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映画『パラサイト』#6 韓国の結核発生率1位に隠された理由 韓国の路地はなぜ狭いのだろうか? 韓国のスカウト文化

映画・ドラマで学ぶ韓国
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スーパーの陳列台と不法駐車

出典:네이버영화

挿入歌「信頼のベルト」のシーンで、キジョンは町のスーパーであえて桃を盗む。
しかしなんだか、キジョンらしい感じがして憎めない。

ときどきテレビのインタビューを観ていたら外国人が驚いたりもする、韓国の町のスーパーの陳列。

「道に商品を置いておくって?」
「室外に置いてあるものは、持って行ってもいいって意味?!」

韓国や日本では普段よく見かける光景だけど、市場ではないところで出入口の外に陳列される光景に、なじみが薄い国もあるそうだ。盗難や紛失の可能性がとても高いということだろう。

国の治安と関連する問題だが、先進国だからという理由よりも、外の空間で陳列や積み上げは、本当はほとんどは不法的に空間を占有する行為だ。

個人的に日韓の間でも環境的な違いを大きく感じられる場所が、町の小さな路地だと思う。韓国の場合、駐車場の確保なく車両の購入が可能で、駐車違反の罰金も4万ウォン程度で厳しくないほうだから、路地の駐車問題はとっても深刻。歩いてみても、車を運転してみても、危険な場合が多い。

映画『パラサイト』のスーパー
出典:한국경제

特に人道や道路が狭くなり、汚くなる原因のひとつが町のスーパーだと思っていて、路地の曲がり角にある場合が多いので、曲がるために広くないといけない合流地点の空間が、むしろ狭い場合が多い。

盗難が少ない「信頼」の文化もいいけど、交通の安全のために改善しなければいけないと思うよ。

제발 선을 넘지 말라구요 ㅠㅠ(おねがいだから線を超えないで)
2022年1月1日から済州島は全ての車種車庫地証明制を施行している。

韓国でよく見かける路地の駐車
出典:연합뉴스

韓国がOECD国家の中で結核1位?

OECD主要国1996年以降の結核発生率
グラフの幅が足りないほど圧倒的な1位の韓国、日本は6位 (10万人あたりの発生人数)
出典:중앙일보

결핵?! 아이 설마~ 요즘에도 결핵 환자가 있어요 ?
(結核?えーまさか~ 最近でも結核患者がいるんですか?)

근데 검색해보세요, 한국이 현재 결핵환자 발생율이 1위랍니다, OECD국가들중에.
(でも検索してみてくださいよ。韓国の現在の結核患者発生率1位ですから。OECDの国の中で。)

映画『パラサイト 半地下の家族』中

おはる
おはる

本当に韓国が結核発病率1位なの? 結核って後進国の病じゃないの??

ペコム
ペコム

はい、そのとうり!明らかな事実だよ!
2019年基準で、結核の発生率、誘発率、死亡率、OECD35か国の中で全て1位、三冠王!連続記録では2000年代初期以降、毎年1位!

おはる
おはる

いやちょっとまって、でも経済力、軍事力、スポーツとか、ほとんどの分野で世界10位に入る国が結核1位だって?

ペコム
ペコム

はい、そんな国に未だに半地下文化があるように、結核もまたとても深刻な存在なんだよね。

結核は典型的な後進国型の病として、貧しくて、体が弱くて、非衛生的な環境とストレスにさらされると、免疫力が弱くなりかかると言われている。 

韓国は急速な高度経済成長を成し遂げ、発病率はずっと減少してきた。

”お金(経済) → ご飯が食べれる → ちゃんと生活できる → 病気にならない” 

結核発生患者数 上の線が全体数、下が新患者数
出典:조선일보

2000年代初期の結核退治国家宣言が目前に、いつの間に、いきなり、狂ったように再び増加し始め、今では連続1位の座を譲らないでいる。

だから、韓国内でも本当に色んな意見が出ている不思議なケースなのだ。

いったいなぜ?韓国人だけの習慣によるもの?
その前はどうして1万名以下まで減ったの?その時は違う文化だったの?

汁物文化と酒杯回し 説

原因に対するいろんな分析の中で一番多く出るのが、韓国人の文化と習慣によるものだという意見だ。汁物と鍋の汁物文化、そして酒杯回し(술잔 돌리기)などを代表とする飲酒文化

出典:정책뉴스

韓国の基本の食文化は、基本的なご飯といくつかのおかず、そして汁物。
鍋でも味噌汁でも必ず汁物が1つはないといけないという考えが強い。

だから、汁物なしの食事は、なんだか物足りないようなさみしい感じがする。
熱いクッパ(スープご飯)をぐいっと飲んで、満たされたお腹をさすることができてやっと、「あーおいしかった、お腹いっぱいになったー」ということが出来るのだ。

