前回の記事でチェ·スンシルの娘チョン·ユラの入試不正と韓国の体育特技生制度について紹介したよ!今回は全然関係なさそうだったこの事件のせいでサムスングループのイ·ジェヨン会長が監獄に行くことになった理由についての話だよ!大学に行くもう一つの方法、芸術特技生制度も一緒に調べてみよう★
朴槿恵(パク・クネ)大統領を弾劾させたチェ·スンシルとチョン·ユラ母娘を予言したドラマ『密会』が話題だったそうだよ(笑)
馬のせいで変わったサムスングループの運命
大統領を罷免したチョン·ユラの母親
前回の記事(リンク)で、梨花女子大学生たちの総長退陣要求デモがチョン·ユラの不正入学事件に拡大する過程を紹介したが、実は衣類学科の学生探偵でなくても、チョン·ユラは摘発されるしかなかった。
韓国はチョン·ユラの母親 “チェ·スンシル事件” が大爆発した状況で、大々的な調査が入ったからだ。
しかし、歴史上初めて大統領が弾劾される大きな事件で、チョン·ユラの大学不正入学は非常に小さな部分なので、人々はあまり気にしなかった。 もっと重要な問題が多かったから。
朴槿恵大統領を指示していた隠れた女チェ·スンシル事件は核爆発と同じだった(笑)
梨花女子大学総長が辞任したのが10月19日だが、決定的証拠であるチェ·スンシルのタブレットが10月24日のニュースに登場し、梨花女子大学の話は完全に消えた。
国民は毎週末、ソウル光化門に集まってろうそくを持ち、梨花女子大学の学生たちもまた「総長退陣」ではなく「朴槿恵退陣」を叫び始めた。
光化門だけで200万人が参加する長いデモの末、翌年3月に憲法裁判所は朴槿恵大統領の弾劾を決定した。
主文、被請求人の大統領朴槿恵を罷免する
憲法裁判所
教科書で学んだ弾劾の手続きと憲法について全国民が勉強していた時期(笑)
馬の値段が大事
超大型事件だから特別検事が任命され、大々的な捜査が進行、不正疑惑の種類も非常に多かった。
その中でチェ·スンシルの娘チョン·ユラの不正入学事件は個人的な不正であるため重要度が最も低い水準だったが、状況が反転したのは “馬” のせいだっだ。
乗馬選手チョン·ユラの “馬” 。
韓国の体育特技生制度について説明する時に話したよね? 高い馬ほど成績が良い、そしてチョン·ユラはアジア大会で金メダルを取った。
その高い馬を買ってくれたのが “サムスングループ” 。
ここからチョン·ユラ問題はとても重要な事件に変わるんだよ(笑)
朴槿恵政府はいくつかの財団を作って企業に強制的に財団基金を募金させたが、財界1位のサムスングループは200億ウォンを上納した。
これは政府の強圧によって仕方なかったという言い訳が通じたが、チョン·ユラ個人に支援した金額は個別的賄賂になるのだ。
特に、サムスングループ副会長のイ·ジェヨンにとって最も重要なのは賄賂の額だった。
最高裁判所の量刑規定上、横領額(賄賂)が50億ウォンを超えると “5年以上の刑を宣告” しなければならないため、執行猶予が不可能なのだ。
チョン·ユラに買ってあげた馬の値段によってイ·ジェヨン副会長の拘束可否が決まる仕組み(笑)
すでにチェ·スンシルの個人財団に上納した36億ウォンは賄賂と確定している状態で、問題の “馬” はチョン·ユラではなくスポーツ財団に支援したという論理で防御したが、韓国最高の弁護団もイ·ジェヨンの拘束を防ぐことはできなかった。
チョン·ユラの馬購入費34億ウォンが賄賂として追加されたのだ。
この金額の賄賂判断次第で、1審懲役5年(収賄額89億ウォン)、2審懲役2年6ヵ月執行猶予4年(収賄額36億ウォン)、最高裁懲役2年6ヵ月(収賄額86億ウォン)で最終拘束収監を終える。
結局、チョン·ユラ事件によってサムスングループは2年以上の間、グループの総帥なしに運営されなければならなかったのだ。
それでもサムスングループ会長が監獄にいると韓国経済が滅びるという論理のおかげで、2年6ヵ月という非常に短い判決(一一”)
ちなみにこの時捜査検事の1人が今の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領で、もう1人は現在法務部長官になった!
イ·ゴンヒ会長が長生きしなければならなかった理由
賄賂判断の最も基準になるのは “代価性” だが、最高裁でも賄賂と認めたとすれば、サムスングループは何を望んでチョン·ユラの馬まで買ってあげたのだろうか?
