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韓国映画の歴代興行ランキング② 本物の観客動員数 “1000万” と偽物の “1000万”?

韓国の芸能

ペコム
ペコム

今日は “韓国型新派” 映画の韓国人の評価と映画『シルミド』が初の観客動員数1000万人の映画になった原因について調べてみる時間だよ!そして外国人に1000万映画を推薦する理由も一緒に紹介するよ~!

おはる
おはる

韓国人に “本当の1000万” 映画と呼ばれる映画があるそうだけど、その意味も紹介するよ!何も考えずに泣きたい方に今日の映画をお勧め~!

韓国の映画文化シリーズ

韓国の映画文化や人気作からみる韓国社会を解説するシリーズ★
この記事と一緒に読むともっと理解しやすいですよ!

日韓の映画文化 世界初の映画公開を韓国で行う理由 
韓国映画の歴代興行ランキング① 韓国での観客数1000万人の意味 
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夢の記録と “韓国型新派”

神からの贈り物、映画 『シルミド』

映画『シルミド』のポスター(左)と実際のシルミド684部隊の部隊員写真(右)
出典:upi뉴스

韓国映画界の夢の数字である1000万人は “神からの贈り物” と比喩されるほど、すべての条件と環境が同時に合ってこそ可能だった数値だった。最初の1000万人映画が2003年になってようやく達成されたほどだから。

その映画『シルミド』がいくら歴史的事件を扱った映画だとしても、基本の内容は “昔の軍人の話” なので、若い世代と女性にとっては関心のないテーマだったが、どうして1000万人を突破したのだろうか?

歴史的事件+新派+コメディという興行の必須要素と監督の力量だけでは、この映画の新記録を説明できないからだ。

ペコム
ペコム

『シルミド』(2003)は1968年、ソウルの大統領府(青瓦台)が北朝鮮の特殊部隊に攻撃された後、北朝鮮に復讐するために作った684部隊員の実話事件を描いた映画だよ。(関連記事はこちら→韓国の住民登録番号

2002年在韓米軍反対デモ中の学生たち
出典:오마이뉴스오마이뉴스

しかし、映画の公開時期の2003年の韓国を理解すれば、先の私の説明はすべて間違っている。

その時期、韓国は1997年の韓国初の進歩政権である金大中(キム・デジュン)大統領に続き、2002年には盧武鉉(ノ・テウ)大統領が連続当選した。

2002年には在韓米軍の装甲車にはねられ女子中学生2人が死亡した事故で、中高生が大規模なデモを行っており、自分の勢力がなかった政治界新人の盧武鉉のために国民が豚の貯金箱を集めた後援金で大統領にした時期だ。

“若い世代と女性にとっては関心ないテーマ” という発言を取り消さなければならない状況。

ペコム
ペコム

いつにも増して若い世代と女性が社会問題に積極的だった時期なんだ!

国民の貯金箱の後援を受けた盧武鉉大統領候補
出典:노무현사료관

そして2002年に始まったもう1つのデモが今でも伝説のデモと呼ばれている。“北派工作員名誉回復デモ”。

H.I.Dと呼ばれる北派工作員部隊は1950年代に創設された秘密特殊部隊で、主な活動舞台が “北朝鮮” だった。

本当に北朝鮮に侵入して要人を暗殺したり情報を盗んでくる役割をした部隊だ。そのため、いつ死ぬか分からず、北朝鮮に軍人を送ったことが発覚してはならないため、部隊の存在自体が1級機密

ペコム
ペコム

それで映画『シルミド』の部隊員みたいに、孤児や刑務所の収監者を募集した時期もあった。北朝鮮で発覚しても韓国政府は「韓国人じゃないんだけど?」と否認しなければならなかったんだ。

『シルミド』部隊の創設を主導した金炯旭(キム·ヒョンウク)中央情報部長(参考:映画『南山の部長たち』の記事
出典:upi뉴스

問題は機密維持のために7,000人を超える死亡者や行方不明者、そして負傷者に対する補償さえまともにしなかったということだㅠㅠ。

進歩政権が始まり、これまで隠してきた韓国の暗い過去史に対する再調査が行われ、死者に対する名誉回復と国家の補償を求めるデモだった。

ところで、彼らは誰だって? “北派工作員” 、若い頃は韓国最高の殺人兵器だった人たち!

