今日は4月28日に行われる予定の第59回 百想芸術大賞授賞式 について少しお話しするよ!韓国の “ドラマ” の授賞式の中で最も権威があるというけど、百想芸術大賞はどんな授賞式なのか、どんな候補があるのか調べてみよう!
『ウ·ヨンウ』から『財閥家の末息子』、『イルタ・スキャンダル』と『ザ·グローリー』まで当ブログ[ ium ]で扱ったドラマから多くの候補者を輩出したよ~!誰が受賞するか一緒に予想してみよう~(笑)
消えた年末の思い出
新年を迎える基本姿勢
子供の頃、年末になるとテレビでは各種授賞式を放送していた。 歌謡からドラマまで、各放送局が過ぎ去った1年を決算する授賞式を行っていた。
韓国では新年となる1月1日0時に、ソウル鍾路にある“普信閣(ボシンカク:보신각)”で新年の打鐘行事を行うが、多くの人がその場で一緒に観たり、すべての放送局で放送される場面をテレビで見ながら新年の願いを祈ったりする。
今までも普信閣打鐘行事の時間前後に韓国の地上波放送局と呼ばれるKBS、MBC、SBS放送局では歌謡大賞、演技大賞、芸能大賞授賞式を編成しているのでほとんどの韓国人に人気だった。
新年を待ちながら布団の中でみかんを食べながら視聴するのが基本姿勢~(笑)
過ぎ去った1年を終えて新年を迎える初放送なので、各放送局ごとに視聴率競争が激しかったため、授賞式放送には多くの芸能人が出演した。
日本の紅白歌合戦みたいに、授賞式に参加するだけでも芸能人には栄光の場であり、スターになったというシグナルになるのだ。
視聴者は有名人が一堂に会しているのを見れる珍しいイベントなので人気だったが、韓国には紅白歌合戦のように圧倒的な人気番組はない。
地上波3社ごとに歌謡大賞、演技大賞、芸能大賞の3部門の授賞式をそれぞれ行っている。
全部で9つの授賞式が見られるって~!年末にはみかんが足りないよね~(笑)
韓国の年末授賞式の種類
3部門の授賞式×3つの放送局だから、9つの授賞式が年末に重ならないように編成し、同じ日に同じ部門の授賞式を編成しない方式だ。
同じ部門の授賞式を同時に進行すれば、芸能人の立場では1ヶ所しか参加できないため、放送局が交互にスケジュールを調整する。
そして各放送局ごとに最高人気の芸能人をたくさん参加させるために熾烈な競争をする。
特に参加者による視聴率変動が大きい “歌謡部門授賞式” が一番熾烈だ。
どうしても一番若い年齢層が喜ばれ、アイドルグループのファン層が一緒に動き、各ファン層同士の競争も激しいため、人気歌手を誘致するための放送局の競争も激しくならざるを得ない。
以前は放送局の横暴や圧力がひどくて授賞式に参加してこそ、その後の該当所属事務所の歌手を放送局に出演させてくれることから、歌手所属事務所は顔色を伺わなければならなかった。
JYPやYG、SMのような大手芸能事務所ができてからは逆に芸能事務所が放送局に圧力をかけるケースもあって、互いにパワー争いをするケースもある。
その中で有名なのがBTSの所属事務所ビッグヒット(HYBE)とMBC放送局との戦いだよ。
2018年12月31日、MBC『歌謡大祭典』に、韓国と海外で最高の人気を博していたBTSが出演したが、海外での活動で韓国ではあまり見ることが出来なかったため、みんなからの期待が大きかった。
しかし、その年の人気やアルバム成績と関係なくSMエンターテインメント所属芸能人だけが浮き彫りになる進行で、他の歌手は冷遇してファンとネチズンの間で論難が大きかった。
その後、プライドを傷つけられたBTSがMBC出演を拒否すると、MBCはHYBEの他の歌手を出演禁止させるパワー争いの状況が続き、BTS だけでなく、SEVENTEEN、NU’EST、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPEのようなBIG HIT(HYBE)所属歌手はMBC番組では見られない。
