ナ・ヒドの忠告と願い
辛いからと隠さないで
突然だった14話の最後の場面。
제가 어디에 있든 같은 마음으로 앵커님을 응원하고 있습니다
ナ・ヒドのセリフ『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 14話中
私がどこにいても同じ気持ちでキャスターさんを応援します
네가 어디에 있든 네가 있는 곳에 내 응원이 닿게 할게
あなたがどこにいても私の応援を届けるから
結婚の知らせもいきなりなのに応援だなんて。結婚した人がどうして応援するの?!
おぼろげだったナ·ヒドの表情ほど、私の頭の中をおぼろげにしたロマンチックな台詞。
再び回想シーンのトンネルで、ペク·イジンは自分の報道に対する自責で苦しんでいる。
ペク·イジンを起こしてくれたナ·ヒドは、一緒に壁に書かれた落書きを消し、忠告する。
여자 친구로서 내가 충고 하나는 해야겠어.
ナ・ヒドのセリフ『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
彼女として私が忠告をひとつしなきゃね。
힘들다고 숨지말고, 반드시 내 몫을 남겨 놔.
辛いからって隠さないで、必ず私にも分けて
네가 기대지 않으면 나 외로워.
あなたが頼ってくれないと私が寂しい
未来を暗示するようなナ·ヒドの発言。
甘い告白 そして新年の願い
이미 나희도 선수에 대한 객관성은 완벽히 잃었습니다.
ペク・イジン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
すでにナ・ヒド選手に対する客観性を完璧に失いました
ペク·イジンはシン·ジェギョンに甘い告白のように聞こえる部署移動を要請し、社会部所属の記者として働くことになる。
シン·ジェギョンは母としての頼みと、警告にも聞こえる独り言を言う。
뉴스로 희도 가슴에 못질하는 사람은 엄마 하나로 충분하지
シン・ジェジョン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
ニュースでヒドの心を傷つける人は、私一人で十分
シン·ジェギョンの忠告をまともに聞いていなかったのだろうか?
ペク·イジンは忙しい記者生活で、ヒドとのデートもよくドタキャンしていた。
넌 내가 널 얼마나 생각하는지 모를거야.
ペク・イジン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
お前は俺がお前をどれだけ思っているのか知らないだろ
계속 몰라야지
ナ・ヒド『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
知らなくていい
新年の打鐘行事に参加したカップルは、丘に登って久しぶりに甘い時間を過ごし、花火を眺めながら願ったヒドの新年の願いは「カップル料金制」。
いつの間にかドラマもポケベルから携帯の時代に移り、カップル料金制が人気だった時期だ。
通話料金が高くて、携帯電話を持ってても公衆電話を使っていた時代だということを考えれば、カップル料金制システムは破格の条件だったよ。
ペク·イジンが取材したソウル鐘路(チョンノ)の “普信閣(ポシンガク)” は、毎年1月1日0時に新年の打鐘行事を行う場所だが、仏教的意味で33回鐘を鳴らすそうだ。
ソウル地下鉄1号線鐘閣駅の名前が普信閣があるから鐘閣。普信閣を鐘閣とも呼ぶ。
新年の打鐘行事は、付き合って1年未満の甘いカップルでなければ、絶対参加しないことをおすすめする。
凍え死にそうになったり、大勢の人波に押されて本当に “別れちゃうかも”。見つけられない(笑) その代わり、ぎこちない仲でも手はしっかり握って歩けるというメリットも(笑)
光化門の李舜臣将軍の銅像から、清渓川に沿って1ブロックだけ歩いても見えるので、訪問したい方は何かのついでに訪問した方がいい。
本来は朝鮮初期からあった鐘だが、すでに数回の火災で全焼し新しく作った場所なので、歴史的な感興はあまりない場所だ。現在の鐘は1985年に新しく交換したもの。
最近はコロナのためオンラインだけで行われ、最近の実際の打鐘行事は2020年を知らせたのが最後だ。当時韓国の人気キャラクターの「ペンス」が参加した時。
事故共和国
삼풍 무너지고 성수대교 무너진 지 6년밖에 안 지났는데 왜 아직도 이럴까요?
ペク・イジン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
三豊が崩れて聖水大橋が崩れてから6年しか経ってないのに、なんでまだこうなんだろう?