もちろん、そういった考えや食事のスタイルは最近では減ってきているが、韓国では未だに色々な汁物のメニューを楽しむ。

問題は汁物は普通、個別に食べることが多いが、チゲ(鍋)やチョンゴル(鍋)などの場合はテーブルの真ん中にひとつ置いて、家族みんなで一緒に食べる場合が多い。汁物料理の外食の場合でも同じ。

出典:동아일보

最近では外食の店では、ほとんど取り皿や一人分の皿を使うようになっているので、大体の人はそれを利用するが、問題は取り皿と道具が準備されているにもかかわらず自分の好きなようにつついて食べる人がまだ多くいるということ。

韓国人もこのことについてはよく話題にあがる。そうしなければいいなって…。

汁物文化を問題とするよりも、共用の料理に自分の使っているスプーンを使う行動が問題

出典:한국일보

また、減ってきていはいるものの、未だに残っている文化の中のひとつが、いわゆる酒杯回し(술잔 돌리기)文化だ。

今よくよく考えてみると、汁物よりも、むしろ酒杯回しの方が減ってきている気も…。まあとにかく、会食や飲み会で他の人にお酒を勧めて、またそのお酒を飲んで、また注いで、問題はそれを一つの杯で回すということ。

私が飲んだ杯をあなたに、あなたが飲んだ杯を私に…って愛し合ってるの??(笑)

「お酒を勧める時に(自分が飲んだ)杯を渡しますか?」緑:はい/赤:いいえ
出典:KBS뉴스

それでも、以前のように強制的な全体の会食文化も、狂ったように1次会、2次会、3次会と暴飲する文化も明らかになくなりつつあることは感じるが、酒杯回しも原因の候補であることは間違いない。

共同体、ウリ、一緒にを強調しているうちに生まれた習慣なのか分からないが、そうだとしても、これが未だに結核発病増加の明確な答えではなさそうだ。

外国人の流入と外国人医療保険問題 説

おはる
おはる

“お金(経済)→ご飯が食べれる→ちゃんと生活が出来る→病気にならない”っていう段階から、今では、食事の心配もしなくていいし、一体なぜ?食べすぎたのが問題?

ペコム
ペコム

だから他の要因の中の1つに、”外国人“を見つけたんだけど、これもまた、とっても説得力あるんだ。急増した時期から遡って推測してみると、明らかに何かあるはずだからね。

結核退治目前だった2000年初期、韓国では何か起こったのだろう?

冷戦時代が過ぎた1992年、韓国と中国は国交を樹立する。そして、金大中、盧武鉉、2人の進歩系列の大統領の時期に、2003年だったかな…進歩政権は「在外同胞法」を新しく改正する。

中国の朝鮮族の同胞たちが韓国に来ることができる法

日本の植民地時代、独立運動をしたり、弾圧から追われ逃げてひっそりと暮らしたり、強制的に中国やソ連の地域などに徴用されて以降、見捨てられ… ほとんどが “国を失った悲しみ” と“ 独立運動 ”と関連している。

初めは、そんな方の子孫が他国で苦しく暮らしているので、戻って来れるようにしようという意味だったが、それを拡大し、朝鮮族全体の就業や入国を安易に出来るように法を改正。

ちょうどIMF直後で、賃金を抑えたい雇用主と、「朝鮮語」が通じる低賃金朝鮮族が合わさって、ものすごい数が流入し始めたのだ。

まさにその時期。

(上のグラフ)全体の結核患者数/(下のグラフ)外国人結核患者数
出典:서울퍼블릭 뉴스

そうやって朝鮮族と中国人の流入が増えて、それが結核の急増と関連があるという意見もある。韓国滞在の外国人のほとんどが中国人で、その内の50%以上が朝鮮族…2004~5年度に流入が増え、韓国の結核も急増し始めたのだ。

数百人だった外国人結核患者が今では1,000人単位で3倍以上増えたので、かなり説得力あるのだ。

そこに火をつけたのが、” 外国人の医療保険問題 “
韓国に来れば約7000万ウォン(約700万円)の結核の治療費が完全無料だと中国で噂が広まったのだ。

2007年の1年で、1,000億ウォンだった外国人への医療費の支出が、今では6,000億ウォンを超える程にまでなってしまい、結局、2019年に外国人無償治療を防ぐための法律の変更という結果を招いだのだ。

おはる
おはる

グラフを見ると、外国人患者の増加は正しいですが、外国人結核患者が1,000人くらいでも、それだけではOECD1位は無理なんじゃない?

