ぼくは本当に韓国史初心者なんだけど、本を読んでも難しくて、どうしたらいいかな?
いざ始めてみても、難しく感じるとなかなか進まなかったりするんだよね!今回は歴史学習の最大のポイント「大きな流れを捉える」ために、ざっくりとした韓国の歴史を紹介するよ!まず全体流れを把握してから、時代ごとの細かい勉強をした方が分かりやすいよ!
全ての勉強の基礎となる先史時代のコラムも準備しているからぜひ参考にしてね~★
歴史を大きな流れを捉える
まず、韓国の歴史の時代区分を把握することからスタートです。単純ですが、一番最初にしておくとこれからの学習でとてもスムーズに出来ると思います。
朝鮮半島にはどんな国々が存在していて、どれくらいその国が続いていたのか?
今勉強しているところは全体の歴史のどの部分なのか?
それぞれの時代ごとに勉強するのも良いのですが、例えば朝鮮時代の歴史だけを勉強したくても、朝鮮時代の歴史はその前の高麗時代や三国時代の歴史があってこその歴史なので、歴史の順番通りに勉強した方が理解しやすいかもしれません。
もし韓国の歴史の本などが持っていたら、目次をみてみてね。ページの分量だけでもそれぞれの時代の勉強内容の深さが分かるよ!大まかに区切って全体像を把握してみてね!
それぞれの時代の特徴を把握する
大きな時代を把握したら、次はポイントになる流れを掴んでいきます!
その各時代の中にも、それぞれの特徴や傾向があり、その時代の変わり目に事件や出来事があるとみてよいです。細かいところは分からなくても、大まかに雰囲気をつかむだけでも大丈夫なので、心配しないでください☺
中級レベルになると、政治・文化・生活・宗教などのジャンルごとで更に細かく学んでいく必要がありますが、今回は初心者向けということで、それぞれの時代に起きた出来事などを簡単に紹介します!
あの、本当に難しいと思っているから、教科書的な難しい話はやめてね!
は~い!出来るだけ重要で興味が出てきそうなものだけ集めたよ!
今回の記事では先史時代から統一新羅時代までの歴史を紹介して、次回の記事では、その続きを紹介するね!
先史時代/선사시대
①旧石器時代(紀元前約70万年前頃~)
朝鮮半島にはいつから人が住んでいたの?
はっきりとした年代までは分からないけど、旧石器・新石器時代には人が住んでいたことは、発掘された物(出土品)が証明しているよ!
旧石器時代はその名前の通り、“石器”を使っていた時代を言いますが、実は朝鮮半島で旧石器時代の遺跡が発見されても、学者の中には本当に住んでいたのか?っていう疑問が残っていました。しかし、1978年に駐韓米軍(考古学専攻者)が散歩中にたまたま石器を見つけて、これは自然に作られた石の形ではない!と気づき調査が進み、朝鮮半島にも旧石器時代があったという歴史を証明することになりました。
②新石器時代(紀元前約8000年頃~)
新石器時代か!これも “石器”を使う時代ってこと?
簡単に言えばそうだよ!旧石器と同じく、石を加工した道具を使っていた時代なんだけど、加工の技術が進化して、もっと滑らかに削ったり(磨製石器)、道具の種類も多くなったよ!
新石器時代のと旧石器時代の大きな違いは、人々が定着して住むようになったこと。そしてその場所で簡単な農業を営むようになりますが、これを “新石器革命(신석기 혁명)”と言います!新石器時代の一番のポイントです!
他には土器を作ったり、日本とも交流をしていたり、アニミズムやシャーマニズムなどの信仰も生まれました。
これ、底が尖っているけど安定するの?
安定しないよ!この土器は底の部分を土に埋めて使用するタイプだからこんな形だよ!実際に土器作りや陶芸をしたことがある人は分かると思うけど、こんな綺麗に形を作るのは本当に難しいんだよね。模様までついているし!
③青銅器時代(紀元前2000年~紀元前1500年頃)
青銅器時代は、“青銅器”を使っていた時代ってことであってる?
そうそう(笑)でも青銅器は貴重な物だから、祭祀用や装飾品などに使われていたよ。柔らかい素材だから農機具にもあまり向いていないし。
この時期は農業が更に発達し、簡単な稲作が始まります。稲作は、それなりに人員が必要で、あれこれ指示をする現場監督的な人も出てくるでしょう。農業の生産力が高まると、私有財産という認識が生まれ、今までの平等社会が階級社会に発展します。
この時代に朝鮮半島で初めての国「古朝鮮(고조선)」が誕生します。古朝鮮の建国神話はとっても有名です!
他にも青銅器時代を代表するものとして“支石墓(コインドル/고인돌)”というお墓があります。当時の有力者のお墓です。ものすごい重さの石で墓を作るから、人員を多く動員できるほど権力もあったということが分かります。
支石墓は世界中にあるんだけど、1番密集しているのが朝鮮半島だよ!日本にも、九州の西北部に朝鮮半島の支石墓の文化が伝わっていて、各地で文化財として登録されているから、ぜひ調べてみてね!