工事現場のクレーン崩壊事故現場に駆け付けたペク·イジンは、遺族の姿が頭から離れない。そして彼の発言、三豊(サムプン)デパートと聖水(ソンス)大橋。
1993年に就任した金泳三(キム·ヨンサム)大統領は、本当に運がなかった。就任後、超大型事故が相次ぎ、「事故共和国」とまで呼ばれた。
第11話にも出てきた1993年のアシアナ航空墜落事故から、マンション崩壊事故、列車脱線事故、旅客船沈没事故、それに都市ガス爆発事故など、陸海空いずれもおびただしい事故の連続だった。
その中でも今でも大韓民国史上最悪の事故が1995年の三豊百貨店崩壊事故だ。 死者だけで500人余りに負傷者が1000人余り。 文字通り惨事。
ソウル江南(カンナム)の真ん中の最高級デパートの建物全体が崩れた。いや、消えた。
設計通り施工せず、任意で建物の構造を変更したことが原因だが、最も残念なのは事前に崩壊の兆候があったにもかかわらず、避難させなかったということ。
事故直前まで崩壊の信号があったが、営業利益を確保したいために持ちこたえ、超大型惨事になってしまった。典型的な後進国型事故だった。
その8ヶ月前の1994年に発生した聖水(ソンス)大橋崩壊事故は、ソウル漢江(ハンガン)の大橋が崩壊した事故だ。橋の真ん中が途切れた。
田舎の橋でもなく漢江の大きな橋が崩れたが、よりによって朝の出勤時間、しかも登校中の学生たちがたくさん乗ったバスが墜落して韓国人たちに衝撃を与えた事故だった。
約30人が死亡したが、事故原因は橋の手抜き工事と手抜き管理。
金泳三政権が運がないというのは、1997年にIMFまで起き、これらすべての事件は必ずしも政府の責任だけではなかったからだ。
※IMF:韓国の外貨不足事態によって韓国経済全体が大危機に陥った事件
過去、数十年間ひたすら経済成長だけを叫びながら急いで走ってきた結果だった。基本や基礎よりは外形と実績だけを前面に出して急いだため、社会のあらゆるところに問題点が積もっていたのだ。 安全不感症。
貧困国で奇跡的な外形の成長を成し遂げたが、中身を丈夫にしなければならないという教訓と悟りを与えた1990年代だった。
映画の中のシーンのような事故が連続で起きた時、「元々こんなに事故が起こるのは普通なのか?」と思うほどだった。 並大抵の小さな事故には鈍くなっていた時期。これらの事故はまた次回紹介するね。
防げる事故だったのでペク·イジンは挫折するが、先輩は犠牲者の事情には鈍く、事件だけに集中しなければならないと忠告する。
全てのことに共感し、痛みを分かろうとするペク·イジンが苦しむと、ヒドは応援し、力になってくれる。
너는 우리가 사는 세상을 더 좋은 곳으로 이끄는 사람이야.
ナ・ヒド『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
あなたは私たちが住んでる世界よりももっと良い場所に連れて行ってくれる人
그러니까 너무 힘들어하지 마. 힘내.
だからあんまり辛くならないで 元気出して
いつも彼を慰めてくれるナ·ヒドが愛らしいペク·イジンの告白。
사랑해. 모든 방식으로.
ペク・イジン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
愛してる どんな方法でも
ペク·イジンが社会部の記者になってから食い違う時間が増えたが、まだお互いに応援する時間。 ナ·ヒドとペク·イジンは幸せな時間を過ごした。
決勝戦で会おう
ナ・ヒドとコ・ユリムは、遠くなった距離ほど心も遠くなってしまう。刺激的な記事による誤解の連続。 お互いを理解して信頼し合うが、徐々に慎重になっていく2人の関係。
ドラマティックな演出のための設定だろうが、技術はさらに発展しているはずなのに、2人のつながりだったPC通信はせず、なぜ電子メールを利用するのか?ともどかしかった。 リアルタイムチャットに国際電話もできるのに、なぜあえて電子メールを待っているのか。
状況によってまんべんなく利用すれば記事などは問題にならなかったはずだが。
ムン·ジウンもバイトしてロシアに行ったし、各種大会の日程まで考えると、ナ·ヒドとコ·ユリムはムン·ジウンよりもよく会うかもしれないし。
何をどう考えたらナ·ヒドが「負けたらお前も売国奴」と言われなければならないのか、無理やりなストーリーの連続にみえたが、2人とも大変な過程を経験してきた。
約束通りマドリード五輪決勝で会い、ナ·ヒドの勝利。
試合を終えて2人は抱擁とともに熱い涙を流す。
미안해 희도야
コ・ユリム『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
ごめんね ヒド
알아, 말 안 해도. 내가 겪었던 거 너도 겪었겠지.