デモの激しさが過去の民主化運動のデモとは次元が違って、韓国人に伝説のデモと呼ばれている(笑)

ペコム
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デモ鎮圧を担当していた当時の戦闘警察たちが、目つきだけ見ても怖いと言ったほど(笑)

2002年の北朝鮮派遣工作員のデモシーン
出典:오마이뉴스

実在するかどうかも知らなかった北派工作員たちの存在が国民にかなり知られ始めた時期に、ちょうど彼らを扱った映画『シルミド』が公開されたのだ。

北派工作員に対する関心が非常に高かった時期、それを本格的に扱った最初の映画、若い学生たちと女性たちの政治に対する情熱も高かった2003年。

さらに映画『タクシー運転手』の光州民主化運動と『弁護人』と『1987』の民主化抗争の主役だった1980年代に20代だった大学生たちは、社会の主軸である40~50代になっていた。

そうして観客動員数1000万人映画の興行の公式は完成した。老若男女みんなに通じる歴史的事件+新派+コメディ映画の登場。

ペコム
ペコム

映画の企画から制作まで数年前から準備されていることを考えると、本当に “神様からの贈り物” のようなタイミング!(笑)

本物の “1000万” と偽物の “1000万”?

年度別の韓国映画観客数の現状(2013年初めて2億人突破) 青:韓国映画 緑:外国映画
出典:뉴시스

最近は1年に数本の観客動員数1000万人の映画が出たりするが、映画『シルミド』の興行成績は今振り返っても伝説だ。

以前の記事で強調した複製と不法流通文化の他に、韓国マルチプレックス映画館の初期だったのでスクリーン数も多くなかったし、入場券統合電算網システムが2004年5月になってようやく構築されたのだ。

映画館が映画製作者に対する分配金を減らし、税金漏れのために売上を任意に減らしても全く把握できなかった時期だったということだ。

ペコム
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あえて入場者を多く言わなくてもいい時期だったから、本当に “1000万人” の映画だと言える(笑)

映画『神と共に』1、2シリーズ日本ポスター(観客順位3位1441万、14位1227万人)
出典:동아일보

その後はマルチプレックス映画館が大勢になり、1000万人映画を “企画” する段階になり、2023年現在までに計30本の映画が1000万観客を突破した。

1000万人突破のために戦略的に企画された量産型1000万映画も多く生まれたので、人口5000万の国でこれが本当に可能なのか?という疑問は相変わらず。

その中で韓国人が代表的にこれがどうして1000万人?とよく取り上げる映画が観客順位3位と14位にある『神と共に』1、2シリーズ(2016/2017)があり、4位の『国際市場で逢いましょう』(2014)、10位の『7番房の奇跡』(2013)、19位の『TSUNAMI -ツナミ-』(2009)が代表的だ。

ペコム
ペコム

面白い共通点はすべて “韓国型新派” でいっぱいの映画だということ(笑)

映画『国際市場で逢いましょう』ポスター(観客順位4位、1426万人)
出典:네이버뉴스

特に『TSUNAMI -ツナミ-』と『7番房の奇跡』の興行以後、韓国人の新派に対する拒否感が本格的に始まったが、完成度の高いストーリーより韓国的情緒を強調しすぎたり蓋然性のない強引な設定で悲しい状況を誘導することを “韓国型新派” と呼んでいる。

新派は同じだが、『神と共に』1・2シリーズは、親に対する “親孝行” が中心キーワードだったため、高齢世代の観覧や親と一緒に観覧したことが多かったので除き、『国際市場で逢いましょう』は韓国戦争と離散家族問題など韓国の現代史全体を扱っているので、それぞれの世代ごとに自分の家族の話が盛り込まれていて家族単位の観覧や学生たちの団体観覧が多かったから、除くと残る2つの映画。

映画『7番房の奇跡』 ポスター
出典:경기일보

津波が訪れた釜山の家族愛を扱った『TSUNAMI -ツナミ-』と障がいのある父親が娘を置いて無念に収監される『7番房の奇跡』。基本設定だけ聞いても全体の内容が描かれる映画(笑)

