恵を返さなければいけないという儒教の礼式だ。
しかし3年喪をしないといけないと言った孔子の弟子もまた、あまりにも長いと言うくらい残された者にとっても本当に過酷な方式だ。
家でもない墓地の前で3年も暮らすなんて…
残される自分の子どもに本当にそれを望む親がいるだろうか…
このように、時にはあまりにも過酷な習慣が伝統になったりもし、時には過酷な時代像の反映が伝統になったりもする。
今は納骨堂の訪問もあまりしない雰囲気だから、本当に変わったんだよTT
韓国の葬式の手続きと弔問方法
葬儀の日程と手続きの場合、以前のように1年喪と100日“脱喪” はほとんどなく、最近は仏教式の “四十九日” をする仏教徒以外は、ほとんど “3日脱喪” をしている。
故人が亡くなった日から3日目になる日まで葬儀場で弔問客を受け入れ、3日目になる日に葬式を行い、火葬場に移動した後、納骨堂に祀る順番でする流れ。
最近はほとんど病院で亡くなるため、病院で運営する葬儀場を利用するか、別の専門葬儀場で弔問客を受け入れるが、通常は遺影写真がある 弔問空間+弔問客食堂 が合わさった構造になっている。
葬儀場はだいたい大型病院や市内にあるが、火葬場と納骨堂は嫌悪施設に分類され、都市の外郭にある場合が多い。
葬儀場に着くと封筒に弔慰金を入れて遺族に差し上げるが、弔慰金や結婚祝儀は10万ウォンが一番無難で、親しくない職場の同僚や知人の場合は5万ウォン、親密度が高かったり親戚の家族の場合は2-30万ウォンまで上がる。
弔問客は普通黒系のスーツを着て訪れるが、最近は「訪ねてきてくれただけでもありがたい」という雰囲気で、以前のようにあまり気にしない。
それでもなるべく上のドラマのパク·ウンビンみたいに花柄とか派手な色だけ避ければよい。
遺影の前で故人に花や線香を供えてお辞儀をした後に喪主とお辞儀をして慰労の挨拶を交わす順番だけど、韓国にはキリスト教信者が多く、お辞儀の代わりに祈祷で行うことも多い。
弔問の挨拶を終えるとすぐ隣にある食堂の空間でユッケジャンを食べるが、葬儀場と弔問客の感じは昔は厳粛で悲しい雰囲気だったとしたら、最近は “楽しく過ごそう” という文化に変わって、故人が若い場合や突然の事故死ではない場合には雰囲気も明るくなった。
そして弔問客を迎える準備や出棺過程まで葬儀専門業者がすべてを代わりにしてくれて、火葬に向かう時も金持ちの気分を感じられるようリムジンも乗せてくれる。 お金さえあれば楽になった世の中。
遺族たちは悲しみを鎮めることも難しく、弔問客を迎えるのに忙しいが、あれこれ直接準備しなければならなかった時期よりは確実に楽になったのだ。
死と関連しているので、もしかしたら “伝統” の方式を最も多く維持してきた分野ではないかと思うが、今は死に対する方式も確実に変化しているようだ。
ユッケジャンの紹介文を書いていて、思いがけず韓国の葬儀文化の新しいトレンドを直接経験してみたが(泣)、本当に多くのことが変わったことを確認した時間だった!日本とよく似ていながらも違いがある韓国の葬儀文化について、間接的に経験できる作品を紹介しながらこの記事を終わりにするよ!
みんな健康で長生きして、親孝行忘れないでね~!(笑)
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