特に年末のMBC『歌謡大祭典』は去年までもHYBE所属の歌手は出演していない状況で、HYBE以外にも各エンター会社と放送局の間でのえこひいきとパワハラ論議は続いている。
そのため歌謡の場合、授賞式以後常に論難が続き、今は授賞式システムではなく “祝祭” 方式に転換して運営している状況だ。
ーーーーー<2024年5月 追記>ーーーーー
2023年、新任MBCのアン·ヒョンジュン社長が過去の良くない慣わしのせいで傷ついたアーティストたちに対する遺憾の意を明らかにし謝罪し、HYBEのバン·シヒョク代表と再発防止を約束した。
その後、2024年にデビューしたHYBE所属のTWSとILLITは、両者間の葛藤以来初めて、制約なくMBCの音楽番組に出演している。
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女性芸能人 伝説の神経戦
このように年末の授賞式は芸能人と所属事務所にとっては熾烈なプライド競争の場だが、韓国では演技大賞でのある事件が一番有名だ。
韓国人にとって “芸能人たちの歴代級のプライド争い” と呼ばれる2人の女優の “神経戦” が生放送で中継されたことがあり、2010年『MBC演技大賞』で起きた。
当時『MBC演技大賞』でドラマ『逆転の女王』のキム·ナムジュと『ドンイ』のハン·ヒョジュが大賞を共同受賞することになったが、問題は受賞感想だった。
内容のせいじゃなくて過程のせいで歴代級の受賞感想~人生でこんなの初めて見た(笑)
共同受賞者の名前が呼ばれ、俳優のキム·ナムジュ(白の服)とハン·ヒョジュ(黒の服)の2人は舞台に上がり、お互いに受賞感想を先に言えと譲り合う姿を見せた。ここまでは視聴者は知らなかった(笑)
和やかに見えるこの行動は、見た目は譲り合いだったが、最後のクロージングコメントを取るための2人の神経戦だった。共同受賞でも最後に受賞の感想を言う人がより主人公のように感じられるから。
最初にキム·ナムジュが後に退いたにもかかわらず、ハン·ヒョジュが受賞の感想を言わないでいると、進行MCがハン·ヒョジュに受賞の感想を話してとその場を整理し、ハン·ヒョジュが受賞の感想を先に述べた。
あの微妙な笑顔と行動をよく見てね(笑)
長かったハン·ヒョジュの受賞感想が終わった後、キム·ナムジュは嬉しそうな顔で受賞の感想を続けた(下)。
問題はまさにその次に起きた。キム·ナムジュの受賞感想が終わると、ハン·ヒョジュが言い忘れたことがあるとし、マネージャーと助けてくれた人々に対する感謝を伝えながら受賞感想を付け加えたのだ。
本格的な戦争の始まり(笑)
すると急にキム·ナムジュもまた出てきて受賞の感想を付け加えて、2回戦(笑)
ここで終わらずにハン·ヒョジュも「ファンの皆さんありがとうございます」と再び言葉を付け加えながら結局クロージングコメントを占めた。
このようにキム·ナムジュとハン·ヒョジュは長い間受賞の感想をお互いに先送りや追加しながら、放送事故に近い状況をライブで見せ、韓国人に伝説として残っている事件だ。
あのぎこちない空気が流れる熾烈な神経戦を生放送で見たと考えてみて(笑)
最初はどうしても11年も後輩だったハン·ヒョジュがより批判を受けた。
当時、俳優のキム·ナムジュはすでに大賞級の特級俳優で、ハン·ヒョジュは20代の新鋭俳優だったから礼儀がないという反応が多かった。
しかし、俳優キム·ナムジュが普段から気が強いことで有名だったため、ハン·ヒョジュをかばう人もいたし、清純なイメージだった俳優ハン·ヒョジュの本当の性格を見て驚いたという反応も多かった。
この戦いの根本的な原因は実は、韓国の授賞式で流行していた “共同受賞” からだ。
火事の見物、戦いの見物ほど面白いものはないと言うが、戦いの根本原因については考えてみなければならない。
韓国最高権威の授賞式
自ら失った権威
実は2人の共同大賞受賞は、出演ドラマの人気から見ても2人の俳優の存在感から見ても本当に大賞の資格があるのかも疑問だった受賞だった。