④鉄器時代(紀元前500年~紀元前100年頃)
鉄器時代は“鉄器”の登場だね!
そうだよ!青銅器は形は作りやすいけど耐久性が弱く、主に装飾用として使われたとすれば、鉄は本格的に様々な道具と武器を作ることができたよ!
中国の戦国時代の流移民から伝来してきた鉄の製錬技術。それにより鉄製の農機具が作られて農業生産率はさらにアップしました。また、鉄製武器の使用により征服戦争が活発化し、連盟体がいくつも登場します。
中国との交流も、筆や中国の貨幣が朝鮮半島から出土していることから確認されています!
⑤いろいろな国(連盟体)の登場
国といっても、まだ王権が弱く「連盟体」として考えて下さい。この時代に主に扱う国(小国)は扶余・高句麗・沃沮・東濊・馬韓・弁韓・辰韓などです。南側に位置する馬韓・弁韓・辰韓は合わせて「三韓国」と、まとめて習ったりもします。
今の韓国の公式名「大韓民国」はこの時の「三韓」に由来しています。「韓国」と呼ぶ理由!
ここでは割愛しますが、それぞれの国の政治や経済、文化、社会などの特徴を学びます。
三国時代/삼국시대
連盟国家だった小国がだんだん成長し、新羅・高句麗・百済といった中央集権的な古代国家が生き残り、それぞれが国として制度を整え統治力を高め、領土争いがだんだん激しくなってくる時期です。
特に、大陸(中国)との交流・貿易に有利な漢江(ハンガン)流域を巡って3国の争いが絶えません。
上に示した時代ごとの領土図はそれぞれの国が一番勢いがあった時代を表したもので、4世紀(301年~400年)は百済が、5世紀(401年~500年)は高句麗が、6世紀(501年~600年)は新羅が一番栄えていました。
この新羅は後に3国を統一して、次に紹介する「統一新羅」の時代に移ります。
この時代は国としての基礎である「仏教の受容」や「律令の整備」などをどの時代でしたのか?を基準に、それぞれの王や政策、対外関係、文化などを学びます。
この時代は3国の関係を時代ごとに理解するのが本当に難しいけど、上で紹介したそれぞれの全盛期を理解することが1番のポイント!あえて漢江(ソウル)を地図に表記したけど、漢江を持っている国が一番栄えていたって覚えるとOK!
この3つの国が統一していく過程のポイントは、“同盟”と“戦争”です。
いかに自分の国を安全に領土拡大できるか?
時に同盟を組み1つの国を攻撃したり、時には裏切ってみたり…というのが続くのですが、この三角関係には中国(唐)も登場します。
とにかく理解が難しいこの3国の関係。まずは大きな流れを掴むためには、これくらいで大丈夫!
統一新羅時代/통일신라시대
統一新羅と後三国/통일신라 후삼국
3国時代から続く新羅の歴史を学ぶパートです。統一前の時代を“新羅前期”、統一後の時代を“新羅中期”と“新羅後期”と分けています。
統一新羅の中期(統一後)は、王権が強かったので、地方整備や国学の設置、官僚の土地支給制度、民衆へ土地支給、貴族の経済基盤を弱めるために土地制度を廃止などしましたが、後期にいくにつれだんだんとその仕組みにも限界がきてしまいます。
特に新羅時代から、生まれた時から身分が決まっているから、どれだけ頑張っても高い地位に就くことは出来ない“骨品制(골품제)”という制度があって、貴族や地方の豪族からは不満のもとになっていたよ。
時が経つにつれ、新羅の指導層で内紛が起き王権が弱くなると、特権層に対する不満が高まっていたもともとの高句麗地域や百済地域で反乱が起き、「後高句麗」と「後百済」が登場します。 朝鮮半島はまた分裂します。
もちろんこの3国の統一過程も詳しく説明すると色々と複雑ですが、最終的には918年「高麗」を建てた王建という人が936年に後3国を統一します。
新羅・統一新羅は仏教が栄えていたよ!今でも慶州地域に行けば新羅時代の各種遺物と見どころがいっぱい!
渤海/발해
日本ではあまり習わない歴史かもしれません。698年に朝鮮半島の北部から中国の東北地方にかけて存在していた国です。高句麗人がほとんどで支配層も高句麗人の国です。
一時期は外国から、“海東盛国(해동성국)”と呼ばれるほど栄えていましたが、契丹の侵入により926年に滅亡してしまいます。高句麗の全盛期を凌駕するほど成長した国が、急に中国に吸収され、そしてその頃の歴史記録も少なく、様々なミステリーとして残っています。
その頃、白頭山が大噴火したなどの記録もあるらしく、渤海滅亡の原因の一つと推測されているよ。国と記録まで突然消えて、ミステリーな国だ!
ふぅ~
ざっくりっていっても、ものすごいボリュームだね…。
それぞれの国の始まりとなぜ終わったのか?を中心に大きな流れを紹介したよ!今回の記事では渤海と後三国まで紹介したけど、次の記事では高麗時代から紹介していくよ!