韓国史コラム(リンク:朝鮮王朝実録)で、韓国人も混乱するハングル創製過程について紹介したよ!ハングルを誰が作ったのかより、なぜ作ったのかに注目したけど、今の韓国では世宗大王が空で泣いている状況が起きているという!どういうことか調べてみよう(笑)
ドラマ『イルタ・スキャンダル』(2023)で出てくる韓国の学生たちの流行語と略語の基礎背景が分かるよ~★
流行語と略語
ドラマ『イルタ・スキャンダル』と学生たちの言語
ドラマ『イルタ・スキャンダル』をオススメする理由の1つに、韓国の学生が使っているリアルな韓国語が分かるからと話したが、その基本は流行語と略語。
「イルタ講師を飲み込んだんですか?」という評価を受けるほど完璧なキャラクター消化力を誇っているチェ·チヨルは、ドラマのタイトルである略語 “イルタ講師(=1位スター講師)” の他にも、様々な学生たちの言語を使っている。
下のチェ·チヨルの模擬試験解説講義の場面をまず見てみよう。(リンクは写真の下)
오늘 시험 개어려웠지 얘들아,
今日の試験、めっちゃ難しかったよね、みんな울지마~ 다 스불재야,
泣くな~全部自業自得だ멘붕 중일 것 같아서 공지보다 좀 더 빨리 켰어,
メンタル崩壊中だろうから、公示よりもちょっと早くやるね긴말하지 말고 바로 1번 레고~! .
ぐだぐだ言わないで、すぐに1番レッツゴー!수학은 짱이다 삼창하고 끝내볼까?
『イルタ・スキャンダル』チェ・チヨル
数学は最高だ 三唱して終わらせようか?
短い場面だが、今は完全に定着した古い流行語から最新の新造語まで自然に混ざっている。
それで、あるグループのリーダーや隊長を俗に呼ぶ時、“짱(ヂャン)”と呼んだりもする。
親分を意味する漢字 “長(장:ジャン)” に由来し軽音化したという説と、日本語の呼称である“ちゃん(짱)”に由来するという説があるが、成人用語で広まってからは、얼짱(オルチャン:顔+チャン)、몸짱(モムチャン:体+チャン)、공부짱(コンブチャン:勉強+チャン)などと非常によく使われている古い卑俗語だ。
オチョルTV?チョッチョルTV?
映像の前の部分の
아 몰라 얘기 다 끝난 걸 뭐~ 어쩔비티 저쩔티비~
『イルタ・スキャンダル』チェ・チヨル
あ~知らない 話は全部終わったんだから~ オチョルTV チョッチョルTV~
というセリフもまた最近の有名な新造語を使っているシーンだ。
小学生くらいの非常に低年齢層のコミュニティで作られたと予想される新造語で、ここ1、2年でYoutubeやコミュニティなどで流行し始めた言葉で、韓国人の間でも「今ではもう変な言い方が流行っているね」と話題になった流行語だ。
本当に脈絡が全くないから、最近の子どもたちはこんな言い方をするんだ~韓国の未来が心配だ~などといって知られてきた言葉だが、逆に大人たちに伝播した(笑)
だからどうしろって?と問い返す意味だが、相手を攻撃して嘲弄する口調で使われ、ニュアンス自体が愉快ではないので、聞く人を怒らせてこそきちんと使われていることになる。
어쩌다(オッチョダ:どうしろ)+티비(ティーヴィー:TV)で「どうしろって~あっち行ってテレビでも見るんだ~」という意味だという主張もあるが、テレビ自体は何の意味もなく、根拠も脈絡もない。
むしろYoutubeやインターネット放送で主に “〇〇TV” で付けられたIDが多いため、このような形式から取ったのではないかと推測している。
相手が “어쩔티비(オチョルTV)” で攻撃をしかけてきた時、反撃する文章が “저쩔티비(チョッチョルTV)” だが、これも脈絡なんか考えてはいけない(笑)
これをお互いに打ち返すために活用語句が増え、テレビの次に各種家電製品の名前をつける方式で戦わなければならない。
上の映像のように “어쩔냉장고(オッチョル冷蔵庫)”、“어쩔청소기(オッチョル掃除機)”、“어쩔제습기(オッチョル除湿機)”などで単語を交わしながら家電製品を具体的に話すほど相手を怒らせて勝利する方式だ。
最も多く登場するのが真空掃除機ダイソンで、“어쩔 다이슨 디지털 슬림 플러피 플러스(オッチョルダイソンデジタルスリムフラッピープラス)” のように特定製品のモデル名まで詳しく言えば良い。
モデル名が長いほど、発音が正確で早いほど勝者となるが、これに勝って何をするかは分からない(笑)
流行語にも等級があるなら、これは本当に好き嫌いが強く、これを使うと情けない人扱いされることもあるため、親しい友達にだけ使うことをお勧めする。
いや、もう使わない方が!あぶない(笑)
チェ·チヨルの場合『イルタ・スキャンダル』の放送局がTiving(ティービング)なので“オチョルティービング、チョチョルティービング”に変形したのがポイント(笑)
ハングル破壊と再創造
별다줄(ビョルタチュル):なんでも略す
ドラマ『イルタ・スキャンダル』には、上で紹介した新造語を含む様々な略語が使われている。