軍事政権時代でもないのに、あえて数百億の上納金と賄賂を提供しなければならなかった理由は、まさにイ·ゴンヒ会長の健康のためだ。
2014年、イ·ゴンヒ会長が突然心筋梗塞で倒れた後、起き上がれないとサムスングループは非常に焦った。 1990年代から “経営権継承作業” をしてきたが、まだ終わっていない状態だった。
イ·ゴンヒ会長の保有株式の持分価値だけで約19兆ウォン、美術品と不動産現金などが約3~4兆ウォン。
いくら金持ちでもこれくらいの現金はないよ(笑) だからといって相続税のために株を売ったら経営権が危険になるし。
相続税も備えなければならなかったが、一番重要だったのは系列会社の持分構造を整理してサムスングループ全体の経営権掌握を確実にしなければならなかった。
単純に株式持分を獲得して経営権を掌握するには莫大な現金が必要なので、サムスングループは1990年代から “持株会社” を利用した便法を利用していた。 (韓国の財閥の記事(リンク)で紹介した方式)
このような持株会社方式には系列会社の合併と構造調整が必要であり、構造調整と合併には政府の承認と許可が必要だ。
イ·ゴンヒ会長が死亡した2020年前までサムスングループの最も重要だった業務は売上上昇ではなく “経営権継承” だったからだ。
結局、裁判所でもサムスングループの継承作業のための不正な忖度が存在すると判断したため、イ·ジェヨン副会長は拘束されたのだ。
実際、朴槿恵政府時期にサムスングループではとんでもないことが起きたが、政府の黙認の下、すべての審査を通過したからだ。
そうしてサムスングループはイ·ゴンヒ会長からイ·ジェヨン副会長に経営権が世襲されたのだ。
これがイ·ゴンヒ会長が長生きしなければならなかった理由であり、チョン·ユラの馬まで買ってあげながら賄賂を渡した本当の理由だ。
ドラマ『密会』にチェ·スンシルが?
予言だったかな?警告だったかな?
このようにチェ·スンシルの娘チョン·ユラの名前がニュースによく登場すると、韓国人の間で浮上したドラマがある。 2014年に放送されたドラマ『密会』。
実力はないが高位層人脈のある母親のおかげで不正入学した名門音楽大学ピアノ科の学生チョン·ユラが出て、母親は有名な占い師で財閥2世、誰もが羨む豪華な生活を送っている。
母親が教授たちに会って単位の賄賂をする場面では、出席率のため成績を上げることができないと持ちこたえている教授と戦う姿まで、実際のチョン·ユラの事件とよく似ている。
チェ·スンシルは朴槿恵大統領の行事に変な迷信が適用された行事をたくさんして、占い師かと疑われた(笑)
これくらいなら「入学不正は全部似かよっているよね~」と思うけど、あえて登場するチョン·ユラの面接試験場面に一緒にいた学生の名前は “チェ·テミン” だ。 チェ·スンシルの父親の名前。
そしてドラマには大企業傘下の芸術財団を運営する人物が出てきて、ホストバー出身の年下男性に上流層向けの輸入衣類売り場を設ける場面まで出てくる。
実際、チェ·スンシルは江南ホストバー出身の側近であるコ·ヨンテに高級カバンブランドを立ち上げた。
これくらいなら「このドラマ本当に何物?」と思うが、ドラマ後半で破局に至った母娘は飛行機で海外に逃走するが、実際チェ·スンシル、チョン·ユラ母娘はドイツとデンマークに逃走して逮捕された。
サムスングループのイ·ジェヨンが上納した財団に、父親のチェ·テミンの名前に、ホストバー出身の男性に、海外逃走まで(笑) このドラマはチェ·スンシル事件の2年前に放送された作品だよ(笑)
金持ちの子どもたちが大学に行く方法2
作家の予言だったのか、韓国人にあらかじめ警告をしてくれる配慮だったのか分からないドラマ『密会』の内容は話題にならざるを得なかった。
一致する設定が多すぎるため、チェ·スンシル側の内部人が情報を流したのではないかと推測するだけだ。
このドラマを通じて私たちが知ることができる韓国のもう一つの大学進学方法は、音楽と美術のような芸術分野特技生だ。
体育特技生制度と同じように幼い頃から費用が多くかかる分野で、金持ちの子どもたちの特恵入学が蔓延している分野だ。
『密会』でチョン·ユラは入学前に該当大学の教授から直接レッスンを受けて実技評価曲の情報を予め知り準備することができた。
日本も同じだろうが、芸術分野ほど客観化できる点数があるわけではないため、不正が生じざるを得ない構造だ。
音楽の場合には高い馬が必要な乗馬のように、珍しい高い楽器を選ぶと大学入試フリーパスという言葉もある。 サッカーや野球のように貧しい学生たちはほとんど声楽やピアノに集中している。
このように芸術·体育特技者として名門大学に進学した金持ちの子どもたちが狙うのは、ほとんど「専科」を通じて身分を洗濯する方式だ。
それで財閥家の息子たちの場合、以前の記事(リンク:大学入試➁)でしばらく登場したハンファグループの息子のように、乗馬を通じて大学入試と兵役免除まで解決し、経営学科を卒業して父親の会社に入るのだ。
射撃、乗馬、ヨット、カヌーなど高級スポーツを学んで特技者選考に入学し、身分洗濯をした後は、この時学んだ高級スポーツは “品格のある趣味活動” に包装されるのだ。
ほとんどどこの大学のどの学科卒業かを重要視していて、どうやって入学したのかはあまり気にしないから。
乗馬特技生として入学したチョン·ユラがあえて衣類学科を卒業しようとしたのも同じ理由だ。
アメリカの上流層で流行ってるやり方だというけど、汚くてずるい世の中だよね(笑)
体育特技生に続き芸術分野特技生の話を簡単に話したけど、次はもっと緻密な入学方法について調べてみるよ。もっとずるい話が待ってるよ~(笑)