どちらの映画も当然悲しい、そしてまたすごく悲しい(笑)

『TSUNAMI -ツナミ-』は災難映画の標準に近いスタイルで悲しみを強要するならば、『7番房の奇跡』は、障がい+濡れ衣+幼い娘という組み合わせを、映画内でずっと強調するので本当に悲しい。

何も考えずに鑑賞すれば本当に限りなく涙が流せる映画なのに、映画が終わったら私がどうして何も考えずにこの映画を見たのか後悔するのが問題だㅠㅠ

ペコム
ペコム

悲しくて泣きたい時に見れば満足しても満足しなくても、どんな理由であれ泣いたり悲しんだりするよ(笑)

映画『TSUNAMI -ツナミ-』の日韓ポスター
出典:국방일보조선일보

それでもなんと1000万人以上が観覧したほど興行の定石にはよく従っているから、ドラマ『日本沈没』(2020)のような典型的な災難映画ストーリーを望むなら『TSUNAMI -ツナミ-』を、今日はただ軽く笑いながら涙も流したいなら『7番房の奇跡』も悪くはない。

しかし、当時は常套的な新派映画に対する酷評と非難も同時に殺到した。1000万人突破映画という広報に騙されたという反応(笑)

そのおかげで韓国人の間ではこの2つの映画だけは “重複観覧” がなかったはずなので、もしかしたらこれらの映画が本当の1000万人映画かもしれないと呼んでいる。 絶対に2度見る映画ではないということだ。

ペコム
ペコム

映画『シルミド』とは違う意味の “本当の1000万人” 映画(笑)

1000万人映画を推薦する理由

韓国女性たちの胸をときめかせた映画『オオカミの誘惑』俳優カン·ドンウォンの傘の中で初登場シーン

このように “1000万” という数字は韓国映画界の大きな象徴性を持っているが、だからといって作品性や完成度を知らせる絶対的な基準ではないということを肝に銘じなければならない。

それでもほとんどの1000万観客映画は多くの人に検証された映画なので、韓国の文化と歴史、映画を知りたいなら少なくともこれらの映画から始めることをお勧めしている。

これくらい興行した映画は、それぞれの映画を鑑賞することで終わるのではなく、他の映画やドラマ、そしてテレビのバラエティ番組やコメディ番組で絶えず言及される場合が多いんだ。

名ゼリフや名場面の真似やオマージュとパロディまで。

ペコム
ペコム

他の映画やドラマ鑑賞中に、 なんであのセリフを急に言うんだろう? あの場面がなんで面白いんだろう? という場面によく登場するから。基本的に鑑賞しておくといいよ!

ドラマ 『応答せよ1988』(2015)でのオマージュシーン

ドラマ『トッケビ』(2016)でのオマージュシーン

ドラマ『応答せよ』1988、1994、1997シリーズを見ると、時代別流行語や人気歌謡が出てくるが、その時期の有名映画シーンや名ゼリフもまた、その時代と文化を象徴する要素なんだ。

ドラマ『二十五、二十一』(2022)の12話(解説記事:リンク)で、ムン·ジウンが着た服のせいで学生主任に殴られた理由を理解するには、当時韓国社会を騒がせた “脱獄囚シン·チャンウォン事件” と彼のファッションを知らなければならなかったように、他国の歴史と文化を完全に理解するというのは容易なことではない。

逆にドラマや映画のような作品を通じて勉強する方法ほど簡単な方法はないと思ったりもする。

今日は1000万映画の意味を調べるために “新派” に関連した数作品だけ簡単にご紹介したが、次の記事では興行ランキングにある映画をテーマと特徴別に分類して紹介するよ!

ペコム
ペコム

ポイントと関連性さえしっかり掴めば、自然に勉強になるんだよ~!だからiumブログが必要なんだよ~(笑) みんな次の記事で会いましょう!!

ドラマ 『二十五、二十一』 12話で学生主任に殴られたムン·ジウン(左)/シン·チャンウォン逮捕当時の写真(右)
出典:스타투데이한국일보

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