チェ·チヨルがよく使っていた言葉 “자만추(チャマンチュ:自然な(자연스러운)出会い(만남)追求(추구))” の他にも、“6모(6月の模擬試験(모의고사))”、“킹정(キンジョン:非常に認定)” のような表現が出るほど、学生たちの言語を細心に収集した。
教材で学ぶ単語だけでは韓国のMZ世代と対話できない世の中になった(笑)
たまにオッチョルTVのような突拍子もない組み合わせの新造語が流行することはあるが、このような場合はほとんどその寿命が長くない。
流行語と新造語の基本は”별다줄”(ビョルダジュル:별걸 다 줄인다:なんでも略す)” なので実生活の中でよく使う単語を減らして使う。
これら略語はすでに学生たちに必須用語になって久しい単語だ。
日常的で身近な単語を略した場合は幸い理解しやすい(笑)
心理状態や感情に関する略語や文章を減らした場合は、本当にビョルダジュル(何でも略す)になって難易度が上がり始める。
文章型の場合、人や状況によって異なることを表す表現として “케바케(ケバケ(CASEBY CASE))” をよく使っていたが、“사바사(サバサ:사람 BY 사람)”を使う傾向であり、
『財閥家の末息子』(リンク:財閥家の末息子解説①)で紹介した“이생망(イセンマン:이번 생은 망했어(今回の人生は終わった))”、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(リンク:ウ・ヨンウ12話解説①)で紹介した“졌잘싸(ジャルサ:졌지만 잘 싸웠다(負けたけどよく戦った))、
政界のニュースによく登場する“내로남불(ネロナムブル:내가하면 로맨스 남이하면 불륜(私がすればロマンス、他人がすれば不倫))”、
インターネットコミュニティでよく見られる“제곧내(ジェゴッネ:게시물 제목이 곧 내용(掲示物のタイトルが内容))”、“팬아저(ペンアジョ:팬은 아니지만 저장(ファンではないが保存))”、“낄끼빠빠(キルキパパ:낄땐 끼고 빠질땐 빠져라(挟む時は挟む、抜ける時は抜けろ))” などがある。
時代を反映する流行語
略語は時代の価値観と社会の雰囲気を反映し、무배(ムベ:무료배송(無料配送))、무나(ムナ:무료 나눔(無料で分ける))、택포(テクポ:택배비 포함(宅配費含む))のような言葉はすでに世代区分がなく使用しており、
혼밥(ホンパプ:혼자 밥먹기(一人ご飯))、혼술(ホンスル:혼자 술마시기(一人酒))などの接頭辞“혼~(ホン~:一人)”はソロ生活の大衆化を示し、Kポップ·K防疫などの接頭辞 “K~” は愛国主義と文化的特色を表している。
魂(영:ヨン)まで集めるという“영끌(ヨンクル)”、空っぽの通帳という意味の“텅장(トンジャン:텅텅 빈 통장)”、マイナス通帳(마이너스 통장)の“마통(マトン)”は韓国社会の熾烈な経済現実をそのまま見せてくれる。
最近、社会問題になっているカフェ(카페:カペ)で勉強(공부:コンブ)する人たちは“카공족:カゴン族” と呼び、仕事と生活のバランスをうたった流行語“워라벨(ウォーラベル:Work-life balance)”は、勉強と生活のバランスという“스라벨(スラベル:Study and Life Balance)”に変形した。
がらんとした通帳”トンジャン:텅장”が一番可愛いと思う(笑)
コロナ期間中にできた新しい流れもあるが、人がたくさん集まるホットプレイスの代わりに近所についての流行語も生まれた。
駅が近いエリアに始まった単語が変形し、楽な服装で訪問できる距離という意味の“슬세권(スルセクォン(勢圏):슬리퍼 신고 갈 수 있는 거리의 권역(スリッパを履いて行ける距離のエリア)”、ショッピングモールが近い“몰세권(モルセクォン(勢圏)),”、スターバックスが近い“스세권(スセクォン(勢圏))”などの新造語だ。
この他に、ハングルと英単語の組み合わせの他に、“렬루(リョルル(本当にという意味”real+で”を速く発音))”のように外国語の発音を早くして使う新造語もあり、
“오늘 치맥 각(オヌル チメク カク:今日チメク(チキンとビールの略)格)”、”분위기가 야근 할 각(ブニギガ ヤグン カク(雰囲気が夜勤しそう)” のように、~をしそうだという意味で使われる “각(カク)” の場合は漢字の意味を利用した新造語もあるので、新しい流行語に適応しにくいのも事実だ。
だからといってすべての新造語や流行語に対して軽くて無知だという偏見よりは、言語は日常生活の反映という考えで見守っていけば自然に適用されると思う。
もうずいぶん前からビビン冷麺(비빔냉면:ビビンネンミョン)は“비냉(ビネン)”に、水冷麺(물냉면:ムルネンミョン)は“물냉(ムルネン)”と呼んできたことを考えると、それほど心配する必要はなさそう。
一時的な流行になるか定着する単語になるかは、使う人が決めるから。
個人的にオチョルTVはどれくらい続くか本当に気になる(笑) 私の人生で一番衝撃的な流行語! 本当に”メンブン(メンタル崩壊)”だった(笑)