当時MBC放送局の視聴率と演技力を全て総合した時、ドラマ『欲望の炎』のシン·ウンギョンが大賞を受賞すべきだという意見が多かったからだ。
大賞が有力だった俳優シン·ウンギョンは最優秀賞にとどまり、ドラマの放送中ずっと演技力の論難もあったハン·ヒョジュの大賞受賞も問題だったが、さらに大きな論難はキム·ナムジュだった。
先ほど言ったようにキム·ナムジュは大賞級の演技力を見せてくれる俳優だったが、ドラマ『逆転の女王』がその年最高のドラマではなかったという疑問だった。
ちょうど1年前、大人気だったキム·ナムジュ主演のドラマ『僕の妻はスーパーウーマン』がシンドローム級の人気だったドラマ『善徳女王』に押されて大賞を取れなかったため、補償レベルでの受賞だという意見があった。
そこに『逆転の女王』の後続作として準備していたMBCのドラマが取り消されたため、20部作シリーズが突然31話まで延長放送したことに対する功労賞の感じまであったのだ。
ハン·ヒョジュの場合はドラマ『ドンイ』があまりにも人気があるため、演技力に色んな意見があったにもかかわらず無視できず無理に大賞を与えたのだ。
このように放送局の状況や立場によって授賞をしたり、曖昧であれば “共同受賞” を乱発したりして授賞式の権威は落ちていた。
まさに2022年『KBS演技大賞』は20部門のうちなんと15部門が共同受賞であり、『SBS演技大賞』は新人賞受賞者だけで6人にのぼるほど共同受賞が乱発されている現実だ。
いわゆる “賞割り” と呼ばれる授賞項目を増やしたことまで含めれば、出演者のほとんどに賞を与える行動によって授賞式の権威と受賞の意味は共に墜落した。
歌謡界の例として挙げたBTSの事例のように、放送局の立場や所属事務所との関係から “組み込み” をするケースも多くなり、賞の価値は色あせていた。
放送局自ら放棄した授賞式の権威ㅠㅠ
なぜ “百想” なのだろうか?
すでに長い間繰り返されてきた放送局のこのような行動の中で、韓国人が覚えている場面の1つが2012年『MBC演技大賞』大賞受賞者だ。
なんと64部作で編成されたMBCドラマ『光と影』は放送中ずっと視聴率20%以上を維持し大ヒットだったため、誰もが主演俳優アン·ジェウクの大賞受賞が確定だと考えていた。
授賞式当日、ミュージカル出演で参加が難しかったアン·ジェウクをほとんど半強制的に参加させてすでに論難だったが、大賞はドラマ『馬医』のチョ·スンウが受賞。
無理に参加させたのに何の賞ももらえなかったㅠㅠ
当時、最優秀賞はなんと6人が共同受賞したにもかかわらず、最も強力だった候補アン·ジェウクは何の賞ももらえなかったし、チョ·スンウは最優秀賞に続き大賞まで受ける珍しい状況を演出した。
大賞受賞者だったチョ·スンウが「アン·ジェウク先輩に申し訳ない」と受賞感想を言ったほど納得できない結果だった。
アン·ジェウクが出演したドラマ『光と影』は、朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領時代の現代韓国史を扱ったドラマで、パク·ジョンヒ政権を批判した内容だった。
問題はその年の2012年12月、朴正熙大統領の娘の朴槿恵(パク・クネ)が大統領に当選し、彼女の腹心と呼ばれる男(厚く信頼している男)がMBC放送局の社長に就任した。
みんな理由は分かるけど言えない何かがあったんだ(笑)
純粋でなければならない芸術分野の授賞式に政治的な論理まで割り込み、地上波放送3社の授賞式はあれこれと “自分たちだけで楽しむ宴” レベルになってしまった状況だ。
このような時代の流れの変化の中で最も大きな躍進を遂げた授賞式がまさに今回の主人公 “百想芸術大賞” だった。
百想芸術大賞の名前 “百想” は、授賞式を主催した韓国日報の創立者であるチャン·ギヨンの号 “百想” に由来する。
