韓国芸能界レジェンド記者会見第2弾! 前回の記事(リンク)では、プライバシー保護と個人情報保護について話をしたけど、今日は “謝罪” についての話だよ!韓国で起きた “MeToo運動” の理由と社会的背景、そして副作用を象徴する一つの事件を調べてみよう。大げさに見えるけど重い内容じゃないよ!
韓国と日本の謝罪文化についても比較していくよ!
謝罪の定石
罪があれば謝罪を
[HYBE] 事件の記事(リンク)では、私たちが一般的に考える “記者会見の定石” について話した。 涙で謝るだけのケースと、肝心な核心内容は明らかにしないケース。
しかし[ADOR]のミン·ヒジン代表はその全てのルールを破ったため、韓国で大きな話題となり、レジェンド記者会見と呼ばれている。
今回は韓国芸能界のレジェンド記者会見の2つ目の紹介記事、“謝罪はいつすべきか?”、“謝罪は誰がすべきか?”についてのお話。
前記事(リンク)のイ·ヨンジャダイエット事件?の場合、最初の記者会見では否認をし、2回目の記者会見でようやく謝罪をしたため、タイミングを逃したことでレジェンドになってしまったから。
今回のエピソードは熱くて性的な内容も登場するけど、韓国と日本の謝罪文化の比較ができる時間になるだろう!(笑)
普通の政治家であれ芸能人であれ、記者会見を開かなければならない状況が来たということは、ほとんど謝罪につながることが多いが、韓国と日本は似ていながらも違う点が多い。
私たちがニュースでよく見る政治家や経済人たちの謝罪場面は、韓国も日本も大きな差がないように見える。 腰を下げて、謝って、反省するふりをして、とくに大きな違いはない。
そして権力者たちには限りなくおとなしかった記者たちが、有名芸能人たちの事件にはまるでハイエナが肉をかみちぎるように攻撃的に飛びつく姿も似ている。
もちろん、過ちがあればそれに相応する処罰と責任を果たさなければならないと思う立場ではあるが、「あれはひどすぎるんじゃないか」と思う場合は、ほとんど芸能人の謝罪場面だったと思う。
大衆の人気でお金を稼ぐ職業なので、大衆の審判を受けるのは当然だと思うが、時々 “やりすぎ” だと思うから。
韓国の “Metoo運動(미투운동)” と “ピットゥー運動(빛투 운동)”
食べていくことが急務だった韓国は、経済成長だけに集中するため、国全体が速度と効率中心に動き、目標にしていた経済発展を成し遂げた。
しかし、これからは今まで疎かにしてきた労働者の人権から、男女差別問題のような社会文化的な発展が必要な時期が訪れたのだ。韓国という国の外的成長ではなく、内的成長を満たさなければならない時期。
そのおかげで搾取に近かった最低時給と軍人たちの月給も急に改善され、各種制度の男女差別問題や女性の人権保護水準もかなり解消できた。
このような流れは2010年代に入り、韓国で女性の人権運動である “フェミニズム運動” がピークを迎えた理由でもある。
真の先進国になるためには、国民の認識と考え方、社会的雰囲気と各種制度まで、内的な成長も必要だからだ。
そういう変化の象徴的な出来事が、2010年代半ばの “Metoo運動(미투운동)と ピットゥー運動(빛투운동)” だ。
これまで優先順位に押されて強制的に我慢しなければならなかった不法、不合理、不公正を正常化させる過程の中で、韓国芸能界では性犯罪と関連したMeToo運動が活発に起きた。
地位や序列によって、あるいは男女差別認識が広がったために、自分の被害を隠さなければならなかった多くの性犯罪被害者が加害者を告発し始めたのだ。
世界的な巨匠と呼ばれた映画監督から有名映画俳優、芸能人、芸能人出身の大学教授や芸能会社の職場の上司まで、醜い過去が明らかになり、韓国は騒がしかった。加害者として名指しされた人たちは引退をするか自殺を選択した。
芸能界の性上納やセクハラ問題は長い間膿んでいた問題だったのに慣行のように無視されて、最近の事件から数十年前の事件まで続々と明らかになったㅠㅠ
有名人本人や家族の債務関連問題と犯罪に対する暴露をするピットゥー運動(ピッ=借金+too)まで同時に起こり、当時の韓国芸能界のニュースは本当に熱かったが、
子供の問題で謝らなければならなかった親と、親の問題で謝らなければならなかった子供たちが後を絶たなかった。
家族問題のため、責任の義務と範囲に対する “連座制” 論難があったりもしたが、多くの芸能人が引退や自粛期間を宣言しなければならなかった。
①話題になって最初から謝る、②話題が生じる前にあらかじめ謝る(自首)、③最後まで否認して証拠が明らかになれば謝る、④事実が明らかになっても最後まで否認する のように、本当に多様なケースの対応を見ることができたが、