ペコム
ペコム

そうだよ, 明らかに外国人流入が大きな影響がありそうだけど、結核の感染拡散に外国人以外の何かがあることは確か。

高齢者の結核 説

ペコム
ペコム

だからもっと調べてみたら「高齢者」という単語があったんだよね。日本も順位にあったから調べてみたら、ここにも、「高齢者」という単語があったよ。

おはる
おはる

日本でも、かつては「国民病」や「亡国病」などと呼ばれ、ものすごく恐れられていた感染病だったけど、最近はあんまり聞かないと思ってたんだけどなー。でも、2017年のデータで、10万人あたり13.3人と、日本もいまだに「中蔓延国」なんだって。

幼いころから栄養不足だったり、衛生状態が悪い時に保菌者として知らずに生活して、体の免疫力が弱くなると発生する…

韓国も日本の後に続き急激な高齢化が進行中だ。
そこに、「古紙集めの高齢者」のような高齢者貧困率がまた「1位」の国。

古紙集めの高齢者

●OECD国家中65歳以上高齢者貧困率1位
●青年失業率1位
●抗生剤使用量1位

私も知らなかった1位が本当に多い!
2014、15、16年…これも独占、連勝!熱い民族(笑)

2000年、2010年代の韓国の高齢者たちは、韓国の一番苦しかった時期の方たちだ。
日本の植民地時代の後半から朝鮮戦争、そして戦後のひどい貧しさ…トリプルパンチを受けて育った世代。青年、壮年になっても経済成長のためにつましく暮らさなければならなかった、今の韓国を作り上げた世代である。

幼い頃の栄養不足や衛生環境が悪く、保菌者として生涯知らずに生きて感染して… 国の発展と子どもの成長に全てをささげた「老後の備えがない貧しい高齢者たち…」全てのことが理解が出来る。

65歳以上の老人患者の割合は全体結核患者の45%まで増加した。 全体患者数が簡単に減らない理由だ。

昔の韓国は本当に貧しかったということだ。 過去からの病気。

ダイエットとモムチャン運動 説

本当に意外と10-20代の若い世代の新規の発生率が高くて調べてみたら、“無理なダイエットや運動不足による免疫力の低下”。

あ、、、本当に多様 T_T

しばらく韓国では健康ブーム(well-being)があったのも2000年代初期。その後にモムチャン(몸짱: 鍛えられた体)にダイエットに…

個人的な推測だが、総まとめをしてみると、

*通貨危機で大変だった時期に栄養不足とひどいストレス
*IMF救済からの回復を夢見た雇用主、採用形態と中国人の流入
*急激な中国人流入による多数の直接感染
*感染を拡散させるのに一躍買った韓国の色んな文化
*はなっから患者が入国するように作られた医療制度の矛盾
*韓国の厳しい時期に保菌者だった世代が老人になった時期と貧困
*進歩政権の政治環境まで…

本当に多くの結果じゃないかと思う。 

今は2030年の退治を目標に、医療界では一生懸命努力しているとのことだ。年間の結核発生人口が4万人から2020年以降1万人まで減ったということなので、更に良くなることを信じています。

ペコム
ペコム

これからは良いことで1位にならなきゃね!

モールス符号とインディアン、韓国のスカウト文化

出典:네이버영화

 ‘h.o.l.p’ (helpの綴り間違い)

チカチカする階段の照明を見て、ダソンが書いたクンセの救助要請メッセージは、誤字となって消えてしまう。

ダソンがモールス符号を解読しようとしたのは, アメリカから直輸入したインディアンのテントの中で、カープスカウトの遊びの一部というだけで、深い意味はなさそうに見える。

国のために他の人を助けるといったカープスカウトの宣誓も、彼らを助けることが出来なかった。

団体キャンプ中のスカウトの学生たち
出典:JTBC

韓国のカープスカウトは1920年代に初めて導入され、高校や成人のグループもあるが、主に小中学校までカープスカウトの活動をする。

大学入試用のボランティアの点数稼ぎを除けば、最近では中学生になったら学業に専念する傾向だ。小学校の低学年の時に団体生活の能力の向上と、社会性、自立心などを育てるために子どもたちに参加させるが、費用の問題も家庭の状況が難しい場合は不可能だ。

カープスカウト以外でも “韓国青少年連盟” という団体にも多く参加する。 軍事政権時代、”北朝鮮の少年団”に対抗するために設立された団体だ。本当に韓国に北朝鮮は多くの分野で登場する。

北朝鮮に負けないように作られた韓国の青少年連盟の子どもたちの様子
出典:인사이트

カープスカウト、青少年連盟、宇宙少年団などの青少年の団体があるが、どっちの団の服がおしゃれか、どっちの方が面白い場所に野外活動に行くのか、などにより人気が分かれるだけで、大きな違いはない。 

でも、全ての子どもが入れるわけではないから、富の親譲りはこの頃から始まっているのかもしれない。

おはる
おはる

監督の言葉によれば、ダソンがインディアンの格好で家の中で勝手気ままに遊びまわる姿は、特権階級が被侵略者の痛みも歴史もよく知らずに、外見だけを真似するという無頓着さの表現なんだそう。

原住民インディアンを追い出したアメリカが、今ではインディアンのテントを販売している時代。今となっては思い出になり、遊びになってしまったが、そこにいたインディアンにとっては生存問題だった。 

でも現実では、誰が侵入者で誰が原住民なのか区分が難しい。

カープスカウトのお互いに助け合う “共に生きる社会” は、小さい頃の “将来への希望” のような存在なのかもしれない。大人になってから多くのことを知ることになるだろう。

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