1965年から制定された授賞式で、1年間放映または上映されたテレビ/映画/演劇部門の制作陣と出演者に授賞する総合芸術賞だ。毎年4月末~5月初めに実施。
今年の授賞式はまさに今日4月28日~!(笑)
百想芸術大賞の特徴
百想芸術大賞の特徴は、映画だけを授賞する映画授賞式とテレビ部門だけを授賞する放送局授賞式とは異なり、映画、ドラマ、演劇部門まで全て一緒に授賞するという差別性がある。
特に自社の番組だけを授賞する地上波放送局3社とは違い、韓国のすべてのテレビチャンネルの放送を対象にしているため、2010年代以降急増したケーブル放送局やOTTサービスの放送まで含めた真の意味での統合授賞式だ。
映画部門も韓国の3大映画授賞式と呼ばれるほど権威が認められているが、テレビドラマ部門は圧倒的な権威を誇るしかない。
すべてのチャンネルの作品と競争するので、真の韓国最高というタイトルを得ることができるんだ!
そのおかげで去年は史上初めてNetflixオリジナル作品である『イカゲーム』の大賞受賞と『D.P.』の作品賞受賞が見受けられ、[ ium ]ブログの始まりを告げたTVN放送局の『二十五、二十一』のキム·テリが最優秀演技賞を受賞するのも見られた。
このように統合授賞という特徴の他に、前述した放送局の行動とは異なり、賞を受けるに値する適当な作品や演技者がいなければ授賞を果敢に除外する場合もある。
2022年TV部門女子芸能賞受賞後、涙を流した俳優チュ·ヒョンヨンは今年は『ウ·ヨンウ弁護士は天才肌』のトン・グラミ役でTV部門女子新人演技賞候補に上がっているほど偏見のない授賞式だよ!
そして最高栄誉の大賞の場合は作品そのものにだけ授賞をしたり、演技者にだけ授賞をする場合もあり、ナ·ヨンソクのような芸能番組のPDに授賞をしたり、ユ·ジェソクのような芸能人に授賞をするなど、これまでの慣習も破ったため自らの権威を高めているわけだ。
2017年のテレビ部門大賞受賞者はtvNドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のキム·ウンスク作家だった。 脚本賞じゃない大賞~!(笑)
地上波放送局の授賞式とは差がだんだん広がってる(笑)
大賞は誰がもらうかな?
このように自ら積み上げた権威と名誉を通じて、受賞候補者たちもまた必ず参加してこそ授賞式と認識し、ほぼ100%近い出席率を見せながら呼応しているのだ。
今回の第59回授賞式の大賞が作品である場合にはNetflixの『ザ·グローリー』とENAの『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が最も強力な候補で、個人の場合には『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のパク·ウンビン、『ザ·グローリー』のソン·ヘギョ、『財閥家の末息子』のイ·ソンミン、『ザ·グローリー』の作家キム·ウンスクなどが強力な候補だそうだ。
このブログ[ ium ]が本当に細かくレビューしたドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の俳優パク・ウンビンの名前がすでにトロフィーに刻まれていると思う(笑)
個人的に一番予想できず熾烈な部門が助演女優賞だが、『財閥家の末息子』を見て絶賛した俳優キム·シンロク(チン·ファヨン役)と『ザ·グローリー』のイム·ジヨン(パク·ヨンジン役)、ヨム·ヘラン(カン·ヒョンナム役)が同時に候補に上がった。
そして『私の解放日誌』のイエル(ヨム·ギジョン役)と『アンナ』のチョン·ウンチェ(ヒョンジュ役)まで、すべてすごくて結果がとても気になっているところ。
今日は韓国で “百想芸術大賞” がどんな意味なのかについて説明するために韓国の授賞式についてお話しましたが、受賞者が発表され次第、後に記事で続きを書くよ!大賞より助演女優賞がもっと気になる~!! (笑)