“謝罪はいつするのが最も良い対応だったのか?”、そして自分ではなく家族の問題の場合は “謝罪は誰がしなければならないのか?”という意見がまちまちだった。
謝罪が遅いと悪口言われるし、謝罪が早ければマスコミが自分だけを攻撃するから(笑)
声が証拠です
このような過程は、一つの社会が成長するために必ず必要な過程ではあるが、数十年間の誤った文化と悪習を短期間で直そうとしたため、その副作用もまた深刻だった。
行き過ぎたフェミニズム運動による副作用が生じたりもした。
前述の過剰な大衆の審判が韓国でピークに達した時期で、いわゆる “声が証拠です” という詭弁まで登場してしまった。
性犯罪の場合、もともと証拠を探すのが難しいが、過去の行為を主に扱ったMeToo運動の場合はもっと証拠があるはずがないため登場した言葉で、ある放送局の記者が言った言葉だ。
告発対象の芸能界引退や自粛宣言ではなく、法的な処罰のためには証拠が必要だが、ほとんど事件は証言や目撃談程度のため、被害者の声が証拠だという主張まで出てきたのだ。
過ちがあれば、それに相応する処罰と責任を果たさなければならないことは同意するが、法的な処罰問題に対しては慎重でなければならないと思う。
被害者の立場で悔しかったり、もどかしい心情は理解しても、法治国家で証言だけで判決することはできないからだ。
だが、そのような状況の中で加害者が自ら認めない場合にも “有罪推定” になってしまい、大衆と言論の魔女狩りが続いたりもした。
韓国の映画、ドラマに助演としてよく登場していた俳優オ·ダルスの事例が代表的で、数人の被害者が登場したが、オ·ダルスは “恋愛感情” だったと最後まで否認し、警察は公訴時効消滅による疑いなしで事件が終結した。
古い事件なので証拠がなかっただけだという主張と、証言だけを信じてすべての人を有罪扱いしてはならないという主張が衝突したが、すでに韓国人にとって性犯罪者として記憶されている。
社会の雰囲気に便乗し、有名芸能人たちを対象に示談金を狙った意図的な暴露もあり得るから、私たちは真実を知ることができないのだ。[HYBE]の記事(リンク)で紹介した俳優イ·ビョンホンの事例のように。
罪がなければ私のように
一生の傷を負った被害者たちには申し訳ない発言だが、実際に似た事例が多く発生したため、私たちは判断に慎重でなければならない。
そこで登場する今回の記事のメイン人物、俳優のイ·ジヌク。
最近、Netflixドラマ『イドゥナ!』と『Sweet home』シリーズの出演で、海外にも多く知られている俳優イ·ジヌクは、2016年に性的暴行の疑いで訴えられた。
このような社会的雰囲気の中で、有名男性芸能人が性的暴行の疑いで訴えられたとすれば、どんな選択ができるだろうか?
イ·ヨンジャダイエット事件(リンク)のように、タイミングを逃してはならないから、無条件に先に謝罪しなければならないのか? それとも、先ほどの俳優オ·ダルス事件のように最後まで否認しなければならないのか?
フェミニズム運動の真っ最中だった当時は、有名人の性犯罪関連の記事が出た瞬間、すぐに社会から葬られる雰囲気だったので、“謝罪をしても悪い奴、否定しても悪い奴” という状況だった。自分の行動を認めなければ、かえって破廉恥だと追い込まれたからだ。
このような状況の中、俳優のイ·ジヌクは警察の取り調べを受けるために登場し、この場面(下)は韓国芸能界のレジェンド記者会見になった。
車から降りる瞬間から記者会見のために前に立つ瞬間まで、どこか堂々と見える足取り、そして軽く微笑む姿まで。
まるで映画のワンシーンのようだった彼の登場を見て、人々は驚くしかなかった。
「なんだ?なんであんなに堂々としてるんだ?」っていう意見(笑) 車から降りた瞬間からフォースが感じられた(笑)
韓国人が彼の姿に慌てた理由は、単純なセクハラではなく性的暴行事件だが、事件当日、イ·ジヌクが被害女性の家に訪問した事が確認され、二人の間に性行為があったことも認めた状態で、女性の下着からイ·ジヌクの体液までも発見されたためだ。
すでに警察科学捜査研究所でイ·ジヌクの体液までも確認した状況だから、人々は “お前は100%終わった~”と思っていたんだ(笑)
自分のすべてのキャリアが終わる喪失感の中、映画を撮っていると勘違いしているのか?と思うほど堂々としていたイ·ジヌクは簡単な記者会見をした。
제가 얼굴이 알려졌다는 이유만으로 상대방이 무고하는 것에 대해 정말 쉽게 생각하는 것 같은데, 무고는 정말 큰 죄입니다. 조사 열심히 받고 나오겠습니다.