ナ・ヒド『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
分かってる 言わなくても わたしが経験したことをあなたも経験しただろうから
오늘 행복했어.
コ・ユリム『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
今日 幸せだった
나도
コ・ユリム『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
私も
遠ざかっていた互いの距離を再び縮める瞬間。
もう私の応援が届かない
あなたのいる新年、あなたのいない新年
ナ·ヒドとペク·イジンは600日記念旅行を準備する。一緒に選んだ赤いカップルキャリアケース。
今回も幸せの時間は短く、ペク·イジンを待つターミナルのテレビには、2001年のアメリカの同時多発テロのニュースが流れている。そして鳴るナ・ヒドの携帯、ペク·イジンのドタキャン。
한 사람은 계속 미안하고, 한 사람은 계속 채념하는 그런 관계가 넌 정말 괜찮냐고
シン·ジェギョン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
1人はずっと謝って、もう1人はずっと諦めるそんな関係でお前は本当に大丈夫なの
ナ·ヒドは1人で目的地に向かいながら母の言葉を思い出す。 母が言った状況が起きている。
ナ・ヒドは旅行先に到着し、ペク・イジンはニューヨークに到着した。
そしてテレビの中のペク·イジンを眺めるナ·ヒドの複雑微妙な表情。
やっと電話ができたが、ナ·ヒドは我慢しながらペク·イジンを応援し、テロの惨状を目撃したペク·イジンはトラウマに悩まされている。
지금 니가 느끼고 있는 모든 게 네가 성장하는 과정일 거야 힘내
ナ・ヒド『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
今あなたが感じている全てのことは あなたが成長する過程だから元気出して
난 이딴 감정을 성장이라 부르고 싶지가 않아
ペク・イジン『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
俺はこんな感情を成長と言いたくない
더 이상 나의 응원이 닿지 않는다
ナ・ヒド『二十五、二十一(스물다섯, 스물하나)』(2022) 15話中
これ以上私の応援が届かない
遠くなった距離ほど、これ以上ナ·ヒドの応援が届かない。
ペク·イジンと新年を迎えた丘で、ナ·ヒドは1人で新年を迎える。
ナ·ヒドの涙だったのだろうか。 思い出の画面がぼやけて15話は終了。
9月11日撃墜されそうになった大韓航空旅客機
ドラマ放送直後、9·11テロに対する戯画化論議になった場面だ。
人類史に大きな衝撃を与えた惨状を、ただ恋人たちの笑いのための素材にしたと論議となった。
「お前にかっこよく見えるよう服に気を遣った」と言うペク・イジンと、彼を見てナ・ヒドが微笑む場面は、慎重な表現ではなかったと思う。
当時のニュースの状況を記憶している立場からすると、2001年の9·11テロは本当に大きな衝撃だった。戦争やテロに関するニュースは色々見てきたが、その時だけはテレビを見ながら呆然とした記憶がある。
米ニューヨークのシンボルともいえる貿易センタービルがテロに遭った。オサマ・ビンラディンの追従勢力が旅客機をハイジャックしてビルに衝突し、ビルは崩壊。そして数千人が亡くなった。その後アフガニスタンとイラクとの戦争の原因となった。
これくらい知っているから、実感がよく感じられない人も多いと思う。
これまで自由民主主義の代表を自任するアメリカがテロや攻撃を受ければ、通常はアメリカに反対するテロ支援国や団体が「ああ、すっきりする~」と発表するのがほぼ定石だった。アメリカがやられて清々する、もっと攻撃しようという反応だった。
その代表の北朝鮮の場合、上のようなが強気な話しぶりが普通だが…。
「我が国を相手に犯している米国の極悪な犯罪の代価を千百倍として返す」
そんな北朝鮮も、同時多発テロの時はどの程度だったかというと、テロ翌日にはテロ批判声明を発表した。「私たちはやってない」と。アメリカが激怒して絶対に復讐すると言うから、多くの国家と団体が「私は犯人じゃないよ~」といち早く発表したほどだ。
航空機テロが盛んに行われていた9月11日午前、フロリダのある小学校の授業参観中のブッシュ大統領の様子を見れば、その日の状況の深刻さが分かる。
2度目の航空機衝突後、上の場面で緊急報告した内容は、以下の通り。
Mr. President, America is under attack.