私が顔が知られているという理由だけで相手が嘘を言って人を訴えることについて、本当に簡単に考えているようですが、虚偽告訴罪は本当に大きな罪です。一生懸命調査を受けてきます。
イ・ジヌク
性行為も認めたし、体液まで発見されたのに虚偽告訴罪??? 大逆転の始まり(笑)
※ ここからは露骨な性的描写が登場します ご注意ください ※
警察の供述書の俳優イ·ジヌク側の主張を見れば、当時の状況を把握することができる。
団体夕食の席で告訴人の女性A氏に会ったが、帰宅後にイ·ジヌクに「家の物を修理してほしい」と先にカカオトークが来て、家のパスワードまで教えてくれたということ。
イ·ジヌクがA氏の家に到着すると、A氏は胸を露出したいやらしい衣装を着ていて、A氏が先にキスして性器を触るなどスキンシップをし、ベッドに自ら横になって自慰行為をしたと警察に供述した。
性行為の途中、A氏が「膣内で射精してほしい」と言った瞬間、イ·ジヌクは異変を感じ性行為を中断したが、以後A氏は口腔性交でイ·ジヌクの射精を誘導し、A氏が口の中にあった体液をわざと下着につけたようだという意見だった。
その反面A氏は、先に連絡したのはイ·ジヌクであり、強制的に性的暴行を受けたと主張した。
有名人の性行為の過程がこんなに詳しく公開されたのは初めてだから、みんなびっくりしたよ(笑)
翌日、イ·ジヌクは財布がなくなっていてA氏に連絡したが、A氏は携帯電話の電源を切り行方をくらましていて、何の連絡もできていなかった状況の中、訴えられたと言った。
2016年7月の訴えで始まった調査の結果、俳優のイ·ジヌクは嫌疑なしの不起訴処分を受け、虚偽告訴罪の疑いで起訴されたA氏は1審では無罪だったが、2審では懲役8ヶ月に執行猶予2年を宣告された。
イ·ジヌクとのカカオトーク対話内容、性行為以後の警察通報以前までの周辺人とのカカオトーク対話や行動など矛盾点が多く、被告人女性A氏の主張が信憑性がないという裁判所の判断だった。性行為はあったが強制性は見えないため虚偽告訴と判断。
ただ、イ·ジヌクを脅迫したり金品を要求したりはしなかったため、執行猶予を宣告。
ある有名人のキャリアを、一人の男の人生を終結するところだった事件の規模に比べて、虚偽告訴者の処罰はむしろ弱すぎたため、韓国の男性たちは、虚偽告訴罪の処罰の強化を求めている。
罪がなければ彼らのように
この事件の後、俳優のイ·ジヌクは韓国の男性の間では “無罪の象徴”、“極限の絶頂で我慢した男” などと呼ばれ、英雄視されたが、
韓国でフェミニズム運動が活発だった時期、性犯罪関連で無念に犯罪者になってしまった判決が多かったからだ。
“被害者の証言が証拠” にならざるを得ない状況を勘案しても、加害者側の無罪がより近そうに見える十分な証拠がある場合さえ、無視され有罪になってしまった事件が度々あったのだ。
女性の人権を必ず保護しなければならないように、男性の人権もまた保護されなければならないにもかかわらず、司法府さえバランスを失った姿を多く見せた時期だった。
流行のように広がっていた性犯罪関連告発は、虚偽告訴罪の処罰回数が増え、徐々に減ってはいるが、私たちの社会は依然として非常に簡単に世論裁判を行っている。
イ·ヨンジャのダイエット事件(リンク)のように、毎日溢れるプライベート流出の中で死を選択した映画『パラサイト 半地下の家族』の俳優イ·ソンギュン、疑惑記事が出るやいなやすでに麻薬中毒者扱いされていたBigbangのG-DRAGONの事例のように、
最近、韓国で急増した麻薬関連事件だけを見ても、有名人として耐えなければならない範囲がどこまでなのかについては、考えてみる部分が沢山あるからだ。
俳優イ·ジヌクの記者会見の影響で、韓国では警察署の出頭シーンだけで判断をしていたのだ。
「表情を見る限り、イ・ソンギュンは有罪! G-DRAGONは無罪!」というコメントを見ながら一緒に笑った私も反省すべきだと思うㅠㅠ
このように、俳優イ·ジヌクの記者会見の場面は、韓国で無罪を象徴する表情と行動になり、虚偽告訴罪の判決事例として残り、狂風のように吹き荒れた性犯罪告発事件を鎮める役割をした。
その間、多くの有名人が消えたが、その中にもし無念な人がいるのではないか、世論裁判に巻き込まれて逃した部分はなかったのか、司法システムの点検は必要に見える。
法は多くの犯罪者を捕まえるために存在するのではなく、少数の被害者でも生じないように保護しようと存在するのだから。
前の記事に続き、有名人のプライバシー保護と国民の知る権利の間の問題も依然として改善しなければならない部分だろう。
女性関連の問題は敏感な問題で、背景を説明を先にするために少し重くなったけど、次のレジェンド記者会見はまた軽い内容になる予定だよ!記者会見で下の表情を見たら “有罪推定” 禁止~(笑)