大統領閣下、アメリカが攻撃を受けています
以後数十年間、そして現在まで多くの国の歴史と運命を変えた一言。
緊迫した状況にすぐに対応せず、7分も授業参観したことが後で問題になったが、超大国のアメリカの大統領さえ想像もできなかった事件であることを示す場面が以下の場面だ。
報告後7分間、’呆然とした表情だったブッシュ大統領’ として知られている映像だが、本を逆さまに持っているほど衝撃を受けた様子だ。
私がアメリカの大統領だったら何を考えていただろう…と気になる場面。
アメリカは即、復讐を宣言しながらこのように言った。
いかなる国家であれ、我々の復讐を妨害すれば、先史時代以前に戻るようにしてやる。
アメリカだけが出来る超強力なメッセージ。
このくらいの超強力メッセージを発表したため、北朝鮮を含むすべてのテロ国家が「私が犯人ではない」と発表したのだ。
そのくらい事態は深刻で、同時多発的に航空機ハイジャックテロが起きていたため、超強力措置をとった。
アメリカ領空のすべての航空機の強制着陸。その後、アメリカ領空に進入するすべての航空機は敵扱いとする。
同時多発テロ直後、アメリカ領空で移動中だった約4200機の航空機が、いずれも近くの空港に強制着陸するレーダーの画面の様子だ。
対応マニュアル作成以降、実際に一度も行ったことのない超強力対応措置。
どのような航空機がハイジャックされたのか、いつ追加攻撃に遭うか分からない状況だったので、旅行客の不便や経済的損失などは重要ではなかった。
このような状況の中、アメリカ領空に進入した旅客機が大韓航空の085便だ。
韓国からニューヨークに向かっていた大韓航空085便は、アメリカのアラスカ上空に進入していたところ、本社から緊急メッセージを受け取る。
アメリカで航空機テロが発生したので、気をつけろという内容だ。
ちょうど研修中だった見習い副機長が隣にいたため、085便の機長は非常時対応法の教育を実施した。
航空機ハイジャック事件を知らせる非常コードを入力する方法についての教育だったが、非常コード7500の数字を入力しただけで、最終的な発信はしなかった。
しかし、あまりにも敏感な状況だったため、アメリカ中央情報部では自国に向かう全ての航空機を監視しており、航空機通信端末の作動状況まで把握中だった。
最終的な発信はしなかったが、大韓航空085便でボタンを入力したこともチェックされた状況。
これが問題だった。 アラスカ管制所から状況を把握するための通信が来て、機長はハイジャックの状況ではないと伝えた。非常コードの入力訓練だけして、何の問題もないと明らかにしたが、管制所には「もしかして」という気持ちで信じられなかったのだ。
機長は「私たちはハイジャックされていない」と述べたが、アラスカ管制所では引き続き、ハイジャックされてないのならコードを発信するよう強圧的に指示をした。 結局、数回の拒否の末、085便は7500コードを発信。
アラスカに駐留中の米空軍f-15戦闘機が追いつき、近隣のカナダ空軍基地に強制着陸を指示した。 航路離脱時には撃墜するという警告とともに。
よりによって085便の目的地がニューヨークだったので、さらに敏感にならざるを得ない危険な状況だった。数百人の民間人が搭乗した旅客機が攻撃を受けることもあったその日の出来事。
大きな滑走路が必要なボーイング747-400大型旅客機だったが、短い滑走路の空軍基地に無事着陸し、カナダ空軍基地では衝突攻撃に備えて全人員が避難した。
特殊部隊の兵力に検挙?された操縦士たちは数日間の取り調べの後、容疑なしで終結処理。
史上初の同時多発的航空機テロが進行中の日だったため、また別の惨事が起きそうになった「大韓航空085便ハイジャック誤認事件」の話はここで終わり。
現場を取材したペク·イジンが感じただろうトラウマについて理解するために、二度と起きてはならないその日の惨状と雰囲気を感じてほしい。
同時多発テロ事件はすべてが私たちが想像した以上だった人類の悲劇だ。
貿易センタービルに2機、米国防総省に1機、くらいは知っているが、当時、実際にテロに利用された航空機が我々が知っているよりも多かったため、アメリカの立場もある程度理解できる。
ワシントンのホワイトハウスを目指してハイジャックされたユナイテッド航空93便の物語を描いた映画『ユナイテッド93』(2006)を見たら、この日のアメリカの空の状況を少し理解できると思う。
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